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歴史が答えを出す周期

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 ということになるわけだ。
 寝移行序列ではないのだ。
 もしその人が本当に優秀で、仕事を覚えてしまうと、あっという間に自分が抜かれてしまう可能性があるわけだ。
 そうなると、
「自分の立場が危うくなる」
 ということで、後輩に何も教えなくなる。
 という、
「足の引っ張り合い」
 ということになるであろう。
 それを考えると、
「後輩が育つわけもなく、辞めていくことになるだろう。そうなると、舌が育つことはなく、自分が定年の時にはどうなるかということが、分かってきたときは、時すでに遅しということになるのだ」
 ということであった。
 というのは、
「会社というのは、60歳定年のところが多く、国からもらえる年金は、基本的には65歳からである。60歳からもらうこともできるが、1回がかなり安くなるということで、働かなければやっていけないのは同じことだ」
 ということだ。
 ほとんどの会社は、60歳を過ぎての再雇用では、
「3割カット」
 などということで、給料を下げ、
「契約社員」
 という扱いにしておいて、
「誰にでもできるような楽な仕事」
 を与える。
 というのが、今までだった。
 しかし、今はそうもいかない。
 というのは、
「バブル崩壊」
 があったのが、今から30年くらい前のことだった。
 その頃現場でバリバリやっていた人たちが、今では、
「定年退職」
 を迎えることになるのだ。
 だから、この年代の人口が、会社では、
「一番多い」
 ということになる。
 そうなると、
「再雇用という段階で、簡単な仕事しかしない」
 ということにしてしまうと、そのあとの人もみんなそうなると、会社の仕事が回らなくなるわけだ。
「数年後には、皆60歳以上で、契約社員だらけになる」
 ということであり、さらに、その5年後には、
「誰もいなくなってしまう」
 ということになる。
 それこそ、
「国破れて山河あり」
 ということで、人がいなくなった会社が、果たして存在しているかということになるのであった。
 だから、どんどん人が減っていくと、残っている人間に、一気にしわ寄せがくるわけで、
「去年までは、自分の仕事だけでよかったのに、今年は、3人分の仕事を押し付けられる」
 ということになってしまうのであれば、その人だって、
「こんな会社、辞めてやる」
 ということになるだろう。
「終身雇用でもないし、年を取ればとるほど、悲惨な状態になるのはわかりきっているので、だったら辞めてやる」
 と思うのは当たり前だということだ。
 そもそも、悪いのは会社である。
 こんな状態になるのは、誰だってちょっと考えればわかることであり、
「新入社員を入れて、教育する」
 ということをしなくなったことが、今の事態を招いているのだ。
「仕事がなくて、つぶれていく」
 という時代ではなく。
「仕事をする人がいない」
 という人手不足の問題から、
「会社がつぶれていく」
 という時代になってきたのだ。
 それが、今の、
「〇〇年問題」
 と呼ばれていることであり。その問題は、すべてに共通しているワードとして、
「人手不足」
 ということなのであった。
 特に、人手不足が深刻なのは、
「インフラ」
 の問題である。
「運送会社」
 であったり、
「タクシー、バス、電車、パイロット」
 などという専門的な職種で、インフラにかかわっている人が不足しているということで、
「徐陽があるのに、供給が不足している」
 という、今までにはないケースというものが、出てきているということだ。
 もちろん、
「少子高齢化」
 という問題があるのだろう。
 働き盛りの人たちが、相当少ないのだから、それは当たり前ということで、政府が言っていることも、
「辻褄が合わなくなるのだ」
 というのも、
「免許返納」
 というものを、ある程度の年齢になった人には推奨しているくせに、
「人手不足」
 ということと、
「年金問題」
 というものから、
「死ぬまで働け」
 と言われているのだから、それは、理論的に、
「辻褄の合わない」
 ということを言っているわけである。
 そんな世の中、いろいろな精神疾患を患うという人もたくさんいる。
 その中で、前述の、
「偏頭痛」
 のようなものが出てきて、一見普通の偏頭痛なのだが、
「どうも、何かが違っているようだ」
 ということを言いだした研究者もいた。
 実際に、患者と向き合っている医者の中にも、同じようなことを感じている人がいて。
「これは、新種の病気なのかも知れないな」
 という人もいたのだ。
 しかも、これは、日本人独特のもので、外人にも、
「偏頭痛」
 というのはあるが、今回のような症状は、外人には見られないということだということになっているのだという。
 実際に、この偏頭痛というのは、
「皆、片頭痛の後に吐き気を催して、気持ち悪くなって、トイレに飛び込む」
 というのだ。
 そんな状態が何回か続いているのを、まわりの人が見ているのだが、そこから先、
「なぜか、その人が行方不明になる」
 ということであった。
 確かにトイレに入って、嗚咽したのは間違いないようで、汚物は残っているのに、本人はその部屋にはおらず、
「その行方はまったく分からない」
 ということのようだった。
 それは、全国でも、最初は、ぽつぽつだったので、その共通性に誰も気づかなかったが、次第に行方不明者が増えてくると。その共通性はハッキリと見えてはくるのだが、その原因と理由に関しては、誰にも分かるものではない」
 ということになるのだった。
「人間消失事件」
 ということで、まるで都市伝説のようにささやかれるようになった。
 そもそも、警察も、分かってはいたが、混乱を避けるために、
「緘口令」
 というものを敷いていたが、どこから漏れたのか、マスゴミは、
「スクープ」
 として、すっぱ抜くのである。
 それを考えると、
「油断も隙もない」
 ということで、あっという間にいろいろなマスゴミが飛びついて、週刊誌であったり、テレビのワイドショーが、こぞって特集を組むものだから、警察も政府も、
「知らぬ存ぜぬ」
 では許されないということになるのであった。
 特に、
「テレビの効果」
 というのは結構なもので、特に最近のワイドショーというと、
「売れない」
 あるいは、
「かつては一世を風靡した」
 と言われる、
「お笑いタレント」
 が出てくるということが多くなってきている。
 そのためか、
「無責任とも思えるような発言が、尾ひれを付けて、あたかも正しいことのように報道され、それに週刊誌が食いつくことで、事態が急拡大して、変な方向に行ってしまう」 
 ということになってしまうのだろう。
 それを考えると、今回の、
「この偏頭痛が、いかに、人間消失事件に絡んでいるのか?」
 ということが、都市伝説のように語られるようになってくるのであった。

                 覚えられない

 行方不明になった人が、全国で、数百人を超えたあたりで、マスゴミが騒ぎ出したのだが、政府や警察は、この期に及んでも、まだまだ
「信じられない」
 という状況だった。
作品名:歴史が答えを出す周期 作家名:森本晃次