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歴史が答えを出す周期

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 というものが多かったりする。
 しかし、放っておくわけにもいかないことも多い。
「思い余って自殺を試みる」
 ということも結構あり、そのため、捜索願を出す人も多いのだ。
 しかし、警察というところは、捜索願を出したとしても、ほぼ動いてはくれない。よほどの事件性というものがなければ、
「そのうちに帰ってくると言わんばかりに何もしようとしない」
 ということである。
 だから、実際に、自殺が見つかって、いくら家族が、
「だから、捜索願を出したのに」
 と言っても、後の祭りである。
 家族などが捜索願を出し、心当たりを探してみるということはできるだろうが、捜査権というものが、一般市民にはないので、できることは限られている。
「やはり警察の介入が必要」
 ということになるのだろうが、いくら警察とはいえ、個人のプライバシーには入り込めない。
 いくら、
「捜査権」
 というものがあろうとも、ほとんど何もできないというのが、警察というものではないだろうか?
 特に、時代の流れからか、
「個人情報」
 に関しては、昭和の時代からこっち、相当に厳しくなっている。
 ネットの普及による詐欺問題であったり、ストーカーによる、個人の特定など、その時代くらいから、社会問題になったことから、個人情報を漏らさないということが叫ばれるようになった。
 もっとも、それまでが、
「ザルだった」
 と言ってもいいくらいで、逆に犯罪が、
「多様化し、詐欺なども、巧妙になってきた」
 と言えるのではないだろうか。
 そんな、
「行方不明者」
 を、これら二つに分けることが基本的にはできるだろう。
 ただ、神隠しというのは、恐ろしいもので、
「政治目的な拉致」
 というのもあったりするのが、半世紀に渡って問題になったりしている。
 ただ、これらの、
「捜索願」
 というものを出すまでもなく、
「行方不明というのがどういうことなのか?」
 というものが分かることがある。
 それが、
「営利誘拐」
 というものだ。
 基本的には、誘拐した相手に、
「身代金」
 という形のものを交換条件として出すというものであった。
 これには、
「金銭的な目的」
 というのもあれば、
「相手に対しての恨み」
 というのもある。
 もちろん、
「そのどちらも」
 というのもある。
 身代金を要求した相手の会社のかつての従業員で、首になったことでの逆恨みということもあるだろう。
 また、
「自分の会社が倒産寸前のところで、取引先として、援助をお願いしたのに、援助が断られ、倒産したことでの逆恨みということもあるだろう。
 確かに、
「誘拐された側の会社も悪かった」
 ということもあるかも知れないが、少なくとも、誘拐された人が、社長でもない限りは、誘拐された人は、完全な、
「とばっちり」
 ということになるだろう。
 しかし、営利誘拐という犯罪は、ある意味。
「割の合わない犯罪」
 と言ってもいいかも知れない。
「営利誘拐」
 という罪は、犯したというだけで、罪は重い。
 しかも、成功率はかなり低いとも言われている。
 何といっても、
「身代金を受け取るところが、一番確保されやすい」
 ということで、犯罪が難しいことを裏付けているといってもいいだろう。
 だから、
「営利誘拐というのは、よほど相手に恨みを持っていないかぎり、割に合わないものはない」
 と言ってもいいだろう。
 あれは、昭和の終わり頃だっただろうか。
「ある食品メーカーの社長が誘拐されたことから端を発した事件があったが、食品業界の不特定多数を相手に、何度も脅迫や誘拐などを繰り返した事件があった。犯人は捕まらなかったが、かなりセンセーショナルな事件であることに違いはない。犯人の目的も分かっていないので、犯人を特定することもできない。しかも、狙われた食品メーカーは、いくつもあり、その共通点を見つけるのは難しかった」
 と言えるだろう。
「まさか、事件を混乱させようとして、不特定多数の食品メーカーを狙ったということなのか、実に恐ろしい犯人であった」
 ということである。
 それからは、あまり営利誘拐というのはなくなってきたのではないだろうか?
 というのも、昔のようなやり方は通用しなくなった。
 昔であれば、まず誘拐したということを告げる電話が犯人からあり、
「警察に言えば、誘拐した相手の命はない」
 などと言って脅迫することで、中には、そのまま犯人の言いなりになるパターン、さらには、
「犯人は、警察に通報されることを分かって言っている」
 ということで、警察に通報する人のパターンがあるだろう。
 警察は、電話工事の職員に化けて、家に逆探知の装置などを設置することになるだろう。
 しかし、これもおかしな話で、
「誘拐した家で、タイミングよく、電電公社の人がやってきて、工事をするなど、普通はありえない」
 ということで、犯人に分かってしまうということなのに、それでも、
「バレないようにしよう」
 という涙ぐましい光景は、ドラマなどであれば、滑稽医師か映らない。
 しかし、実際に警察は、逆探知の装置を設置して、家族と打ち合わせをするのだ。
「なるべく引き延ばしてくださいね」
 という。
 だが、なんといっても、誘拐された家族は、別に俳優のプロではないのだ。
 しかも、家族が誘拐されて気が動転している。そんな状態で、警察の言うとおりに本当にできるというのであろうか?
 実に不思議なことである。
 たいていの場合は、逆探知をしようとしても、時間が短すぎて、
「ダメだった」
 ということが多い。
 もし、逆探知が成功しても、公衆電話からの電話で、すぐに犯人は立ち去るだろうから、特定などできるはずもない。
 何しろ、警察は、判明後に動くわけだからである。
 しかし、今の時代であれば、まず不可能に近いといってもいいかも知れない。
 なぜなら、今はいたるところに、防犯カメラが設置してあり、WEBカメラなどもあるのだ。
 だったら、
「携帯電話で掛ければ」
 ということになるだろうが、今は、GPS機能などがあるので、警察が令状を示せば、そのケイタイの位置や、所有者は開示できるということになる。
 さらには、
「誘拐」
 ということ自体が難しくなる。
 それこそ、子供や会社で責任のある立場の人は、防犯上、GPSをオンにしているだろうから、そこから、すぐに足が付くというものだ。
 そういう意味でも、昔からの犯罪として、
「誘拐」
 あるいは、
「強盗:
 というのは、割が合わないといってもいい。
「強盗」
 というと、個人の家だったり、コンビニなどの、夜間営業のところで、ほとんど店員も客もいない時間があるというと、コンビニにしかならないだろう。
 しかし、店長も会社もそれくらいのことが分かっているので、ほとんどレジに金が入っていないというのが当たり前というものだ。
 だから、コンビニ強盗をしても、被害額が、
「数千円」
 ということで、それこそ、一日アルバイトの日給と変わらないといってもいいくらいにしかならないのだ。
 当然、割が合わないわけで、
「数千円のために、人生を棒に振る」
 ということになるのである。
作品名:歴史が答えを出す周期 作家名:森本晃次