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警察に対する挑戦

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 であったり、
「通り魔殺人」
 あるいは、
「衝動殺人」
 などという、いわゆる、
「行きずりの犯行」
 であったり、
「愉快犯に近い犯行」
 ではないかとかんがえられる。
 ただ、犯人が明らかに、何かの細工を施していると考えると、
「衝動殺人」
 であったり、
「間違い殺人」
 などというものは、考えられないといってもいいだろう。
 交換殺人が、
「完全犯罪に一番近い」
 ということであり、逆に、
「物理的にはあり得ないことだ」
 ということであれば。その開きの大きさから、
「もろ刃の剣だ」
 とも言われるのであろう。
 こんな、まるで、
「ばくちのような犯罪を、本当に考える人がいるのだろうか?」
 今まで、実際に交換殺人というものが、確認されたとは聞いたことがないので、逆に、これが完全犯罪として成立していれば、
「警察の白書に乗るわけはない」
 といえる、
「事件が明るみに出ないことが成功の秘訣だから、完全犯罪ということが分かった時点で、事件は検挙されたことになり、白書に残るだろう」
 ということは、白書にないということは、2つしか考えられない。
「本当に実行されたことがない」
 ということなのか、
「実行されて、完全犯罪となってしまったからだ」
 ということではないだろうか?
 それを考えると、
「交換殺人というものは、今までに何件もあって、ことごとく成功している」
 ということも言えるのではないかということだ。
 しかし、それは、現実的に考えても、あまりにも無理がある。だったら、
「交換殺人など、実際にはありえないのだ」
 と考える方が普通であろう。
 しかも、今から20年くらい前まであれば、ありえないこともない。
 というのが、
「それまでは、時効いうものがあり、15年間逃げおおせれば、時効を迎える」
 ということだからであった。
 しかし、今では刑法も改正され、
「殺人のような凶悪犯罪に対しては、時効は撤廃する」
 ということで、殺人罪であれば、
「死ぬまで逃げ切らなければいけない」
 ということになる。
 たぶん、この時効撤廃は、それによって、犯罪の抑制につながるということで考えられたことであろうが、
「果たして本当に殺人事件というのは減っているのであろうか?」
 といえるだろう。
 ハッキリとした資料があるわけではないが、もし、本当に減っているのであれば、ニュースにもなるというもので、そんな話を聞いたことはないので、実際に減っているということはないのであろう。
 ただ、それでも、
「殺さなければならない動機がある」
 ということであり、復讐であったり、脅迫を受けていて、相手を殺さないと、
「自分が自殺をしないといけない」
 などということになればならないほどに追い詰められている場合に、犯行に及ぶのであろう。
 あくまでも、
「時効というのは、あとから考えること」
 と、その時の犯人の心理には、
「相手を殺す以外の選択肢はない」
 ということになるに違いないのだ。
 それを考えると、
「交換殺人」
 というものは、今までの、
「時効が15年」
 と言われていた間でも、きついのに、時効がなくなった今では、
「あり得ないことの上に、あり得ない」
 といってもいいだろう。
 ただ、交換殺人を行うということは、あくまでも、
「殺害手段」
 ということであり、相手に対しての恨みの内容であったり、そのレベルに関しては関係はない。
「殺害方法」
 として、
「いかに相手を残虐に殺傷するか?」
 ということであれば、
「犯行動機というものの大きさが、垣間見える」
 といってもいいだろう。
 そういう犯行動機というものは、交換殺人の中では、大きいのではないだろうか?
 というのも、
「メリットもデメリットも大きな犯罪ということは、この博打に近い犯行は、それだけ、憎しみが深くないとなかなか踏み切ることはできないだろう」
 といえる。
 何といっても、お互いに犯行にいったん踏み込んでしまうと、相談ができない」
 ということであるのだから、事件は最初から、
「困難を極める」
 といってもいいだろう。
 それだけに、交換殺人というものは、やはり、
「もろ刃の剣でしかない」
 といえるのではないだろうか?
 どう考えても、
「実際の犯行では、ありえない」
 ということになるのだろう。
「交換殺人」
 というものを考えた時、それと類似したトリックがいろいろと頭の中に浮かんできて、さらに、
「発想が芽生えてくるのではないか?」
 と、山田刑事は思っていた。
 その発想というのは、
「殺人方法」
 という意味で、殺人方法によって、
「犯罪の公式」
 なるものが芽生えてきたりするのは、
「探偵小説」
 の時代から言われているもので、例えば、昔でいうところの、
「首なし死体」
 と呼ばれるものである。
 言い換えれば、
「死体損壊」
 ということになるであろう。
「首と手首、さらには特徴のあるところを傷つけて、被害者が誰であるか、分からなくする」
 というものである。
「身元がバレないようににする」
 というのは、何も、首を切り落とすだけではなく、ナイフなどで、
「顔を切り刻む」
 ということもありではないだろうか。
 要するに、
「被害者が誰なのか分からなくする」
 というのは、明らかに、
「捜査のかく乱を狙った」
 ということは間違いないことだ。
 死体が誰だか分からないと、捜査の手が及ぶまでに、だいぶ時間が掛かる。
 つまり、
「時間稼ぎができる」
 といってもいいだろう。
 これも、もちろん、
「犯罪の手段としては、大切なことである」
 といえるが、それよりも、まだ大切なことがある。
 それが、
「被害者と加害者が入れ替わっている」
 というトリックである。
 被害者が誰か分からない、そして、事件関係者の中で、一人行方不明者がいて、その人と被害者は、
「よく似ている」
 と言われたりする。
 という状況であれば、
「誰が被害者で誰が犯人であるか分からない」
 という状況で、その二人が、
「会う約束をしていた」
 ということになると、
「言い争いをしている間に、どちらかがどちらかを殺して逃げる際に、誰が被害者なのか分からないとしておけば、捜査をかく乱できる」
 ということである。
 ただ、実際にはそれだけでなく。
「被害者と加害者が入れ替わることで、他の犯罪へのカモフラージュということに使われたりしている」
 といえるだろう。
 それを考えると、
「殺害方法のバリエーションにもいろいろある」
 ということである。
 もっとも、これは、今の時代には、なかなか難しい犯罪ではあるだろう。
 というのは、
「法医学の発展」
 ということである。
 法医学というのは、普通の医学とは違い、
「死者の死因を探る」
 と、形式的に言えば、そういうことであり、
「死者の声を聴く」
 ということである。
 基本的に、死者は言葉を話せない。しかし、何らかの理由で死ななければならなかったわけで、その理由が、
「殺された」
 あるいは、
「事故」
 などと、さまざまである。
 だから
「変死」
作品名:警察に対する挑戦 作家名:森本晃次