「悪魔の紋章」という都市伝説
ただ、そもそも、近親相姦というのは、昔からあるもので、昔は、それほど禁忌なものだという発想だったのだろうか?
実際に、法律的に禁止なものだったのかどうかというのは、そもそもが、
「強制的なものだったのか?」
ということや、
「異常性癖の一つ」
と考えるのであれば、犯罪の一つだったといってもいいだろうが、あくまでも、罪としては、倫理的なものであり、そこに絡んでくるものが、
「宗教」
だとすれば、
「立ち入ることのできない」
というものを宗教という倫理だとするならば、
「近親相姦によって、障害が生まれる」
ということであれば、
「悪魔の紋章」
というものは、人為的に作られたものではなく、倫理的なタブーから生まれたものだとすれば、それこそ、
「悪魔という言葉にふさわしい」
といえるのではないだろうか?
「身体に残った痣」
を持っている人というのは、母子家庭に多い。
というこちらも、何の根拠もない都市伝説を聞いたことがある。
これは、きっと、
「近親相姦」
という禁忌から、その子は、ひそかに生まれ落ちて、母親と世を忍ぶように生きてきたのではないか?
と思われる。
中には、血液型の違いから、父親が、その子のことを、
「自分の息子ではない」
ということが分かって、奥さんの不貞を理由に、離婚を申し込んだとすれば、
「母子家庭」
というのもありえることだ。
しかも、その不貞が、奥さんの中で、近親相姦であるといううしろめたさがあれば、
「離婚を言い渡されても、それを受け入れるしかない」
という、大きなジレンマに陥ることになってしまうことであろう。
それを考えると、近親相姦というものが、
「一度犯してしまった過ちを、拭うことはできない」
ということになり、
「自分が呪われている」
という思いから、呪縛を拭い去ることができなくなってしまうだろう。
しかし、
「近親相姦」
というものが、果たして本当に、
「禁忌なものだ」
といえるのだろうか?
昔でいえば、
「障害者が生まれる」
ということで、たとえば、
「指の本数が足りない子供が生まれる」
などということを言われ、中世などでは、
「悪魔の子供」
などと言われ、
「忌み嫌われる」
ということになったに違いない。
何しろ、中世などでは、
「魔女狩り」
などという、何の根拠もないと、今では言われているものが行われていたもではないだろうか?
それこそ、悪魔の子供は、そのまま、その存在自体が、
「悪魔の紋章」
といえるのではないだろうか?
そんな歪んだ考え方が、都市伝説となって、
「悪魔の紋章」
と言われるようなものになったのではないかと考えると、
「生まれてきた子供に、障害がなければ、悪魔の紋章ではないということになる」
近親相姦の事実があり、障害者が生まれたということであったとして、それがたまたま、障害者だったのだということで、確定的に言われただけなのかも知れない。
とにかく、
「近親相姦」
というものを、悪魔の仕業として、確定することで、やめさせようという考えでもあったのだろうか、もしそうだとすれば、あくまでも、それは健常者の考え方であって、たまたま障害を持って生まれてきたこともの側からすれば、悲惨でしかないのである、
そうなると、
「世の中というものが、どのようなひどいものなのか?」
ということをいかに受け取るかということになるのであろう。
身体に痣というものが、時々、動物の姿をしている人がいるという、その人の性格がその動物と同じような感覚になるというのは、どこかで聞いた話だったが、
「それこそが、都市伝説ではないか?」
といえるだろう。
実際に、今までの都市伝説の中でも、
「一番信じがたいことではないか?」
といえるもので、それ以上に、まるで、逆のことが起こったように、愉快に感じられることもあった。
身体にできた痣の動物が、笑ったかと思うと、精神状態も楽しく感じ、逆に、笑いごとでもないかのように、急に冷静になれば、痣の動物も、無表情になるのだ、
無表情になると、まったく顔を歪めることがない分、そのまま顔が、まったく動かないことで、
「元々が何の動物なのか、分からなくなってしまうかのようだ。
最初は、明らかに何かの動物だったのに、急に普通の痣に変わるのは、一人だけのことではなく、この痣が身体にある人は皆そうだった。
だから、親子間でそういうことが遺伝したり、同じ村人の間では、同じ修正があるかのようだった。
それを思えば、この、身体に痣があるとされる村の人が同じだということは、
「この村全体が、一つの家族のようではないか」
ということになる。
そう考えると、
「この村の元祖は、、近親相姦だったのではないか?」
と思うのだった。
そもそも。この村には、どれだけの人間がいたというのか。少なければ少ないほど、元々が、同種族ということになり、元々が、
「近親相姦でできあがった村ではないか?」
と思えるのだった、
だから、その人たちに、同じ特徴が見えるのは、
「村全体が、皆尾内ところから始まっていると思うと、近親相姦を疑うのは、あたり和えのことであろう」
そういう意味では、
「別に七不思議というわけではない」
といえるだろう。
七不思議というのは、理解不能で、さらに、恐怖が募るべきものとして考えられる。
「都市伝説とどこが違うのか?」
と言われるが、
「都市伝説というと、とにかく曖昧なもので、現代に起こったものである。七不思議というのも、基本的には、学校内部の七不思議だったりするものは、現代といってもいいだろう」
といえる。
七不思議というものは、さらに理解不能だと思うのだが、曖昧さは、都市伝説よりもないかも知れない。
そんなことを考えていると、
「この動物の痣の奇妙さは、七不思議なのか、都市伝説なのか?」
と考えさせられる。
実際には、どっちなのか?
ということを考えると、
都市伝説というものを、いかに考えるかということから始めるべきなのではないかと思うのだった。
親の遺伝が、痣になって現れるとして、その痣の下は、近親相姦だったのではないかと思うと、
「痣というものが、悪魔の紋章ではないか?」
と思わせるのだった。
都市伝説において、果たして、
「悪魔の紋章」
というものが、どれだけ存在しているのか、分からなかった。
さらに、その
「悪魔の紋章」
というのが、背中の痣に限定されているというのは、そもそもが、
「背中にしか、浮かぶものではない」
ということだからなのだろう、
今回の、
「動物の痣」
という七不思議は、時代的に、
「いつだ」
というわけではなく、ずっと昔から今でも続いていることだったのだ。
伝説の村
ある北国の県に、Tというところがある。今の時代は、観光地になっているようで、博物館になったようなところがあった。そこの村には、妖怪や伝説などがあり、民俗学の先生が、風俗などの研究をしているようだった。
作品名:「悪魔の紋章」という都市伝説 作家名:森本晃次