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永遠の循環

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 確かに、会社で仕事をしている時間、たまに先が進まずに、時間を持て余すこともあった。
 それは、会議が長引いたり、先に現場の仕事が先に進んで、次の肝心なことが決まっていないので、開発が進まないということになるのだ。
 だから、そこで、
「遊んでしまう」
 と結果として、
「ケツが決まっているので、最後の突貫が、さらにきつくなるということになる」
 ということであった。
 そんな状態で決まったシステムなど、なかなかうまくいくはずがない、客への説明が不十分で、結局混乱を招いたり、一人一人いうことが違っていたりすると、結局、
「すべてが、本末転倒」
 ということになり、最終的に会社の信用問題ということになる。
 そうなると、解約者が増えてきて、口伝で、
「あの会社に頼むと、ろくなことはない」
 といって。保険代理店として、なかなか難しいことになってしまう。
 まだ、一度もそんな状況になったことはなかったが、実際に、そんなことになって、潰れていった会社もあった。
 そんな末路を描いてしまった会社にいたという人が、迫水の会社に入社もしてきた。そんな彼が、よくわかっていて、
「会議が多い会社は危ないんだけどな」
 とは思っていても、だからといって、それを進言できるだけの勇気もない。
 決起欲、
「事なかれ主義」
 を貫くしかできず、
「そのまま見守るしかない」
 ということであった。
 そんな会社であったので、それ以上何もできなかった。
「自分たちが、出世して変えていくしかないのかな?」
 と考えるばかりだった。
 ただ、仕事は、次第に楽になっていった。
 それは、会社内での効率が少しずつよくなっていったからなのかも知れない。
 確かに会議が多いことで、なかなか進まなかった仕事だが、その根本的な改革が内部で行われたことで、少し、営業のルーティンが変わっていった。
 最初こそ戸惑いから混乱もあったが、数か月もして慣れてくると、
「会議の分、そのまま残業ということまですることもなくなってきた、
 それくらいに、変えようと思えば簡単に変えられるということを考えると、
「今回のように、会議が仕事に影響しなくなると、残業をしないでもいい」
 という日が結構出てきた。
 だから、会社の方針としても、
「ノー残業デー」
 というものを作って、その曜日は、皆早く帰宅するということになったのだ。
 最初は、
「水曜日」
 ということであったが、一時期、国が推奨していた。
「金曜日を、半ドンに」
 ということで、
「ハッピーフライデー」
 などという企画があり、都心部の駅周辺などでは、
「昼間から、金曜日限定で、居酒屋が営業をしていて、明るい時間帯であれば、サービス鵜を受けられる」
 ということがあったりもした。
 特に、
「ビール2杯目からは、半額」
 であったり、
「おつまみの種類によって、2割引き」
 などというサービスであった。
 だから、一時期、金曜日の昼過ぎは、すでに、
「居酒屋が満員」
 ということも多く、それなりに、
「すでに予約で満杯」
 として、店の前には、
「満席表示」
 が掛かっていて、どうやら、その日は最初から、
「予約でいっぱいになっていた」
 という状態も少なからずだったという。
 だが、そんな、
「ハッピーフライデー」
 などというイベントも、すぐに下火になってきた。
 始まってから、数か月は、駅前の店など、予約で満杯だったのだが、ピークを過ぎると、予約の数も少しずつ減ってきているようだった。
「せっかく、金曜の昼から会社がないのだったら、飲んでばかりでなくともいいのではないか?」
 ということで、趣味をする人もいれば、一人暮らしの人は、
「早く帰って、一人で晩酌をする」
 という人も増えてきたようだ。
 さらに、その状況を徹底的にしたのが、
「世界的なパンデミック」
 というものだった。
「ハッピーフライデー」
 というものが始まってから、一年も経っていない時期、次第に、自裁が変わりつつあることに誰も気づいていなかった。
 諸外国はひょっとすると、意識があったかも知れないが、日本においては、ほとんどなかったかも知れない。

                   人手不足問題

 ここ20年くらいの間に、
「伝染病の流行」
 というのは、確かに世界的には、3,4くらいはあっただろう、
 日本においても、一時期、
「警戒しないといけない」
 と言われていたこともあり、しばらくの間、
「マスク着用」
 であったり、会社には、毎日、体温チェックをしたりして、それを報告したりしていた。
 しかし、そんな状態も、3か月くらいのもので。気が付けば、それも解除になり、
「最初から、何もなかった」
 かのような、毎日が戻ってきたのだ。
 だから、そんなことが数回続くと、
「ああ、またか」
 ということで、まるで、
「オオカミが来た」
 といっていたウソが、マンネリ化してしまったという、
「オオカミ少年」
 の話になってしまうという懸念がないわけではなかった。
 このオオカミ少年の話は、最後には、ウソが本当になってしまい、それを誰も信じなかったことで、
「皆。オオカミの食べられた」
 という、そんな話だった。
 だから、今回も、
「どうせ、またすぐに解除になるさ」
 ということで、簡単に考えていたが、実際に世界で猛威を振るってきて、日本でも、患者が出てくると、
「他人事ではない」
 ということになる。
 しかも、そのウイルスの、
「発症の地」
 と言われた、
「某国の某市」
 では、
「どれだけ悲惨なことになったのか?」
 ということが、報道されているのを見ていたので、
 さすがに、
「オオカミ少年」
 というわけにいかず、
「ただ、政府の対応が後手後手に回ったことで、日本でも、深刻な状況になってきたのだった」
 何が一番まずかったのかというと、
「水際対策」
 というものの、不手際だった。
 伝染病が流行ったら、いち早く、
「鎖国状態」
 ということにしなければいけないのに、海外からの観光客などを受け入れ続けた。
 それだけ、政府も安易に考えていたということで、結局は、悲惨な状況になっていったのだった。
 そこで、政府は慌てて、まずは、学校を休校にしたのだが、本来であれば、下準備としてからにしないと、パニックになることを分かっていながら、誰にも相談せずに、時のソーリが独断で行った。
 相当、各所から、不満が上がったが、そのあたりから、政府のやることはちぐはぐだった。
 どんなに学校を休校にしようが、
「緊急事態宣言」
 なる、
「今日本の国で出せる最大の宣言」
 というものを発令しても、
「水際対策」
 というものが、ザルであれば、結果は同じことになるのであった。
 結局どうなるかといえば、
「伝染病の下になったウイルスが入り込んでしまったので。あとは変異を繰り返すウイルスに対して、何をやっても後手後手にしなからない」
 ということを、この時に露呈してしまったといってもいいだろう。
 結局、政府は何ら対策を打つことができないまま。
作品名:永遠の循環 作家名:森本晃次