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三角形の関係

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 というのは、道理に合わない。
 そもそも、一番の問題は、
「天皇直轄の軍において、天皇陛下の軍を、一青年将校たちが、勝手に動かした」
 ということなのだろう。
 何といっても、この事件は、
「天皇の統帥権の看破」
 であり、違憲な行為ということなのだ。
 それを考えると、天皇が、
「お前たちがしないのなら、自分が総指揮をとって、反乱軍を鎮圧する」
 とまでの怒りをあらわにし、決起軍を、完全に、
「反乱軍」
 ということで認定したのだった。
 もう来なってしまうと、青年将校たちは、どうすることもできない。
「天皇陛下のため」
 という大義名分は、吹っ飛んでしまうのだ。
 そのせいもあって、青年将校は、軍部の説得で、
「軍を原隊に戻す」
 ということにして、実際に軍を戻した後、そのまま、自害する人もいれば、投降して、
「自分たちが何を考え、何をしたいのか?」
 ということを、法廷でぶちまけるつもりだった青年将校もいたのだが、それは実らなかった。
 というのも、基本的に、この時は、
「裁判にかかるにはかかったが、基本的に、非公開で、弁護人なし、上告なし」
 と言った。完全な、
「出来レース」
 のようなものだった。
 つまりは、
「どんな罪であれ、結果としての国家反逆罪としての極刑ということで、前任、銃殺刑」
 ということになったのだ。
 だから、彼らの主張は一切受け入れられなかったので、
「国家転覆を狙った軍事クーデター」
 ということでの裁きになってしまったのだろう。
 それが、
「226事件の正体」
 ということで、結局、この後、
「軍部による暴走」
 というものが続くことになるということであるが、そんな単純なものなのだろうか?
 基本的に、統制派というものが、勝つわけで、彼らの勢力が次第に、
「国家総動員」
 であったり、
「ソ連などの、共産圏のクーデターに備える」
 などとして、どうしても、動乱の時代で、
「軍部が中心にならないと解決しないという問題があった」
 といってもいいだろう。
 それが、
「226事件」
 の正体であり、
「たった4日で鎮圧されたのは、やはり、天皇の英断というべきか。背年将校たちが、天皇を甘く見ていた」
 というのも、問題だったのだろう。
 なにしろ、
「君側の奸」
 というものが存在するということは、
「天皇は、世間のことをよく知らずに、側近の連中から言われたことを真に受けて、国を悪い方に導いている」
 ということになるのだ。
 ということは。天皇からすれば、
「俺が無能だ」
 ということが言いたいのか?
 ということになるのだろう。
 それは、あまりにも、
「天皇陛下に失礼」
 というものである。
 だから、天皇には、当然のことながら、
「統制派」
 と。
「皇道派」
 というものの争いだということはすでに分かっていることである。
 その二つのことさえ分かっていれば。この事件の側面は、一目瞭然である。
 しかも、暗殺された人は、皆、皇道派にとっては、
「自分たちに都合の悪い」
 という連中で、この時を機会として、
「殺したいやつを、一気に根絶やしにできる絶好の期間である」
 ということである。
 この事件は、
「首都を中心にした、敵対勢力に対しての、同時多発クーデターだといってもいい」
 ということであろう。
 つまり、彼らの目的は、
「少しでも生活ができるようにという、農村の立場からの訴えと、統制派とのトラブルによって埋め込まれた状況を、いかに打破すればいいかということであった」
 大日本帝国陸軍」
 としては、
「何とか説得して、内輪もめはしたくない」
 ということであった。
 しかし、それ以上に、大日本帝国というのは、
「天皇の鶴の一声」
 ということで、一気に決まってしまうことも、往々にしてある。
 ということで、
「政治に関しては、口出しできない」
 ということであったが、昭和初期の、
「張作霖爆殺事件」
 というのが、満州で起こった。
 その時、爆破に加担したのが、陸軍の兵である、
「関東軍による策謀」
 というものであり、
「関東軍の自作自演」
 ということでは、のちに起こった、
「満州事変」
 というのは、最初のところで同じだといえるだろう。
 その時の首相というのは、陸軍出身の田中義一で、最初に事件報告とということで、天皇に上奏したのだが、その時天皇に尋ねられたことに対して、
「この事件に、に保温は関与していないか?」
 と聞かれたことで、口を濁したままの、事情聴取になった。
「即刻調査して、善処します」
 といっているが、実際に、あとから聞いた話かも知れないが、
「日本軍が関与している」
 ということになる。
 実際に、
「関与していた」
 ということは、分かり切っていることであったが、首相とすれば、
「まだ分かっていない」
 といって、ごまかすしかなかった。
 しかし、天皇は怒り狂って、
「あいつの言っていることは、さっぱり分からん」
 と言われたことで、奥に下がった天皇を、木戸内府が、天皇から、
「あいつとは話をしたくない」
 というほどに怒らせていることが分かると、田中内閣は、それからすぐに、
「内閣総辞職」
 ということに追い込まれたのだった。
 さすがにここに至って、天皇は、
「政治に口を出してしまった」
 ということで、
「大いなる反省をした」
 ということであった。
 天皇が、御前会議にしても、上奏にしても、
「政治に口を出した」
 というのは、この時と、
「開戦時に、明治天皇の詩を引用し、平和主義であるとしたこと」
「よもの海 みなはらからと 思ふ世に など波風の たちさわぐらむ」
 という詩であった。
 そして、もう一つは、終戦に対しての、ポツダム宣言受諾というものを、御前会議で決めた時の3回だといわれる。
 そのかわり、軍に対してはかなり口をはさむ、それは、自分が、
「大元帥」
 として、陸海軍のトップだからである。
 そんな、
「明治・大正・昭和」
 という、
「大日本帝国」
 という時代を通り越してこいたが、その時代をおおまかにであるが、約60年とすると、敗戦から、現在までと考えると、約80年弱になる。
 そうなると、
「昭和・平成・令和」
 と、同じ3つの年号であるが、すでに、
「日本国というのは、大日本帝国という時代よりも、すでに20年以上も長いのだ」
 ということになるだろう。
 戦後と呼ばれる時代も、かなりいろいろあった。
 戦後復興から始まって。高度成長時代、その後遺症としての、公害問題などの諸問題。さらには、バブル経済に、その崩壊、そして、今では、
「失われた30年」
 と言われる、経済停滞など、ひどいものである。
 さらに、高度成長時代からの、
「負の遺産」
 として大問題となった
「公害問題」
 と似たようなものが、今度は世界的な問題として残っているではないか。
 それが、今の、
「地球温暖化問題」
いや、最近では、そうではなく、
「地球沸騰化だ」
 と言われているようだが、それに代表される、様々な問題、
 日本でいえば、
「少子高齢化問題」
 ということに端を発しての、
「人手不足」
作品名:三角形の関係 作家名:森本晃次