歴史が答えを出す周期
そもそも、天皇による、
「戦線の詔」
において、国民は、
「戦争意義や、戦争理念の遂行のために、一層努力せよと、天皇陛下から言われているではないか」
ということになるのである。
要するに、
「政府であったり、軍部が、国家体制にかかわることでの安全を治めるということから、治安と呼ばれるもので、仮想敵として、反政府組織としての、共産主義者であったり、戦争遂行に反対を唱えることで、国民の団結を妨げるものを弾圧する」
ということを目的とすることになるのである。
その頃には、
「特高警察」
というものがあり、
「治安維持に特化した警察」
という集団だったのだ。
昔であれば、平安時代末期の、
「平家の栄華」
と呼ばれていた時代に、
「平家にあらずんば人にあらず」
と言ったと言われる、平時忠が組織したとされる、
「禿」
と言われる、戦災孤児となってしまった少年少女によって組織された集団などが、
「秘密警察」
と言われるものである。
「公家たちのように、口が軽い連中であれば、子供の前では平気で、平家の悪口であったり、陰謀なども口を滑らせるかも知れない」
ということで組織されたものであり、その網に引っかかった公家は、
「平家に滅ぼされたり、家に火をかけられたり」
ということになるのであった。
もちろん、これらの組織は、
「群雄割拠の戦国時代」
などでは、当たり前のようにあったことであろう。
何といっても、
「配下の人間にとって代わられる」
という、いわゆる、
「下剋上」
と言われる時代には、
「冠者」
であったり、
「忍び」
などと言われる、忍者たちによって、自分の身を守らせたり、街中で、不穏な動きがないかということでの、諜報活動に従事した集団があったことだろう。
「徳川における、伊賀衆であったり、後北条氏においての、風魔衆などに代表されるような忍軍が、他の戦国大名にもあったことだろう」
もちろん、まわりの国に対しての不穏な動きに目を光らせなければいけない。それこそ、
「自分の国の治安を守る」
ということになるのであろう。
そんな治安維持という意味を超越した警察組織も世界にはあった。
それが、
「ナチスにおける、ゲシュタポ」
であったり、
「共産主義国」
などにおいても、粛清を行った秘密組織もあったりした。
つまりは、
「民主主義でなければ、政治体制であったり、国家元首を護衛するためと、諜報活動するためとしての、秘密警察というものが、形成される」
ということになるのであった。
それだけ、
「民族や国家の栄光を独裁者の全責任の下に統一する」
というファシズムであったり、
「民主主義の限界に挑戦する」
という形の、社会主義であるのは、
「体制としては、実に不安定なものだ」
ということの裏返しではないだろうか?
今回の、
「人間消失事件」
いわゆる、
「神隠し」
というものが、このような、
「秘密結社」
というものによるものかどうかは、今の段階では何ともいえない。
そもそも、
「秘密結社の存在だけでは、人間消失という不可解なできごとを、説明できるものではない」
と言えるのではないだろうか。
だからこそ、
「神隠し」
と呼ばれるのであり、科学的に考えれば、
「人間を細胞単位で分解した後、それをどこかに転送し、そこで、再生させる」
と考えるのが、一番ありえることだと思うのだ。
というのも、
「もし、命を取る」
ということが目的であれば、
「人間消失」
などという、面倒くさいことをする必要はないのである。
もっとも、
「人間に対して、何らかの恨みがある」
ということであれば、まるで、
「見せしめ」
であるかのような形で、
「人間に恐怖を与える」
ということが目的だとすれば、一種の愉快犯的な発想というものが、渦巻いているといってもいいのではないだろうか。
そんなことを考えると、
「そもそも、こんなことをたくらんだ相手が、人間である」
と言えるかどうかである。
「人間という定義をどこにもっていくか?」
ということで、これは、一種の特撮映画などのジャンルでも、問題になることなのかも知れない。
「基本的に、地球上で、言葉が通じるレベルのものは、人類として、人間だと言えるであろう」
と言える。
しかし、架空の空想上の存在として、
「地底人」
あるいは、
「海底人」
と呼ばれる人がいるとすれば、それが人間なのかどうかということである。
これは、
「宇宙人」
にも言えることで、特に特撮などにおいて、
「侵略者」
という発想から生まれたのが、
「地底人」
「宇宙人」
であるとすれば、人間の形にしておかないと、ドラマにならないということになるのであろう。
昔の想像図での火星人のような存在が、
「まるで、タコの化身と言ってもいいような存在」
というのを、宇宙真としていたのでは、侵略者としては、不十分だということであろうか?
それを考えると、
「人間と交渉したり、相手をするのに、人間の肉体が必要だった」
ということであれば、人間消失の意味も分かるかも知れない」
ということではないだろうか?
そう、この
「人間消失事件」
というものの真相は、
「人間の肉体をほしがった」
ということかラ始まっている。
しかも、
「地球人と交信するためのもの」
というのが、一番真相に近いのだろうが、実は、
「狙われた人は決まった人物が多かった」
ということであった。
それは、彼らがターゲットを絞る時に自分たちの都合なのか、科学力の限界なのか分からないが、とにかく、
「一つの特徴が、その効果をもたらしている」
ということが成立しているのであった。
それは、どういうものなのかというと、
「人の顔を覚えるのが苦手な人」
という共通点があったようだ。
だから、このことに関しては、警察でも、家族であっても、分かるわけはないことであった。
むしろ、
「ターゲットを定めた」
という相手の方も、
「人の顔を覚えることが苦手な人たちばかりが選ばれている」
ということになっているなど、分かっていないことだったのではないだろうか?
ということであった。
確かに、
「人の顔を覚えるのが苦手だ」
という人もいる。
「一回ちょっと会ったくらいで、すぐに覚えられるなど、まるで神かかっているのではないか?」
ということであった。
もっとも、人の顔を覚えることが苦手な人は、以前に、
「友達だ」
と思って声を掛けると相手は、まったく違う人で、しかも、
「笑っていない」
と思うと、
「顔が真っ赤になって、どうしようもないほどに緊張感で押しつぶされそうになった経験を持っていると、本来であれば忘れることのない人の顔を、簡単に忘れてしまっているということになるのであろう」
ということであった。
要するに、
「忘れてしまうということではなく、ゼロから覚えることができないということであり、言い方を変えると、加算法のような考え方ができない人だ」
ということになるのであろう。
それを思うと、
「人の顔を覚えられない」
作品名:歴史が答えを出す周期 作家名:森本晃次