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三角形の関係

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「母親が、半分ヒステリックになっていて、すでに、常軌を逸していた状態だったというのだ」
 つまり、精神異常に陥っていて、自分もあまり食事をせずに、もちろん、子供のために何かを作るということもしない。
 そのため、自分もだいぶ弱っていたようだが、子供が先に倒れてしまった。
 そこで、やっと我に返り救急車を呼んだが、結局、
「栄養失調」
 ということで、
「満足な食事も与えられていないことでの、死だった」
 ということは、一目瞭然だったのだ。
 そんなころは分かり切っていて、それは、
「母親本人を見ていれば分かる」
 ということだった。
 最初に警察も、
「一体何が起こったんだ?」
 と思ったことだろう。
 母親が完全に精神疾患に陥っていて、ヒステリックで、うつ状態も引き起こしているようだった。
「普通は、ここまではならないのだが」
 と医者もいっていたが、いろいろ捜査が進んでいくと、
「どうやら、他の女に洗脳されていた」
 ということが分かってくる。
 いつも、二人はこそこそしていて、明らかに、片方が片方を蹂躙しているという状況だった。
 周りも皆分かっているが、それをどうにかしようという意識はなかった。
 基本的には、
「皆一つサークルの中」
 ということなのは、分かり切ったことであり、
「それを見ると、誰か他の人が何もいえなくなる」
 ということである。
 下手に口を出すと、洗脳している人から恨まれることになり、
「誰がその女から洗脳されているのか?」
 というところが分からないので、下手をすれば、
「自分だけが、はみ出し者となってしまい、自分の身が危ない」
 と思ったのだ。
 しかも、明らかに洗脳されているということが分かっているその女が。どこまで危険な状態なのかということは分からないのだ。
 下手をすれば、
「私、洗脳なんかされていないわ」
 とでも証言されてしまうと、自分だけが孤立してしまい、さらに、そのせいで、自分が恨みを買うことになり、今度のターゲットは自分に向くかも知れない。
「そんなサークルからは、身を引けばいいじゃないか」
 と他の人は簡単にいうだろう。
 しかし、そんなに簡単に身を引けるものだろうか?
 それを考えると、
「自分には、そんな簡単にできることではない」
 ということで、まわりは皆分かっていることなのに、どうすることもできないのであった。
 そんあ、
「膠着状態」
 というものが続いたことで、時間だけが過ぎていくと、自体は、当然進展し、
「洗脳している女の思い通りだったのかどうかは分からないが、少なくとも、その中で一番得をしているように見えるのは、その洗脳している女だけだった」
 ということであった。
 まわりすべてが、ひどい状態であったとしても、この女が得をした部分とを比較して、決して。
「洗脳女の一人勝ち」
 ということになっているようなわけではないようだった。
 結局は、
「人が一人死んでしまい、親も、放っておけば、死に至った」
 ということで、
「一つの家庭をめちゃくちゃにした」
 という事実に変わりはない。
 しかも、
「子供を直接の死に至らしめたのは、親の責任」
 ということに間違いはないのだ。
 ただ、この洗脳女の立場がどのようなものだったのか?
 ということが一番の問題だった。
 基本的に、当たり前のことだが、
「二人とも、起訴される」
 ということは、間違いないことであり、あとは、司法に委ねられるということになったのであった。
 母親は、もちろん、罪を認め、スムーズに裁判は、粛々と行われた。
 傍聴者であったり、世間の人は、賛否両論もあっただろう。
 被告に対して、
「気の毒だ」
 というような、同情的な目もあっただろうが、やはり、ほとんどは、
「死んだ子供がかわいそう」
 ということで、
「どんな言い訳をしても、母親は許されることはない」
 というのが、大方の意見ではないだろうか?
 もちろん、その後ろに、
「操っているモンスターがいる」
 という事実にかかわりがあろうが、なかろうがということであろう。
 問題は、その後に裁判を残している、
「洗脳女」
 の問題だった。
 この女は、完全に、罪を否認している。
「子供が死んだのは、母親に全責任があり、自分には関係ない」
 という立場だった。
 たぶん、この人に関しては、ほとんどの人、いや、
「すべての人」
 といってもいい人すべてが、
「この女がすべて悪い」
 と思っているに違いない。
 それは、もちろん、
「母親の罪」
 というのは別にしてである。
 だから、裁判も、もちろん別々である。
 そして、実際に、判決が出ると、
「洗脳女の方が、罪が重い」
 という裁定となった時、世間の人すべては納得したのではないだろうか?
「これこそ、正義の判決だ」
 と言わんばかりのことであった。
 世の中には、
「腑に落ちない」
 と思われることも結構あり、それが、判決に対して出る結果だったりするのも、往々にしてあるというものである。
 しかし、今回の判決は、そんなに悪いものではなかった。ほとんどの人の、
「納得のいく判決だった」
 といってもいいだろう。
 世の中の理不尽さを、少しでも解消してくれる判決で、
「スカッとした」
 という人は結構いたに違いない。
 もっとも、この、
「洗脳女」
 が、納得するわけもなく、
「性懲りもなく」
 上告したことは、当たり前のことであるが、皆、
「まだやるか、こいつ」
 と思ったに違いない。
 世の中には、
「犯罪とは認定されないが、理不尽なことは山ほどある」
 というものだ。
 特に、会社などが絡めば、それも当たり前のことであり、たとえば、
「リストラ問題」
 なども、ひどいものだ。
 会社の経営がうまくいかなくなると、まず会社がやることは、
「人員整理」
 である。
 各部署から、数人ずつの、
「リストラ候補」
 となる、
「名簿のようなもの」
 を、提出させ、それを元に、人事が、理不尽な配属をさせる。
 これまで、本部で管理部門を担ってきた社員に、いきなり現場での配属をさせ。しかも、
「明らかに通勤ができない」
 というような、遠隔地に追いやるのだ。
 それによって、いかにも、
「辞めてくれ」
 ということを、暗黙で言っているのと同じことで、
「退職を、有無も言わせない」
 ということで、完全な、
「自己都合」
 という退職理由で、
「首を切っていく」
 ということになるのだ。
「バブル崩壊」
 の時などは、
「早期退職者」
 というものを募っていた。
「退職金に少し色をつける」
 ということがその理由だった。
 そもそも、当時であれば、
「残るも地獄、辞めるも地獄」
 だったといってもいいだろう。
 会社が、そこまでして生き残ろうとした場合、
「リストラ」
 ごときで、何とかなるわけもない。
 最終手段として考えられることとして、
「大きいな会社との合併」
 ということであろう。
 そうなると、吸収された側の社員は、皆地獄である。
作品名:三角形の関係 作家名:森本晃次