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永遠の循環

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 ということになり、それが、
「ジレンマ」
 ということに繋がっていくのではないだろうか?
 だから、
「人間だけが、自分たちの欲望のために、人を殺す」
 という、
「発達したがゆえの弊害」
 ということで、言われていることなのかも知れない。
 ただ、
「人間だけが」
 という発想が伴っているだけで、結果としては、
「人間は、自分の欲望で人を殺す」
 ということを証明する結果になった。
 だからといって、これを
「野蛮だ」
 ということで、
「他の動物のように、生きるために殺す」
 という自然の摂理とは違っている。
 という考えになるのは、あくまでも、
「人間を中心に考えたこと」
 であり、これを自戒ということで考えると、前述の、
「モーゼの十戒」
 で考えた時に、最初の戒律が、
「人を殺めてはいけない」
 ということが、人間の戒めにとっての最優先課題だということになるのだろう。
 人を殺めるということは、その中には、欲望が含まれる。
 つまりは、
「動機」
 というものだが、
 そこには、人間が持っているとされる欲望というものが働いているとすれば、
「食欲」
 によって、人は殺しあうというのは、分かり切ったことでもあろう。
「領土的野心」
 としては、そもそも、
「人口が増えてきて、食料がままならない」
 ということで、他の土地を手に入れて、食料を確保するというのは、
「戦争の動機」
 としては、ごく当たり前のことであろう。
「征服欲」
 というものは、まさにそのもの、
「なんでも、まわりのものを征服できる立場になると、手に入れたいと思う感覚は、人間のそれこそ、本能だ」
 といってもいいだろう。
 そして、もう一つの、
「性欲」
 というもの。
 これも厄介で、
「さすがに性欲のために、戦争を起こす」
 というのは、まれではあるが、まったくないというわけではない。
 そもそも、性欲の正体が、
「種の保存」
 ということで、民族の繁栄を考えると、その究極が、
「ホロコースト」
 ということを考えると、
「性欲が、民族迫害に繋がる」
 と考えるのも、突飛であるが、無理のないことなのかも知れない」
 と感じるのだった。
 世の中において。動物にも共通して、
「思春期」
 というものが人間にあるように、動物には、
「発情期」
 というものがある。
 それは人間を含んでのことであるが、発情期というものが、人間から見れば、恥辱的なイメージに見えてしかたがないのだろう。
 そんな迫水は、
「自分が誰かに狙われている」
 ということを感じるようになったのは、いつ頃からであろうか?
 あくまでも、
「感じている」
 というだけで、そのような兆候があったわけでもない。
「誰かに付け回されている」
 であったり、
「怪しい電話がかかってくる」
 ということもない。
「何かが怪しいと考えるようになったのは、中学時代にいじめられっ子を意識していることから身に着いたものなのかも知れない」
 それは、一種の、
「被害妄想」
 であったり、
「猜疑心の強さ」
 というところからきているのではないだろうか?
 被害妄想の強さというのも、猜疑心の強さというのも、最終的にはあくまでも、
「自分が感じている」
 ということであおうが、その中でも、
「被害妄想の強さ」
 というのは、自分が受動的に考えていることであって、逆に、
「猜疑心の強さ」
 というのは、自分が能動的に考えていることに相違ないだろう。
 つまりは、被害妄想というのは、自分が受けることの被害を、勝手に妄想してしまうのだから、相手からの攻撃があってこそのものである。
 逆に猜疑心というのは、
「相手がどうであれば、自分が思い込んだことの方が強く、妄想であっても、前提として、その妄想は、思い込み以上であり、被害よりも大きなもので、誇大妄想といってもいいのかも知れない」
 ただ、この二つが融合すれば、
「1+1」
 というものが、
「3にも、4にもなってしまう」
 という、一種の相乗効果を生むのではないだろうか?
 この二つが、一種のバイオリズムを形成しているのだとすれば、もう一つ何かが存在していてもおかしくない。
 普通のバイオリズムのグラフは、3つであり、それぞれに、同じような、上下の限界に向かってのカーブを描きながら、半永久的に、同じ動きになることで、その三つが、0の地点で重なるということから、
「バイオリズもが身体や精神におよぼす力関係を考えることができる」
 というものなのかも知れない。
「ここでも、3つのものの関係」
 である。
 前述のような。
「三すくみ」
「三つ巴」
 そして、
「ジレンマ」
 という関係に、今回の、
「バイオリズムの関係」
 これは、他の三つのどれかに含まれるのか、それとも、これはこれで単独のものだといえるのか、これまでの三つとは、どこか一線を画しているようで、その正体が、なかなかつかめないということであった。
 迫水は、自分の中に、そんな変な、
「相乗効果」
 というものを背負った中で、大人になると、それが、
「自分が誰かに狙われている」
 という感覚になるなどと、誰が考えたことだろう。
 それこそ、妄想であり、幻覚でしかないといえるものだろう。
 迫水を狙っている人間は、実は数人いた。

                 女性遍歴

 迫水という男は、特に女性問題に関しては、認識が甘く、普通であれば、
「女性を労う気持ちがなければ、女性にはモテない」
 というはずなのに、この男に対しては、
「女性の方が尽くす」
 という気持ちになってしまうような、不思議なところがあった。
 それを、
「魅力」
 と言えばいいのか、結果としては、
「騙される」
 ということになるのだ。
 男性というものが、
「いかに女性を好きにさせるか?」
 というのが、恋愛のテクニックだと思っている迫水は、他の男性から見れば、
「なんで。こんな男に騙されるんだ?」
 と普通であれば、迫水に騙される女を見ると、
「同情する気にはなれない」
 ということになるのだろう。
 だが、迫水を意識して、迫水と恋仲になる女性は、圧倒的に、
「浮気」
 というのが多かった。
 中には、
「不倫」
 と呼ばれる人もいて、
「伴侶だけではなく、特に子供がいる女性」
 というのが多かった。
 そうなると、女性が騙されているというよりも、
「どっちもどっち」
 という感覚の方が大きいだろう。
 ただの浮気ということであれば、そんない大きな問題にはならない。
「彼と別れて、迫水さんと付き合う」
 ということなのか、それとも、
「元鞘に収まる」
 というだけのことであり、
「迫水とも、元カレとも別れる」
 ということはまずないという。
 それだけ、その女性は、
「男性依存の女性」
 ということであり、そういう意味でも、どこか、
「精神疾患」
 というものを持っている女性ということになるのだろう。
 ただ、迫水としては、
「騙している」
 というつもりも、
「かどわかす」
 という意識もないという。
 どちらかというと、
「好きになられたから、一緒にいる」
作品名:永遠の循環 作家名:森本晃次