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なんちゃって犯罪

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「時代が令和になった頃から、それまで泣き寝入りをしていた人に、光が当たる」
 ということになってきたといっても過言ではないだろう。
「時代が進展してきた」
 といっていいのか、それとも、
「やっと、社会が時代に追い付いてきた」
 ということになるのか、言葉にするのは難しいところであった。
 SNSにおいての、
「誹謗中傷」
 であったりするものも、最近では、
「開示請求」
 というものの規定を緩めたり、
「侮辱罪」
 あるいは、
「名誉棄損罪」
 のようなものの罰則を強化したりということをすることで、裁判を起こしやすくするということを、法改正において、行うようになったきた。
 もっとも、
「遅すぎる:
 というくらいで、さすがに、警察も政府も、
「何かが起こってからでしか、対応しない」
 ということで、
「被害を未然に防ぐ」
 という言葉が、
「やつらの辞書にはない」
 ということなのだろう。
 ナポレオンの辞書には、
「不可能という文字はない」
 というのと同じで、皮肉な言葉として伝えられてもいいのかも知れない。
 そんなSNS界隈での、一番の罪というと、やはり、
「匿名性」
 ということではないだろうか?
 何かを発信する時も、名前も、ハンドルネームなる、本人が勝手に決めた名前であり、SNSの会員になる時だけは、本名や住所などを書く必要があるが、それとて、実際に調べるわけではないので、ハッキリとはしない。
 とにかく、
「発言者が、リアルでどこの誰だか分からない」
 ということが、
「匿名性」
 ということである。
 どこの誰だか特定することができず、逆に、
「個人情報保護法」
 なる法律まであることで、
「法律が匿名性ということを擁護している」
 ということで、逆に、今の時代で、匿名性ではなくなってしまえば、
「誰もSNSに手を出す人はいない」
 ということになるだろう。
 確かに、
「個人情報保護」
 というのは、昔から言われていて、
「プライバシーの保護」
 というのは、民主主義の基本である、
「基本的人権の尊重」
 という、
「日本国憲法における三原則の一つ」
 ということになるのだ。
 だから、
「個人情報の保護」
 というのは当たり前のことであり、だが、その法律が制定されたのは、大日本帝国が、敗戦によって滅亡し、民主国家である、
「日本国が成立し、日本国憲法が制定されたタイミングということではなかったのであった」
 というのは、個人情報という言葉が注目されるようになったのは、時代とすれば、戦後から、ちょうど、半世紀近く経った頃であった。
 というのは、科学の発展著しい世界において、時代が、昭和から、平成へと移り変わった時期くらいに、ちょうと、コンピュータの普及が進み、会社などでは、
「社員一人一人の机の上に、パソコンというものの端末が置かれるようになった時代であった。
 そもそも、この個人所法の保護をしないと大変まことになると言われはじめるきっかけになったことは、二つだったのだ。
 その一つの問題が、いわゆる、
「ストーカー問題」
 というものであった。
「人を好きになるがゆえに、その人のことが気になって、すべてを知らずにはいられなくなる」
 という感覚である。
 中学生、高校生の中には、それまでにも、
「好きになった人がいたとして、その人がどこに住んでいるのか知りたい」
 ということで、思わず、相手をつけて家くらいは確認したいということで、実際に、あとをつけるというくらいの行動くらいはあっただろう。
 しかし、それを取り締まる法律があったわけではない。人の後をつけて、家を確認したとしても、
「だからといって、それ以上のことをしない」
 というのだから、別に、相手を襲ったり、危害を加えたりしたわけではないので、
「犯罪の未遂」
 ということにも当たらない。
 もし、そこで、凶器を持っていたりすれば、
「凶器準備集合罪」
 であったり、
「銃刀法違反」
 などという法律に抵触するのだろうが、そうではないので、結局何かの罪に当たるということではないのだ。
 しかし、今であれば、
「相手をつけるようなことをしただけで、犯罪となる」
 のである。
 それが、
「ストーカー行為防止法」
 という法律に該当するのであり、それも、
「ストーカー行為」
 というのが、ひどくなるからであった。
 その一つとして、
「相手の家を見つけるだけで満足できなかった」
 という人が、
「毎日のように待ち伏せをしたり」
 あるいは、
「夜中に何度も無言電話をかけてみたり」
 さらには、
「玄関先に、ストーカーが見ているなどということを匂わせる、無言の圧のようなものをほのめかす行為」
 それらは、今までの法律であれば、ほとんど裁くことはできなかったが、やっと、それらを、
「ストーカー行為」
 と認定し、
「ストーカー行為は、立派な犯罪だ」
 ということにするのであった。
 これも、社会問題となり、中には自殺する人が出てきたことで、やっと、政府も重い腰を上げ、国会にて、法案を成立させたということになったのだ。
 もっとも、それまでは、そこまでエスカレートすることはなかったのに、急にそういうストーカーが増えてくるというのは、それだけ社会が不安定な状態になってきたというのか、警察にしても、政府にしても、
「社会秩序や、治安を守る」
 ということができ、さらには、しなければいけない立場の連中がしっかりしないから出てきた犯罪だといえるのではないだろうか?
 だから、
「ストーカーに狙われないようにする」
 ということで、個人情報の保護というのは、不可欠だということになるのであった。
 ストーカーに関しては、
「ストーカー防止法」
 よいうものが、独立して存在しているので、直接、
「個人情報保護」
 という観点に、携わっているということではないのかもしれないが、それよりも、もう一つの方が、厄介で、犯罪の形としては、
「ハッキリとしている」
 といえるのかも知れない。
 もちろん、ストーカーの方が、
「身体的な危険」
 という意味では、その恐怖からの問題が大きいともいえるが、もう一つの問題の方が、今の時代は、別の意味での怖さがある。
 それが何かというと、
「コンピュータウイルス」
 などというものが原因で、個人情報が流出してしまい、その結果、
「詐欺」
 であったり、サイトが乗っ取られることで、パスワードや、金融機関への侵入で、
「いとも簡単に、金を取られてしまう」
 ということになってしまうということになるのであった。
 だから、詐欺行為というものであったり、パスワードを盗まれるということで、会社などでは、
「情報セキュリティ」
 ということが盛んに言われるようになり、新しく、部署を設置する会社も多かったりするというものだ。
 会社の情報を、家に持ち帰ったり、その途中で、なくしてしまうなどという単純ミスが、大きな問題を引き起こしたり、
 さらには、
「無知から、触ってはいけないところをクリックしてしまったりして、会社のパソコンがウイルスに感染し、会社の個人情報が、相手に筒抜けになってしまったり」
作品名:なんちゃって犯罪 作家名:森本晃次