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異次元交換殺人

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 最初の時は、ほとんどの雑居ビルのスナックなどで、普通に閉店して、数日に一度くらい。店長が、店の空気を入れ替えたりする程度で、ほとんど店にいないということが多かったのだ。
 しかし、そんな状態で、最初は、まだよかったのかも知れない。
 もちろん、
「今後どうなるか分からない」
 ということで、経営者は不安であり、従業員も、
「いつ首になるか?」
 ということで、皆がそれぞれの立場で内心、ドキドキしていたに違いない。
 それを考えると、次第に、収支計算をしていると、いたたまれなくなってくる店長も多かったことだろう。
 最初の頃は、まったく店を開けないというような状態だった。
 だが、一か月ちょっともすれば、感染者の数も減ってきて、政府が、
「宣言の解除をいつするか?」
 というのを言い出した頃であった。
 その頃から、
「空き巣」
 というのが流行り出したのだった。
 これは、
「留守宅の個人の家に押し入る」
 というわけではなく、
「緊急事態宣言発令」
 によって、店の閉店を余儀なくされているところに、
「空き巣が入る」
 ということであった。
 緊急事態宣言というと、
「店に、在庫が残っていて、一部の売上金も残しているところもあったかも知れない」
 というところもあるだろう。
 金庫くらいは、家に持って帰れるだろうが、酒やつまみなどのものは、持って帰るわけにもいかない、そこを空き巣に入るという人も多かっただろう。
 ただ、そういう飲食店関係の雑居ビルに、皆、防犯カメラが設置してあるとは限らないだろう。
 それを思うと、残っている在庫を、盗みにくる輩もいることだろう。
「ただ、それを売るところがあるか?」
 ということなのだろうが、本当に空き巣が流行っているということなので、それだけ、空き巣の数も多く、思ったよりも、セキュリティがいい加減なのかも知れない。
 それ以上に問題なのは、
「この時代において、マスクに帽子などと言った。普通なら、一発、警官から職質を受ける」
 というのが当たり前なんだろうが、実際に、怪しまれることもなく、ビルに忍び込めるというのは、時代としては、
「泥棒に有利な時代になってきた」
 といってもいいのかも知れない。
 そんな犯人は、
「もし、防犯カメラに写っていたとしても、皆がマスクを着けている姿を見るのに慣れていて、マスクを外した顔を、想像できるわけもない」
 ということになるだろう、
 それを思うと、
「今度の、空き巣事件が、しかも、複数で一気に起こってしまうと、警察では、まったく手に負えない」
 ということになるのではないだろうか?
 だから、
「空き巣というものに備えて、警察もあてにならないようなので、自分たちだけで、独自の警察組織を作りあげよう」
 というところも、増えてきたようだった。
 それが、結局、
「国は何もしてくれないから、自分たちの身は自分たちで守る」
 ということになってしまうのだ。
 店の開店ができない状態で、そもそも、仕入れておいた商品もダメにしてしまう。さらには、仕入先への仕入金額を払わないといけない。
 さらに、従業員の給料や、回転資金など、収入がないのに、出費ばかりがある、
 忘れてはいけないのが、
「家賃」
 の問題である、
 そのうちに、
「国が、補助金を出す」
 ということになったのだが、そのための条件であったり、手続きが厄介だったりする。
 ちなみに、補助金が出るのは、
「飲食店だけ」
 ということで、仕入先などの費用は、まったく関係がない。
 もっといえば、それ以外の無数にある業界、そして店舗、
「一つに払えば、こっちにも」
 ということで、大変なことになっていた。
 しかも、国が出すといった保証金も、
「半年経ってもまだ支給されない」
 ということで、中には、
「補助金をもらう前に、やりくりができずに、店を畳むしかない」
 という人もたくさんいた。
 まるで、医療崩壊を起こして、
「救急車は来たが、受け入れ病院がなくて、救急車の中で、死んでしまう」
 などということが、その後に起こるのだが、考えてみれば、
「じゃあ、なんで、あんな宣言を出したんだ」
 と言いたくもなるだろう。
「後だしじゃんけん」
 になってしまうが、まさにその通りで、結局は、やったとしても、一時期は患者も減るが、そのうち、ウイルスなのだから、変異を繰り返して、
「また、波が起こる」
 ということになる。
「ここ数年間で、波が、そろそろ10に近いというではないか」
 という状態になり、やることなすことがすべて、
「後手後手」
 である。
「未知のウイルスなのだから、政府が後手にまわるのも仕方がないんじゃないか?」
 という人もいるが、
「それなら、少しくらいの手落ちは仕方がない」
 という程度であろう。
 しかし、今回の政府は、
「まったくすべてが後手で、少しだけでも、いい政策があっただろうか?」
 と考えるが、実際に、
「一つでもあれば、ほめてやるわ」
 という人がいるくらいで、どんなに探しても、なかったといってもいいだろう。
 もし、一つくらいあったとしても、
「最初の水際対策の失敗が、すべてだった」
 といってもいいだろう。
 それが、今の政府であり、
「危機管理が、まったくできていない」
 ということの証明であろう。
 もっとも、野党もひどいもので、かつての大地震の時、何と、
「被災者の人たちと喧嘩する」
 という前代未聞のことをやらかしたではないか。
 しかも、それが
「時のソーリ」
 ということで、今までに、
「こいつが最悪」
 と言われたソーリはいたが、この時のこいつほどひどいやつはいなかったことだろう。
 もちろん、ひどいソーリはいた。
「都合が悪くなると、病院に逃げ込むソーリ」
 ちなみに。こいつは、2回やったが。
 そして、女性問題で辞任に追い込まれ、最短寿命だった内閣もあったが、政治家というだけではく、人間としてという意味での最悪は、どうみても、こいつだったに他ならないだろう。
 そんなことを考えていると、
「結局は、ド底辺での争いということで、誰が最悪なのか、分からなくなってきた」
 それを思うと、
「今の世の中、どうなっているんだ?」
 ということになり、
「ひょっとすると、今の時代に起こっていることは、かつての政治家の、すべての負の遺産ということではないだろうか?」
 ただ、突き詰めると、
「そんな政治家を選んだのは、国民だ」
 ということになる。
 何しろ、あの連中は、国民が選挙で選んだのだから、あいつらが何をしても、結局は、
「国民への巨大ブーメラン」
 ということになる。
 もっとも、それを差し引いたとすても、
「政治家の暴挙」
 であることに変わりはないのだが、国民をはじめとした、マスゴミの責任は、重大ということであろう。
 そんな時代をどうにかしないといけないということであるのだろうが、何かをしようとしても、その都度、悪いことが起こってしまって、どうしようもない。それが、自然災害であったり、今回の、
「世界的なパンデミック」
 であったりする。
作品名:異次元交換殺人 作家名:森本晃次