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輪廻する因果応報

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 と呼ばれるようになると、その行動は、完全にエスカレートしていき。特に、
「ストーカーという名前が出てきた時は、ドラマになったくらいで、その様子が、克明に描かれていた」
 ということであった。
 ひどいものとしては、当時は、まだケイタイ電話などが普及もしておらず、時代的には、まだ、
「ポケベル」
 などというものが、
「ケイタイ時代前夜」
 という形で時代を席巻していたことであったが、その頃は当然、まだ固定電話が一家に一台あり、中には、
「ファックスとセット」
 というものも結構多かった。
 ちなみに、ストーカーというのは、必ずしも、
男性が女性に行う行為だ」
 というわけではなかった。逆に、
「女性が男性に向かってする、ストーカー行為も結構あったのだ」
 しかも、
「女性が男性にする行為も。結構えげつなかったりした」
 ということで、当時のドラマは、
「男性バージョン」
 だけというわけではなく、
「女性バージョン」
 というのもあったのが特徴だったのだ。
 それを考えると、
「社会問題化したのも分かる」
 というもので、ただ。一つ考えられることとして、
「いわゆる模倣犯や、愉快犯」
 というものも、中にはあったかも知れないなということであった。
「ドラマなどになって、中には、自分もやってみよう」
 などと思った人も若干数あったかも知れない。
 いくら、
「話題になっているから、ドラマの人気がでるだろう」
 ということで、製作側はうれしいことなのだろうが、実際に社会全体とすれば、
「ドラマが抑止力になって、犯罪が減る」
 ということであればいいのだが、却って、
「扇動している」
 などということになれば、それは、
「本末転倒だ」
 といってもいいだろう。
 それを考えると、当時言われていた、
「トレンディドラマ」
 というものが、のちの時代に残したものは、
「負の遺産」
 だったのかも知れない。

                 彼女の覚悟

 その時代では、まだまだ、今でいう、
「ストーカー行為」
 というのもかわいいもので、今の時代であれば、ストーカー行為というのが、もちろん亡くなったわけではない。
「一時期のピークのようなひどいと思われるような行為ではなくなったが、その中でも、オーソドックスなものが残っていて、それが結局、ストーカー行為ということで、今になって定借してきたことだ」
 といえるであろう。
 ただ、今の時代は、
「SNS時代」
 と言われることで、ネットによる被害というものも多くなってきて、ストーカーだけではなく、
「誹謗中傷」
 というものが、多くなってきたのだ。
 その理由の一つ。いや、一番大きなものとして、
「匿名性」
 というものがある。
 ネットの世界。特に、
「SNS」
 と呼ばれるもので、
「本名でなければ登録できない」
 というもの以外であれば、まず、本名を使うという人はいない。
 インターネットが普及してきたことから言われている、
「ネットにおけるニックネーム」
 ということで、
「ハンドルネーム」
 と呼ばれるものが、普及してきているということである、
「ハンドルネーム」
 というのは、社会的に、承認されたといってもいいくらいだったのだ。
 というのも、
「本名を晒すことで、個人情報を自らが公開するということになるので、個人情報の観点からも、ハンドルネームは、当然あってしかるべき」
 といってもいいだろう。
 しかし、それが今度は、誹謗中傷ということになると、そうもいかなくなる。
「どこのだれか分からない相手から、誹謗中傷という攻撃を受け、精神的に追い詰められて、結果自殺をした」
 という人もいたりした。
 それがたまたま、芸能人だったということで、大きな話題となったが、実際には、表に出てこないだけで、たくさんの誹謗中傷による被害者がいて、実際に自殺を試みた人も多いだろう、
 それが未遂に終わった人が多いだけで、自殺を試みた人が、もっとたくさんだったら、もっと早くに、問題になったことであろう。
 未来にそんな時代が待っていようとは、その時の二人に分かることではなかった。
 相沢は、その日の、彼女の予定と聞こうと、観光が終わり、そろそろ昼下がりから、夕方へと、
「時間がシフトしてきた」
 という時間帯に、
「駅に向かう途中にある、池のほとりに腰かけたのだ」
 そこからは、五重塔がきれいに見えて、
「そういえば絵葉書か何かで見たことがあったよな」
 と感じられる景色を見ながら、自分が緊張しているということを、発汗しているということから感じるのであった。
「これって、緊張からなのかな?」
 と思ったが、
「秋がだいぶ深まってきた時期なのに、まだ汗を掻いているというのは、そういうことなんだろうな」
 と、感じたのだ。
 緊張だと感じたのは、発汗だけではなく、震え、いや、しびれのようなものを、指先に感じたからだった。
 そもそも、発汗は、そんなしびれからきているのではないかと感じたのは、以前にも同じ感覚があったのを思い出したからだ、
「そうだ、あの時だ」
 と感じたのは、そう、以前、彼女と一緒にいて、何も言えなかった時ではないか。
 何かを以降とすると
「指先にしびれのようなものを感じ、何も言えなくなった」
 というあの頃のことであった。
 考えてみれば、
「あの頃の自分と今とでは、かなり、自信という面で、まったく違っているはずなんだけどな」
 と思うのだった、
 それは、
「友達として、今回は会っているんだ」
 という意識もあることから、あの時とは違って、相当気が楽なはずなのに、あの時よりも、結構緊張していると感じるのはなぜだろう*
 と思ったからだった。
 しかし、この感情には間違いはなく、
「あれは、そんな前兆のようなものを感じたからではなかったか?」
 と思えたのだ、
 彼女がその日、どのような行動に出るかということを予知していて、だからこそ、
「時間に流される」
 かのような感覚になったのではないだろうか。
 ただ、とにかく、その時の感情を、相沢は彼女にぶつけるという意味で、その日の行動を聞き出す必要があった、
 その緊張からの、発汗と、しびれだったのだろう。
「今日は、これからどうする?」
 と聞いてみると、
「私は、今日は家に帰るつもりはないわ」
 ということであった、
「じゃあ、どこかに泊まるということ?」
 と聞くと、彼女は黙って頷いて、相沢の胸に、顔をうずめてきた。
「恥ずかしくて、顔を挙げることができないのだろう」
 と相沢は思ったが、それに間違いはなかったに違いない、
 そういう意味では、
「彼女のことに関しての勘が、初めて当たった」
 といってもいいだろう。
 相沢が彼女に感じたことというのは、あくまでも、勘というものであり、事実に基づくなどということはもちろん、確証という意味でも、ありえない感情ではないかと感じさせられるのであった。
 だから、今回の彼女は、
「別れたはずだ」
 と思っている自分が、
「間違っていたのではないか?」
作品名:輪廻する因果応報 作家名:森本晃次