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夢による「すべての答え」

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 とでも思うということなのか、それを感じると、
「何が怖いといって、我に返ったことで、身体が完全に敏感になりすぎているので、女性であれば、快感の余韻に浸っているのだろうが、男性は、それどころか、肌に感じる必要以上の快感が、却って、鬱陶しく感じられるということであった。
 それが、
「男女の間の快楽の違い」
 と男女ともに感じるのだろうが、男性の場合は、気持ちが沈んでいるので、中には、
「一刻も早くここから立ち去りたい」
 と思う人もいるだろう。
 特に、快感を得るために、必至になって頑張り、汗が滴るほどに、快楽を求めた自分をさらに、賢者モードが襲うことで、
「まわりのすべてが嫌になる」
 という、一種のうつ病のようになっていると、男性は勝手に思い込むのであった。
 確かに、すべてが嫌になることで、うつ病の様相を呈しているのだが、本当のうつ病とは違うのだ。
 うつ病となると、
「隣に誰かがいるというだけで、我慢できないほどになる」
 ということであるが、実際にはそこまでではない。
 うつ病のように感じさせるのは、あくまでも、
「賢者モード」
 という、
「男性であれば、誰もが感じるもの」
 ということであり、うつ病のように、
「一部の人間に起こる」
 ということではないということであろう。
 いや、
「実際には、男性皆が、その瞬間だけうつ病を発症し、すぐにその意識がなくなるという、一過性のうつ状態」
 なのではないかと、勝手に思い込んでいる男性もいるような気がするということを、かすみは感じていたのだ。
 実際に、かすみは、大学時代には、何人かの男と付き合ってきて、
「これが賢者モードというものかしら?」
 と感じたことがあったのは、間違いのないことであった。
 しかも、それが、
「ロストバージンの時だった」
 ということをハッキリと覚えている。
 あの時は、自分でも、気持ち悪くて、吐き気を催していたのだ。
 初潮の時から、生理になった時の臭いや、その前後での、身体から発する鉄分を含んだ、薬品のような臭いに、実際には、自分でも、
「気持ち悪い」
 と思っていた。
 しかし、実際に、処女ではなくなった瞬間の出血で感じたその臭いは、
「今まで感じた。生理の時の臭いとは、若干違っていた」
 何が違うのかは、正直言葉にできない気がするが。
「その違いというのは、薬品の臭いの違いだ」
 といって、しかるべきだと感じていたのだ。
 処女を失ったその時に感じたのは、虚しさなどではなく、
「生理の時の自分と、別人のような気がする」
 という、まったくセンチメンタルな気持ちとは違った、
「微妙な感覚だった」
 といってもいいだろう。
「生理の時の自分がそんな自分だったのか?」
 ということを、処女を失った瞬間の自分は、思い出そうとしても思い出せなかった。
 ただ、その時に感じたことを、
「これ以降も、同じことを考えるようになるかも知れない」
 と感じたのだ。
 その思いがどこから来たのか?
 ということであるが、その答えが、
「西洋の城」
 ということで、
「もう一人の自分を感じさせる恐怖の夢」
 というものを見せるこの時だったのではないだろうか?

                 中途覚醒

 そんな、
「西洋の城」
 というものが、
「見上げている自分、見下ろしている自分を、ほぼ同時に見せる」
 という夢の正体であるということを感じると、
「夢というものが、目が覚めるだけのために見るような感じでいたが、それがすべてではない」
 などということを感じさせるようになってきた。
 それは、夢というのものが、前述のような。
「都合のいいものであり、限界を感じさせるものだ」
 ということであるということを、ひょっとすると、
「この時に感じさせられるというものではないだろうか?」
 と感じさせられたのだった。
 だが、子供の頃は、最初は。
「夢は、見るものなんだ」
 と、漠然と考えていた。
 そのうちに、
「どうして夢って見るものなのかしら?」
 と考えるようになったのは、
「夢」
 というものが、
「怖い夢だけしか見ていない」
 と感じさせられるということからであった。
 しかし、実際に、
「覚えているのが、怖い夢だけで、あとの夢は、目が覚めるにしたがって、忘れていくものだ」
 と感じさせられたからだといってもいいだろう。
 夢というものが、
「潜在意識のなせる業だ」
 ということを感じさせるようになると、
「夢というものが、どういうものなのか?」
 というそのメカニズムは、いつのまにか、
「都合のよさ」
 というものと、
「限界を感じさせる」
 というものから、
「夢は支配されている」
 と感じるようになったのだった。
 夢というものを、早い段階から意識していたかすみは、
「最初に意識したのが、たぶん、幼稚園にも上がる前だったのではないか?」
 と感じたのだ。
 それは、大人になってからの記憶が、ほとんど、小学生からのものであったのに対し、一つだけ、意識として残っているものがあった。
 その時は、シチュエーションまでは覚えていないのだが、結論として、
「ハチに刺された」
 ということであった。
 スズメバチのような危ないものではなかったので、事なきを得たのだが、その時に嗅いだ薬品の臭いを一生忘れないと自分で思ったのだ。
 その臭いは、アンモニアの臭いで、昔から、
「ハチに刺されたら、アンモニアが特効薬だ」
 ということを聞かされていたことで、アンモニアだというのを理解したつもりだったが、物心もついていない子供に、そもそも、アンモニアなどという薬品のことが分かるわけもない。
 もし、意識としてあったのだとすれば、
「ハチに刺されたら、おしっこを掛ければいい」
 という風に、男の子は言われていた。
 もちろん、大人の、
「罪もない冗談だったのだろう」
 しかし、あとから思えば、
「何が冗談なものか」
 と思ったのだが、それ以上怒る気にはならなかった。
 というのも、
「おしっこというのがアンモニアのことであり、だから、アンモニアを縫ったのだ」
 ということが後になって分かったということであり、
「だから、あの時」
 という妙な納得をしたのだったが、それが、自分の中で、
「時系列が初めて崩れた時である」
 と思ったのだった。
 しかし、この、
「時系列が崩れた」
 というのは、その時が、
「最初で最後だ」
 ということを自分で分かっているような気がしたのだった。
 というのも、
「大人になるにつれて、いろいろ分かってくるところで、時系列というものが、次第に、間違いのないものだ」
 という理屈になることを、分かるようになる。
 つまり、大人になるということは、
「時系列をはじめとして、世の中の理屈というものを、自分の中でしっかり解釈として分かることができるようになることだ」
 と感じることができるものではないだろうか?
 そんなことを感じていると、
「夢というものの正体も、次第に分かってくる」
 と感じていたが、その
「分かってくるはずだ」
 と考えた時期を、
「すでに通り越している」