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パラレル国家の真実

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 の対立ということから起こった戦争が、最後には、
「帝国の解体」
 ということが行われ、
「民主化の嵐」
 が吹き荒れた、
 ただ、ロシアだけは、
「民主主義への限界を感じたことで、社会主義国家としての、ソビエト連邦成立」
 ということになったのだ。
 そういう意味で、第二次大戦における、
「戦争を行っていた国家の中で、帝国と呼べるところは、大日本帝国だけだったのではないか?」
 といえるだろう。
 もちろん、
「イギリスが違う」
 という観点に立ってのことであった。
 ただ、その当時、アジアは、
「欧米列強から、植民地支配されていた」
 ということで、日本が南方への進出に対して、
「アジアを解放する」
 という、
「大東亜共栄圏の確立」
 という、大義名分ができたといってもいいだろう。
 大日本帝国という国が、世界におよぼした影響は計り知れないであろう。
 確かに、日本という国が、
「地図上では狭い国で、植民地といってもほとんどないが、世界の大国という意味では、台頭していたのは間違いない」
 ということであった。
 正直、英字維新後から、明治期においての領土拡大というと、
「台湾」
 と
「朝鮮」
 だけである。
 敵国を、
「大清帝国」
 さらには、
「ロシア帝国」
 という当時としては、大国と言われた国に対して戦いを挑んだにも関わらず、得た領土は、台湾と朝鮮だけである。
 そもそも、台湾は、日本が、
「漂流民迫害という事件への報復から、手に入れた国だった」
 ということなので、対外戦争で手に入れたのは、
「朝鮮だけだ」
 といえるだろう。
「満州という国は、どうなのか?」
 ということになるが、満州に関しては、満州鉄道の周囲に権益があるに他ならない。
 もちろん、
「満鉄保護」
 であったり、
「居留民保護」
 という意味で、軍を駐留させるのは当たり前のことだが、それが、次第に、
「天下無敵の関東軍」
 と呼ばれるようになったのだ。
 当時の中国は、中華民国の時代で、
「前身である清国が、他国と結んだ不平等条約を継承しない」
 といってきたり、日本に対しての反日などもあって、日本だけではなく、諸外国に対して、国家内で、
「懲弁国賊条例」
 などというものがあり、
「自国の不利になったりするような、外国に対して行った行為は、国賊として、死刑にする」
 というものであった。
 それが、満州事変前夜には、
「朝鮮人を含む日本人に対し、土地や建物を売ったり貸したりすると、売国罪ということで、死刑に処する」
 というものもあり、当時の日本は、満州では、かなり迫害されていた。
 いろいろ、
「暗殺」
「強奪」
「強姦」
 などという事件が多発したことも、満州事変のきっかけとなったことも事実であろう。
 日本には、それを妨げるだけの力があるわけではなく。結局。
「満州事変」
 という形での、軍事行動しかなかったというのが、当時の事情であっただろう。
 しかし、それが、日本を世界で孤立させることになるとは、誰が思ったことだろう。
 満州事変に関しても、諸外国は、かなり日本の立場に考慮した話であったが、実際問題として、
「国の世論が黙っていない」
 というのがあったことだろう。
 日露戦争の時の、
「ポーツマス講和条約」
 にて、賠償金が取れなかったということから
「日比谷焼き討ち事件」
 という大事件が起こり、大日本帝国初の、
「戒厳令」
 というものが発せられた時だったのだ。
 そんな時代を思い出すと、日本も、諸外国からの話に、
「はい、そうですか」
 とはいかない事情があるのだろう。
 それは、やはり、日本国内における、恐慌や、農作物不作によって生じた、
「食糧問題解決のため」
 という側面が、満州事変にはあったからだ。
 確かに、国連決議としては、
「日本に対して、満州国の独立派許さないが、統治ということは許す」
 ということだったのだから、本来であれば、移民があっても、問題はないはずだが、やはり、当時のソ連の動向。さらには、南部の中国の動きも怖いものがあったからだろう。
 南北が協定を結びでもすれば、満蒙のあたりは、
「北と南から、挟み撃ちにされる」
 ということになり、そうなると、居留民を守るどころではなくなってしまうということになるであろう。
 それを考えると、
「日本という国が孤立していまったことが、のちの大東亜戦争への突入となり、すでに、シナリオができていた」
 ということになってしまうだろう。
「大日本帝国というのは、なくなるべくしてなくなった国だという側面もないわけではない」
 それを思うと、世界の流れというのは、
「そう簡単に変えることができないものなのだろう」
 ということになるのだった。

                 サナトリウム

 今の時代は、大日本帝国が戦争に敗れ、6年半ほどの、
「進駐軍による占領統治」
 という時代を経て、民主国家となったことで、独立し、平和憲法の下、ここまで日本が巻き込まれる戦争もなく、やってきた。
 その間に、いろいろなことがあったが、基本的には、
「アメリカの属国」
 これが言いすぎだとすると、
「アメリカの傀儡国家」
 という側面の強い、日本国に成り下がってしまったのだった。
 それでも、
「有事の際は、アメリカが守ってくれる」
 という、いわゆる、
「お花畑的な発想」
 が、蔓延っているといってもいいだろう。
 日本という国において、冷静に考えてみれば、すべてが、アメリカの決定に逆らうことができない国であった。
 これは、
「同盟国」
 という対等立場ではない。
「これでは、明治維新の際の、元勲たちによっての、不平等条約撤廃のための、掲げられたスローガンを着実に実行していった時代の方がよかったではないか?」
 ということになるだろう。
 だから、
「大日本帝国」
 というものが、軍国主義となり、
「最後は軍部が暴走したことで、戦争という破滅の道を歩んだ」
 ということになり、それが、
「大日本帝国を破滅させた」
 ということになるのだろうが、それは、基本的に間違っている考えだ。
 そもそもの、憲法における、体制に無理があったといってもいい。
 それが、
「天皇の統帥権問題」
 というものだった。
 というのが、
「軍部の暴走は、政府が軍に口出しができないところに問題があった」
 といってもいい。
 統帥権というのは、
「天皇は陸海軍を統帥す」
 と書かれていることから、
「軍というのは、天皇直轄」
 ということであり、首相といえども、軍のやり方に口出しできない。
 いや、口出しできないというよりも、作戦を知ることもできない。
 つまりは、
「大本営」
 という、有事の際の、軍部の作戦体制の陣営に立ち入ることも、それを知ることもできなかった。
 だから、軍部が独走しても、止めることができないのだ。
 だから、満州事変において、国家の方でも、
「満蒙問題」
 というものを、
「外交政策で何とかしよう」
 と取り組んでいたのだが、
「政府に通知することもなく。満州事変が勃発していたのだ:
作品名:パラレル国家の真実 作家名:森本晃次