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襷を架ける双子

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 しかし、実際には、人間の数が減るどころか、人口が増え続けているところもある。
 逆に、戦争などが起こって、減って行っているところもあるではないか。
 それを考えると、何か、納得のいかないというような状況が生まれてくるのであった。
 今の世の中、世界的な人口は増えていっていて、今から百年くらい前に。
「世界の人口の増加で、食料問題が深刻化する」
 ということが言われ、
「深刻な社会問題」
 となったのだ。
 この問題は、当時の科学者によって発明された、
「ハーパーボッシュ法」
 という、空気中の窒素から、アンモニアを生成するということで、
「化学肥料の大量生産を可能ならしめる発明」
 ということで、一挙に食糧問題が解決に向かい、
「数千万人という人が、飢餓の恐怖から救われた」
 ということであったのだ。
 しかし、時代は、その後、最悪の時代に突入した。
 というのは、
「人類は、大量殺戮という、消すことのできない罪を歴史に書き残した」
 と言われる、
「大量殺戮に繋がる戦争の歴史」
 というものを作ってしまったのだ。
 第一次大戦においては、
「戦車」
「潜水艦」
「飛行機」
 などと言った、
「乗り物兵器」
 であったり、さらには、
「相手を抹殺する」
 ということに特化した、
「毒ガス兵器」
「化学兵器」
 というものが、生まれてきたのだ。
 これらの威力で、第一次大戦では、かなりの数の人間が亡くなったのだ。
 そこから、20年ほという短い時間で、今度は、
「第二次世界大戦」
 というものが起こった。
 この戦争は、
「起こるべくして起こった戦争」
 といってもいいかも知れない。
 理由はかなりの数あるのだが、たとえば、
 第一次大戦の敗者となったドイツに対しての、戦勝国による、賠償の求め方であったり、
「二度と戦争を引き起こさないようにということで、手も足も出ないような、
「これでもか」
 というほどの締め付けがひどかった。
 さらに時代は、ソ連による社会主義革命が起こったり、昭和大恐慌が世界を襲い、それによって、
「強い国と弱い国」
 という格差が生まれ、強い国同士で、勝手に協定を結んだりしたものだから、格差がどんどん広まっていく。
 そこで生まれたのが、
「自分たちの民族が一番であり、強い指導者の独裁によって、国家を強くするという、一種の、
「全体主義」
 と言われる、
「ファシズム」
 というものであった。
 その典型がヒトラーであり、ドイツ民族の復興への、
「強い指導者」
 ということで、現れた救世主として、国民は、彼に国家の未来を託したのであった。
 だから、ファシズムの台頭というのが、軍備増強と、他国に侵略しての、国土拡大であった。その頃のドイツの経済状況、食糧問題を解決するには、それしかなかった。
 ナチスによって、失業問題もある程度回復したことも、
「ドイツ国民による、ナチス指示」
 に拍車をかけたのであった。
 これが、
「第二次世界大戦というものを引き起こさせる要因」
 ということになったのだ。
 そして、これが、
「大量殺戮の完成」
 という悲劇を生むのだった。
 第二次大戦の一番の問題は、
「一般人への無差別攻撃だ」
 といってもいいだろう。
 ここでは、厳密にいえば、それ以前の、
「前哨戦」
 というべき、
「スペイン内戦におけるナチスドイツによる、ゲルニカ爆撃」
 などが、そうであり、ここで特筆すべきは、
「ゲルニカ爆撃」
 を中心としたスペイン攻撃は、
「ナチスの新兵器の実験場だった」
 という事実は隠しきれない衝撃的なことであった。
 そして、
「大日本帝国による、シナ事変においての、上海などへの、渡洋爆撃」
 などというのも、一般市民もるともを攻撃する、無差別爆撃だったのである。
 だから、
「大東亜戦争において、アメリカ軍による、日本の都市への毎日のような絨毯爆撃」
 というのも、
「ある意味仕方がない」
 といってもいいのだろうか?
 しかし、攻撃された市民は、
「軍がやったことで自分たちには関係がない」
 というのかも知れない。
 ただ、一つ言えることとすれば、
「戦争というものなのだから、ある意味相手への攻撃は仕方がない」
 ということなのかも知れないが、あくまでも、それは、国際法や、陸戦協定を守ってからであろう。
 このような、一般市民を標的にするような攻撃は、許されていないはずなので、やはり、まずかったということに変わりはないだろう。
 そうなると、
「アメリカ軍による、無差別爆撃であったり、一発の爆弾で、大都市と壊滅させた原子爆?さんの使用は、許されることではないだろう」
 ということだ。
 特に原爆は、その二次災害から、
「放射能汚染」
 というものがあり、結局、
「最後には、皆死んでしまう可能性がある」
 という、悪魔の兵器である。
 いくらアメリカが、
「戦争を早く終わらせるため」
 という表向きの理由や、
「戦後の冷戦状態を見据えて」
 ということで、
「ヒロシマ」
「ナガサキ」
 というのは、実験であり、さらに、諸外国に見せつけるための、一種の
「見せしめ」
 のようなものだということになったのではないだろうか?
 結局、最後には、
「核戦争の恐怖」
 という禍根を残して終わった世界大戦。
 原爆の出現で、
「これで、戦争はできなくなった」
 と言わしめた一種の、
「核の抑止力」
 というものも、結局は、
「核開発競争」
 というものを巻き起こし、最後には、
「世界の滅亡」
 という恐怖によって成り立っているということに人類全体が気づいたのは、戦後、約20年近く経った、
「キューバ危機」
 だったのである。

                 生まれるはずの双子

 そんな大きな二つの世界大戦を経て、世界のほとんどの国では、多大な犠牲を出すことになった。
 ヨーロッパは、ナチスの侵攻から、連合国の逆転があったとはいえ、国土がそのまま戦場になったのだから、ひどいものであっただろう。
 しかも、第一次大戦の傷も癒えぬままに突入した、20年後の第二次世界大戦。それはひどいものだったに違いない。
 アジアの方も、まずは、中国大陸は、日本との、
「宣戦布告なきシナ事変」
 というものが、襲い掛かってきたことで、中国国民党の作戦として、
「日本軍を自国の奥深くに誘い込んで、戦争を引き延ばす」
 という作戦を取ったために、逃げる時、こともあろうに、
「そのまま敗走すれば、日本軍に物資を取られてしまう」
 ということで、物資を自分たちが勝手に自国の民から強奪しておいて、おまけに。村に火をつけるなどして敗走するという、
「本来なら、自分たちが守るべき、自国民を犠牲にして逃げていた」
 というわけで、
「もはやこうなると、作戦ではなく、自分たちの保身を目的にした、逃走行為だ」
 といっても過言ではないだろう。
 たぶんであるが、日本兵であれば、絶対にそんなことはしない。
「玉砕というのも、あれはあくまでも、先陣訓というものに基づいて、民間人も、虜囚の辱めを受けたくないという思いから、全滅の道を選んだ」
 ということなのかも知れない。
作品名:襷を架ける双子 作家名:森本晃次