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警察に対する挑戦

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 県庁所在地にあるお店が、
「支店を開く」
 という感じだっただろうか。
 ただ、実際に、この辺りに立ち寄る人でないと分からないようだが、開いた支店のほとんどは、外人の女の子が多いようだった。
 フィリピンや、東南アジア系の女の子が多いようで、
「どうも、西洋人はちょっと苦手」
 という人が、結構きていたようだ。
 何といっても、費用が安い。
 都心部の風俗街では、
「4,5万年が主流なのだろうが、こちらでは、2,3万で利用できる」
 ということだ。
 しかも、交渉次第では、
「さらなるサービスも受けられる」
 ということで、結構、人気だったりした。
 キャストの女の子に、
「外人が多い」
 ということは、男性スタッフにも、外人が多いということで、受付の男性などは、明らかに外人だったりする店も多い。
 途中に、いくつかの、
「無料案内所」
 というところがあり、そういうところは、結構ありがたかった。
 そこで、自分が行きたいお店や、その日の予算など話をすれば、割引の聞く店を教えてくれたりするので、重宝される。
 しかも、お店のスタッフが迎えに来てくれたりするので、その店にいくまでに、他の店の人から声を掛けられることもないので、安心である。
 そんな、
「無料案内所」
 というのは、この地区には、数軒あり、そのお店業態ごとに違っていたりする。
「キャバクラのような店から、ソープのような店まであるからだ」
 ということであった。
 実際には、都心部の繁華街に比べれば、狭いものだが、その狭い範囲に、密集しているのだから、結構すごいものである。
 特に、ソープなどは、一つの雑居ビルに、密集したりしているので、初めての人は、かならず迷うだろう。
 ソープというのは、
「条例によって、作っていい場所というのは決まっている」
 ということであったが、この地区は、なぜか、あとから付け加えられたところであった。
 他の県からすれば、
「そんなことは、普通はありえない」
 と言われてもしょうがないくらいであるが、それが許されるのは、何か、利権のようなものか、あるいは、地元の有力者の力が働いたか何かではないかと思われた。
 その男がいうには、
「私が、飲み会から、2次会ということで、同僚が、風俗に行こうと言い出したことで、最初から決めていたわけではないので、ここは、無料案内所で事情を聞こうということになったんです。それで、3人いた仲間だったんですが、それぞれに趣味趣向も違うし、一つの店に集中すると、終わりがバラバラになったりするので、皆別々の店に行くことになったんです」
 ということだった、
 刑事も、風俗のことは、少々知っていたので、
「無料案内所」
 のことも、この男が言っている内容も、よくわかっているといってもいいだろう。
 実際に、この男性は、ちょうどすぐに入れるお店だったようで、60分コースを選んだ。
他の2人は、少し待ち時間があるようで、どうしても、出頭者の男性が、一番最初に、店から出てくるということであった。
 そこで、
「じゃあ、大通りにある、カフェで待ち合わせよう」
 ということになり、その店は、この辺りが繁華街だということで、深夜の12時まで開いているところだったので、待ち合わせにはちょうどよかったのだ。
 案の定、出頭者が、一番先になったようで、お店を出てから、狭い路地を歩いて、そこから大通りに出るまでの間に、目撃したことだったという。
「その時の、状況を話していただけますか?」
 と刑事がいうと、
「その時、ちょうど、奥にワゴン車が止まっていたんです。そのワゴン車に誰か、人を押し込めようとしていて、押し込められそうになっている男性が、それを嫌って、逃げようとしていたんです。それを見て、こっちも見つかると何されるか分からないということで、陰から見ていたんですが、さすがに、相手は3人くらいいたので、すぐに、車に押し込まれて。そのままどこかに連れていかれたんです」
 というではないか。
「ナンバーは見ましたか?」
 と聞かれた男は、
「ワゴン車が横向きだったので、ナンバーは見えませんでした。ただ、どこかのお店の車のようには見えました」
 ということであった。
 それを聞いた刑事は、最初は、例の外人の殺害と関係ないと思っていたが、実際にはそんなことはないようだった。
 その男は、その時、男が落としたと思われる紙だといって、机の上に、一枚の名刺を出した。
 その名刺に書かれている会社名は、どうやら、
「外人の不法滞在」
 などをあっせんする会社だったようで、そこに、取締役と書かれていたので、幹部の一人であろう。
 この幹部は、外人幹部のようだった。
「どうして、すぐに名乗り出なかったのか?」
 と聞くと、
「すみません、とにかく怖かったので、すぐには、名乗り出ることはできませんでした」
 という。
 それほど、その場の雰囲気は、臨場感にあふれていたということであろう。
 誰も、そんな場面に遭遇すれば、誰だって、何もできなくなるというのは、当たり前おことに違いない。
 それを聞いた刑事は、その話を、桜井刑事と山田刑事に伝えた。
「外人首なし殺人事件」
 の捜査をしていることを知っていたからだ。
 桜井刑事と、山田刑事は、ちょうど、その外人による、不法滞在や、不法就労に関しての組織としての会社があることを突き止めていて、その拠点が海外にあることも分かっていた。
 そして、日本では、それら、似たような組織が暗躍していて、彼らは、あらゆる手段で、残虐なことをしているということも、ウワサであるが聞いていた。
 それこそ、
「交換殺人」
 であったり、などの、
「日本では、不可能とされてきた犯罪も、平気でやるかも知れない」
 という連中であった。
 それを考えると、
 目撃情報をもってきてくれた刑事の話を聞いて、
「やつらなら、あり得ることで、むしろまだおとなしいくらいのことなのかも知れないな」
 ということであった。
 そこで、桜井刑事と山田刑事は、この組織のやり方を、以前この組織に入っていて、今は足を洗ったが、生活できないということで、なるべく警察に協力してくれる男性に、この話をしてみると、
「ああ、その人は、本当に拉致された人間ではないのかも知れないな。そもそも、拉致というのが本当のことなのかということも怪しいものだ」
 という。
「どういうことですか?」
 と聞くと、
「いや、やつらは、実際にはそのような目立つ行動はしないんだ。だから、もしやつらだとすれば、何かも目的があるのかなと思ってね」
 というではないか。
「あの首なし死体の件ですか?」
 と聞かれたので、
「そうだけど」
 と答えると、
「被害者らしき人物はみつからないんだろう?」
 と聞かれると、
「ああ、そうなんだ」
 と答えたが、
「それは、きっと、やつらの仕業じゃないよ」
 というので、また頭をかしげると、
作品名:警察に対する挑戦 作家名:森本晃次