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なんちゃって犯罪

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 などということが、横行したりするというのが、大きな問題である。
 本人は、
「そんなつもりはなかった」
 といって、
「知らなかったんです」
 といっても、その罪から逃れることはできない。
 もちろん、一番悪いのは、
「情報を抜き取るために、ウイルスを仕込んだ連中だ」
 というのは当たり前のことであるが、それら手口が会社などでも周知徹底されているのに、社員がそれを、
「知らなかった」
 といって通用するわけはない。
 そして、たいていの場合、そういう無知な人というのは、何とかごまかせると思うのか、
「流出したかも知れない」
 と分かった場合、本当は会社に自分から申告しなければいけないものを、どうしても、
「保身のため」
 ということで、報告を怠ってしまうというのが、多いパターンであろう。
「会社に対しての報告義務」
 というのは当たり前のことであり、それを怠ると、下手をすれば、
「会社から訴えられる」
 ということも、十分にあり得ることであった。
 こういう場合に限らず、報告義務というのは、いろいろな場面で考えられるというものだ。
 たとえば、
「ひき逃げ」
 という犯罪があるが、もし、これが、ひき逃げではなく、最初にちゃんと報告していれば、罪とすれば、そこまでひどいものではない。
 というのは、
「ひき逃げには、大きくわけで、3つの犯罪がある」
 ということであり、まず、最初に普通に考えられるものとして、
「業務上過失致傷」
 あるいは、
「業務上過失致死」
 と言われる、
「業務上」
 とつく問題である。
 つまり、人を業務上過失によって傷つけたり、それによって死んでしまったという場合の、これは、最初から申告していた場合でも、問われる罪ということで、
「当然の罪」
 といってもいいだろう。
「過失」
 という言葉がついてはいるが、運転というのは、
「免許のいる」
 というもので、
「専門的な技術を必要とし、それを身に着けている人間」
 という人が犯した罪なのだから、
「過失といっても、その罪はかなり重い」
 ということである。
 下手をすると、
「業務上過失」
 という言葉のつかない。
「傷害罪」
 あるいは、最悪の場合は、
「殺人罪」
 というものが適用されるといってもいいだろう。
 そして、もう一つの罪としては、
「救護義務違反」
 というものである。
 自分が引き起こしたことで、目の前で苦しんでいる人を、見捨てて逃げるのだから、ある意味、これが一番卑劣なことであり、
「ひき逃げという罪の一番の本質だ」
 といってもいいかも知れない。
 もし、ここで死んでしまえば、
「あの時に通報していれば、助かったかも知れない」
 ということで、これが悪質となると、
「殺人罪の適用」
 ということもあるだろう。
 たいていの場合は、
「自分がここで名乗り出てしまうと、バレてしまうことを恐れる」
 ということで、例えば、
「飲酒運転」
 であったり、
「無免許運転」
 などをしている時に犯した犯罪だとすれば、犯人が名乗り出ることができないのも当たり前というもので、逆にいえば、
「飲酒運転をしている」
 ということから、あるいは、
「無免許」
 などのように、ちゃんと免許を持っていないということで、
「事故を起こしても当たり前」
 という状態だから、
「運転してはいけないという状態」
 ということを分かっているから、そこから逃げたわけであり、それだけの機転が利くということは、
「気が動転していた」
 という理屈は通じない。
 だから、
「ひき逃げにおける、救護義務違反という問題は、その判決において、そのような罪に問われるかということで、一番大きな意味を持ってくるものに違いない」
 そもそも、
「保身のために、苦しんでいる人を見捨てる」
 という、まるで畜生にも劣るというものである。
 さらにもう一つ、ひき逃げにおける犯罪としては、
「警察への報告義務」
 ということである。
 これを怠ると、明らかに、
「事故を隠滅の意図あり」
 ということになるであろう。
「少しでも、時間が経てば、自分がやったということをごまかせるのではないか?」
 といって、ごまかせるというものである。
 しかし、これも、
「犯行が絶対にバレない」
 とおうことでなければ、バレてしまうと、心証は非常に悪いものになる。
 何といっても、
「ごまかそうとした」
 ということになれば、
「犯行を完全にごまかそうとした」
 つまりは、
「偽装工作に近いことになってしまう」
 ということで、裁判の際の情状酌量も薄れていき、
「執行猶予もつかない」
 ということになり、本来であれば、
「ひき逃げなどするものではない」
 ということになる。
 それでも、どうしても、
「ひき逃げにしないといけない」
 ということになるとすれば、
「捕まれば余罪によって、完全にもっとひどい罪刑に処せられる」
 ということが分かっている場合であろう。
 極端な例かも知れないが、
「例えば、誰かを殺して、その相手を車の中に積んでいる」
 などという場合は、また違ってくる。
 ただ、そうなると、ひき逃げなどということはしないだろう。昔であれば、
「一緒に車の中に積んで、そのまま逃げ去る」
 ということになるだろうからである。
 ただ、逆に今ならそれをすることもないのではないか?
 なぜなら、
「今の時代は至るところに防犯カメラというものがある」
 ということで、すぐに身元がバレルのは必至だからである。
 下手に表に出て、車に死体を積んでいるところでも見られると、その行動から、
「何か怪しいと、警察に勘ぐられてしまうのも、必至である」
 それを考えると、
「そのまま放置して、ただのひき逃げということにしてしまった方が、怪しまれるということはない」
 ということになるのだ。
 だから、今であれば、結局、
「ひき逃げ」
 ということにしないといけないだろう。
 もし、死体を積んでいるとすれば、急いで死体の始末をしてしまい、そこから、車を廃車にするなどの手配をする方がいい。
 というのは、
「廃車にしなければ、防犯カメラにナンバーが写っていることから、いずれは、ひき逃げをした車ということで手配をされるだろう」
 しかし、逆に、先に始末をしてしまうと、
「犯人は、ひき逃げをしたことで、車を廃車にした」
 ということで、廃車にしたということに何ら不思議だとは思わずに、やり過ごすことで、犯人とすれば、
「ひき逃げということだけの罪で逃れることができる」
 と考えるに違いない。
 最初は、ひき逃げをしてしまうと、
「最初に人を殺した時の理由が何であれ、ひき逃げまで起こしてしまうと」
 その時に考えることとして、
「これほど運が悪いということもないだろう」
 と、
「泣きっ面にハチ
 とでも思うかも知れないが、それよりも、冷静になって考えると、
「ひき逃げを表に出すことで、本来の悪行をごまかすことができるかも知れない」
 という、悪知恵が働くというものではないだろうか?
作品名:なんちゃって犯罪 作家名:森本晃次