三つの関係性
といえるのだが、それ以外のい人に関しては、どうであろうか?
というのは、
「後から考えると、そこに誰の名前があったのか、今となっては思い出せない。」
いや、そのメモを見つけたのは、確か、いちかの机の中にあったもので、時系列的に、小説を書いている時に、すでに、そのメモが存在していたのか?
ということであった。
「殺人予告メモ」
というものの存在は、それ以前に読んだ小説からの引用だと思うから、その発想があったのは間違いない。
そのことについては裏付けというものもあり、
「自分が小説を書き始めたのは、この時に読んだ、殺人予告メモの書かれた作者の本を読んだからだった」
ということが、意識の中でも、記憶の中にも、それぞれに存在していたからだ、
これは、
「過去においても、現在においても、いえることだ」
ということであり、これがそのまま未来に続いていくことだ・
というものだった、
ただ、実際には過去に伸びているものを、追い越していっただけであり、その現在が過去に変わった部分が、
「意識と記憶の両方に存在する」
ということになり、その考えが、
「二人の中の、姉妹であるという事実と同じで、意識と記憶というそれぞれは、現在からみた、過去と未来ということであり、ひょっとすると、つかさといちかの間に、父親がいるというのと同じで、この殺人メモの中にも、別の誰かという存在が、蠢いているということなのかも知れない」
と感じたのだった。
メモの中の他の人はどうなのだろう?
確か、12人が書かれていたような気がして、それが、何かの対になっているという認識があるわけではなかった。
考えてみれば、こんなメモを、
「誰が書いたのか?」
ということである。
メモの内容を見てみれば、そこに書かれている名前は、生徒は自分たち、つまり、
「つかさといちか」
しかなかった。
それ以外はというと、
「確か、ほとんどが先生だったような気がするな」
と思い、さらに思い出してみた。
最初に書かれていたのは、
「校長と教頭」
であった。
「なるほど、学校の、ナンバー1と、ナンバー2とでは、当然、対になっている」
といってもいいだろう。
そのほかは、確かに教師だった。
中には、男女の組み合わせもあったが、狂歌という意味での共通点は、すべての教師にあるわけではなかった。
「社会科の先生と、英語の教師」
というような組み合わせだったのだ。
そういう意味では、
「逆に男女の組み合わせの方が多かったな」
という感覚だったが、
その男女の年齢差も、さまざまだった。
「若い教師同士」
「年配の教師同士」
さらには、
「年配の男性教師と、若い女性教師」
といった感じであろうか。
その時に書かれていた教師の顔を思い浮かべると、
「どいつもこいつも」
と思えてならなかった。
この学校で、好きな教師がいるわけではなかったが、嫌いな教師がいるわけでもない。
結局、
「学校には興味はない」
と思っていたので、
「この学校で、先生のいろいろなウワサガある」
というウワサは聞いたことがあったのだが、
「それが、どれほどのものなのか?」 というのは、興味がないだけに、自分の中でどうでもいいことだったのだ。
ウワサの内容が、不倫関係であったり、業者との癒着など、
「ゴシップが好きな人には、飛びつきたくなる話題であろうが、だからといって、何かをできるわけでもないし、こちらは、生徒という立場なので、ウワサがあっても、何もできない」
と言えるだろう。
当然、内申書というものがある以上、先生に逆らうことなどできるはずもない。
それを思うと、
「黙って見守るしかない」
と思いながらも、情報だけは、耳を済ませて、冷静に聞いている人はいたであろう。
「ひょっとすると、あの殺人予告メモのようなものは、そういうゴシップネタに由来するのだろうか?」
とも思ったが、
「だったら、なぜ、自分といちかの名前があるというのか?」
ということであった。
しかもである。
「いちかの方は名前があっただけではなく、メモが机の中にあったではないか」
それを思うと、いちかのことを、再度考えてみる必要があるように思えたのだ。
「いちかと自分の関係に、その時には気づきかけていた頃だったような気がする」
ということで、
「腹違いの姉妹だ」
ということが、問題となり、ここに書かれていたのだろうか?
それにしても、メモをいちかの机に入れておいたということは、それが、
「いちかの目に触れることを願って」
ということであり、
「いちかなら、他言はないと思ったのだろうか?」
そして、
「いちかには、知らせなければならないことだ」
ということでの認識だったのだろうか?
そんなことを考えてみると、
「いちかにとって、この事実をどのように考えればいいのか?」
ということ。
さらには、
「いちかのことだから、私にも知らせてくるんだろうな?」
と感じたということであった。
小説を書いているということは、以前のように隠さなくなったので、いい方に考えれば、
「私に、小説のネタを提供してくれた」
と考えればいいのだろうか?
ということであった。
ただ、
「では、このメモを誰が何の目的で書いたのか?」
ということの、
「誰が?」
ということを考えると、もちろん、目的が分からなければ、誰かということも分からないと言えるのだろうが、逆に。
「誰かということが分かれば、その目的がはっきりするわけではない」
ただ、
「どっちから攻めればいいのか?」
ということが分かれば、突破口にはなるかも知れないということであろう。
つかさは、これを、
「何かの悪戯」
ということで、自分の小説のネタに使おうと考えた。
実際に殺人事件を起こすかどうかは、未知数であったが、殺人事件というよりも、
「人間関係」
という方に興味がある。
今まで、あまりまわりの人のゴシップなど聞いてこなかったので、
「いろいろ推理するのも面白いかも?」
ということで、今になって、考えるようになったのだ。
どのような悪戯なのか?
ということを考えていくと、
「やはり、ゴシップネタになりやすい人をピックアップして、そこで、名前をそこし記すことで、その人たちに疑心暗鬼にさせることで、今まで表には出ていなかった。
「叩けば埃の出るからだ」
という形になるのではないか?
と感じるのであった。
そんな中で、いろいろ調べてみることにしたのだが、これを調べるのに、自分一人でできるわけもなく、
「調べてみる」
ということを、いちかにしたのだが、いちかは、
「話に乗ってくることはないだろう?」
と思ったが意外にも、話に乗ってくる雰囲気であった。
何といっても、いちかは、
「自分の机の中に紙を入れられていた張本人ということで、最初から、関係者である」
ということに変わりはなかった。
それを思えば、
「いちかに話を振るのは、道理である」
と思ったのだった。
「おもしろいわね。私も少し調べてみるわ」