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警察に対する挑戦

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 暴力によるものや、相手の性格や行動を、片っ端から否定して、相手の逃げ場を奪っておいて、相手をパニックに落とし込んだり、逆らえない状態から、立場を利用しての、攻撃だったりすることで、相手を押さえつけるというのが、いわゆる、
「パワハラ」
 などというものである。
 これが男女間においては、
「セクハラ」
 となったりするのである。
 最近では、老人養護をする人が、老人を虐待してみたり、などということが、頻繁に怒ったりしているではないか、
 そんなことが、どんどん増えてきて、
「やられた人間は、精神疾患に陥っても、無理もないことだろう」
 躁鬱症であったり、パニック障害、さらには、自律神経失調症など、さまざまな精神疾患が、今の社会には溢れているといってもいいだろう。
 だから、神経内科の先生はたくさんいる。
 仕事によっての、精神疾患も多い、
 システムエンジニアなどのコンピュータ関係の仕事に従事している人も、精神疾患に襲われたりすることが多く、中には、自殺を試みる人もいる。
 これは、他のパターンでも同じことであるが、やはり、
「社会の仕組みのどこかが、狂っているということになるのではないだろうか_?」
 と考えられるのであった。
 さらに、これは精神疾患がおよぼすことなのか、
「死刑になりたいから、誰でもよかった」
 といって、刃物を用意した男が、繁華街などに、白昼であったり、夕方などの人通りの多いところで、刃物を振り回して、無差別に、人を殺傷するという事件も、結構起こったりしているではないか。
 それを考えると、世の中というのが、
「いかに理不尽なものか?」
 ということが分かる。
 確かに、このような精神異常な男が暴れて人を殺傷したということであれば、
「悪いのは、この男だ」
 ということになるのだろうが、だからといって、
「こんな男が、突然変異で現れるわけはない」
 ということになるだろう。
 ということは、社会の歯車が狂っていたり、実際に、
「病んでいる」
 という人が世間にあふれていることで、どんどん、過激な犯罪が起こってくるのであろう。
 それを思うと、
「世の中から犯罪がなくならないのは、永遠に続く、負のスパイラルのようなものが影響してきているのではないか?」
 といえるのではないだろうか?
「そんな時代だから、起こる」
 という、
「今ならでは」
 というような犯罪が、こうやっている間にも、日本のどこかで、無数に発生したり、実際に、犯行が行われているのかも知れない。
 それが、どういう事件を引き起こすのかということは、それぞれの事情が絡んでいることであろう。
 そんな犯罪の中でも、さすがに、
「間違い殺人」
 などというのはあまり聞いたことがない。
 小説などでは見たことがあったが、
「そんなバカな」
 と誰もが思うことである。
 そんな間違いをしてしまうと、犯人の方も、大変である。
「本当に殺したい」
 と思っている相手は、普通に生きているではないか。
 それなのに、
「殺すつもりのなかった」
 という相手を殺してしまったからといって、もちろん、捕まれば、それ相応の罰を受けることになるのだ。
 特に、
「殺すつもりはなかった」
 といっても、殺意がなかったわけではない。
 なぜなら、
「殺すつもりで人を殺めているのであって、ただ、相手を間違えた」
 というだけで、殺した相手に対しては、
「殺意がなかった」
 ということである。
 もし、独自に罪をつけるとすれば、
「殺そうと思った相手に対しては、殺人未遂。あるいは、殺人準備集合罪」
 とでもいうべきか?
 さらには、
「間違って殺してしまった相手には、殺人罪」
 ということになるだろう。
 ということは、この男は、
「それぞれの相手に対して、別々の罪を犯した部分もあるし、逆に、それぞれに共通の罪を持っていることになり、本来であれば、間違うことなう普通に殺人が行われるよりも、罪としては重いかも知れない」
 ただ、これも、裁判の行方と、
「裁判長の裁可」
 によって決まるものなので、一概には言えないであろう。
 それを考えると、
「間違い殺人」
 ということになると、
「犯人が本当に殺したい」
 という相手はまだ生きているということになる。
 となれば、犯人が、今度はどのようにして、本当のターゲットを仕留めようとするのかが問題で、警察がそれをどこまで分かっているかということであろうが、警察も、頭の片隅に、一瞬でも描くことはあったが、それはあくまでも、
「そんなバカな」
 というレベルに他ならないということであろう。
 警察は、基本的には、
「黒だと思う人間しか疑わないし、捜査も余計なことはしない」
 それが、
「さすがに公務員だ」
 ということであろうが、それは、
「捜索願い」
 というものを出しても動こうとしなかったり、
「民事不介入」
 という原則があるからなのかも知れない。
 それ以上に。
「疑わしきは罰せず」
 という理論からも、警察というのは、
「冤罪」
 というものを恐れているところがあるのだろう。
 特に今の時代は、昔に比べて、
「捜査や取り調べも、容疑者に対して比較的優しい」
 といえるのではないだろうか?
 昔であれば、特に相手が、チンピラであったり、反政府組織の人間であれば、
「別件逮捕」
 などによって逮捕し、その拘留機関で、自白させようと考えていたりしただろうう。
 しかし、今は昔ほど、
「自白」
 というものに、証拠能力があああるのか?
 と言われれば難しいところであった。
 下手に自白させ、起訴したとしても裁判所で、
「警察に自白を強要された」
 と言われてしまえば、警察はぐうの音も出ないというようなシーンを、刑事ドラマなどでよく見たものだ。
 弁護士というものは、決して、
「勧善懲悪」
 ではない。
 あくまでも、
「依頼人の利益を守る」
 というのが、弁護士の使命である。
 だから、
「依頼人が犯人ではないか?」
 と思っても、できれば無罪に、せめて、執行猶予を取りに行くなど、いろいろな方法が試みられるというものである。
 それを考えると、
「取り調べというのも、よほど気を付けてやらないといけない」
 というもので、検察側も、刑事の話や、供述調書だけではなく、被告のこともしっかりと見ていないといけないということになるであろう。
 それを考えると。
「検事も警察も、自白だけで、起訴などできるわけはない」
 と思っているのだった、
 あくまでも、今回の事件を、
「間違い殺人」
 と考えた場合のことであり、
「普通なら、そんな結論を出す刑事もいないだろう」
 と考えられるのだ。
 しかし、桜井刑事は、真面目にそんなことを考えていたが、もう一人、別のことを考えている刑事がいた。
 その刑事も、
「異端」
 と呼ばれるところがあり、そもそも、警察に入ってきたのも、
「探偵小説のファンだから」
 と、ウソか本当か分からないような話をして、笑ってしまうのであった。
 それを思うと、この刑事、名前を、
「山田刑事」
 という。
 彼の頭の中にあるのは、
「交換殺人」
 だったのだ。
作品名:警察に対する挑戦 作家名:森本晃次