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三人三様

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 とは違うものであろうと思える。
 ただ、
「核の抑止力」
 というのも、最初は、
「これで戦争はなくなる」
 と誰もが信じていたことだったが、実際には、そんなことはなかった。
「神話」
 といわれるようなことでも、どれほど、
「ただのでまかせにすぎなかった」
 というのがあったことか。
 そもそも、
「バブル崩壊」
 の時の、
「銀行破綻はありえない」
 と言われていた神話が、まず最初に、銀行が破綻したということから始まった、
「バブルの崩壊」
 ではなかったか。
「銀行は絶対に潰れない」
 と言われていたのだ。
 何といっても、
「銀行が潰れそうになれば、国が助ける」 
 ということだったからだ。
 しかし、
「バブル崩壊」
 においては、そんなことはなかった。
 何といっても、
「バブルが崩壊することで、破綻する銀行は、一つや二つではない」
 ということだからだ。
 ほとんどの銀行が虫の息のようになっているのだから、政府が助けるところではない。生き残るためにとられた策というのは、
「吸収合併」
 という道しかなかったということであろう。
 それにより、何とか、銀行破綻がまぬがれ、一般企業も同じように、吸収合併が繰り返され、崩壊前とは、まったく違った世界が見えてきたというのが、崩壊後の経済であった。
 神話として、次にあったのが、
「インフラ神話」
 といってもいいだろう。
「少々の巨大地震でも、大丈夫な耐震構造になっている」
 ということだったはずだが、確かに、想定以上の震度だったのかも知れないが。
「阪神大震災」
 では、高速道路が横倒しという状態だった。
 そして、さらに、10年くらい前に起こった。
「東日本大震災」
 というものでは、
「原発が事故を起こし、放射能流出」
 となり、人が住めない状態になった。
 これは、
「人災:
 ということであったが、これも、
「人災であろうが、何であろうが、神話の崩壊ということには変わりはない」
 ということである。
 それだけ、世の中には、
「不敗神話」
 というものが流れていたが、何かあるごとに、そのほとんどが崩壊していくのだから、
「どれほどひどいことなのか?」
 ということなのであろう。
 それを思うと、
「ここ30年という間に、世の中は、ほとんどまったく変わってしまった」
 といってもいいだろう。
 それを思うと、
「個人情報保護」
 であったり、
「ストーカー問題」
 というのは、
「一つの時代の転換点に出てきた、
「転換のための一つの神話崩壊」
 に近いといってもいいだろう。

                 SF小説

「いたちごっこ」
 であったり、
「抑止力」
 という話は、坂口が、
「最近書き始めた、SF小説というもので、得意とするもの」
 であった。
 特に、
「東西冷戦」
 を思わせる、
「核開発競争と、核実験をどこで行うか?」
 という問題が、微妙に絡んでいるのであった。
 というのも、
「日本という国は、唯一の実戦における被爆国」
 ということで、さらに、ビキニ環礁においても、核実験で、
「第五福竜丸」
 という船が、その犠牲となり、
「核実験の恐ろしさ」
 というものを世界に示したといってもいいだろう。
 それから、地球上での核実験は、
「地下核実験」
 というものが主となったのだが、これも、
「完全に安全というわけでもない」
 それを思うと、
「宇宙における核実験も、同じことが言える」
 ということではないだろうか。
 そもそもの兵器開発の理由は、
「地球は狙われているので、超兵器を持つことで、攻めてくれば、一発でやっつけられる」
 ということと、もう一つには、
「地球に超兵器があることを侵略しようとする星が知れば、攻めてこなくなる」
 という、
「抑止力」
 という問題だった。
 だが、
「もし、相手がさらに強力なものを作ってくれば?」
 という質問に、
「こちらはさらに強力なものを」
 という論議にしかならない。
 つまりは、
「半永久的に、強さを競うという、まるで、コンピュータウイルスにおける、堂々巡りであり、これこそ、交わることのない平行線を描いているということを、証明している」
 ということになるのであろう。
 それを考えると、
「人間の愚かさ」
 というものが浮き彫りになる。
 普通に考えて、
「どうして、共存ということを考えようとしないのだろうか?」
 ということである。
 やはり、
「日本という国が、大東亜共栄圏というものを提唱したのに、それを、まるで悪だということで、勝者側の理論として、裁判にかけて、日本の大義名分を、打ち消しただけのことはある」
 といえるのではないだろうか?
 そんな超兵器を持つことによって、究極の堂々巡りが繰り返される話を書いたのだが、その続編を書いた人がいた。
 その人が、ちょうど、同じ会社の人だったのだが、二人は、そうとは知らずに、ネットでの、
「小説同好会」
 のようなものに所属していた。
 近くだということで、
「遭ってみよう」
 ということになった。
 それ以前に、その人は、坂口の小説を好きだったようで、
「続編を書いてみたいな」
 といっていたのだ、
 その中で、この、
「超兵器と抑止力」
 という話に共鳴したようで、
「いたちごっこの堂々巡り」
 というテーマであることが、半永久的な話になってしまうということを、危惧したことから、
「何か、続編では、解決編のような話にしてみたい」
 といっていたのだ。
「その話の内容が、どういうものになるのか?」
 ということを楽しみにしていたのだが、
「解決編を書いた時、会いに行って、直接手渡ししよう」
 といってくれたのだった。
 ただ、彼がそれを、手渡ししてくれることはなかった。それは、
「彼が、会いに来るといっていた、数日前に、亡くなった」
 からである。
 彼の死は、自殺だった。
 遺書らしいものは、直接あったわけではないが、何と机の上には、坂口宛の、小説の続編の原稿があったという。
 一応、捜査で、
「どう見ても、自殺なのだろうが、念のため、原稿は少しの間、警察が保管する」
 ということになったのだ。
 っとりあえず、指紋を取ったり、内容の中に、遺書を思わせるようなものがないかということを検証したようだったが、警察としては、
「怪しいというところはない」
 という結論になったようだ。
 何といっても、現状から見て、
「自殺に間違いない」
 ということであったのだが、しいていえば警察として気になったのは、
「遺書がない」
 ということだったのだ。
 遺書もなく、別件の原稿が置かれているということで、
「とりあえず、遺書の代わりではないか?」
 と考えるのも無理もないこと。
 そこまで考えておきながら、実際には、深く内容を読んでいるわけではないようだった。それを見て。
「警察も政治家と一緒だな」
 と感じた。
「どうせ何もしない連中というのは、とりあえず、やってますアピールというものをすることで、自分たちの体裁を整えようとする」
 というだけで、言い訳らしいことには、
作品名:三人三様 作家名:森本晃次