小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

記憶の時系列

INDEX|3ページ/16ページ|

次のページ前のページ
 

「銀行は潰れない」
 といわれていたのは、
「いざとなると、政府が銀行を助けるからだ」
 ということであった。
 一般企業の破綻であれば、その会社と、せめて、関連会社における、
「連鎖倒産」
 というくらいの問題であろう。
 もちろん、それだけでも、大きな問題なのだが、銀行となると、通帳を持っている個人、取引をしている会社、すべてに影響してくる。
 特に、会社であれば、銀行が潰れると
「明日からの資金繰りにも困る」
 ということになり、その理由というのは、
「企業自体が、自転車操業をしているからだ」
 ということになる。
 そんな零細企業にとって、銀行というのは、
「命綱」
 でもあったのだ。
 だから、焦げ付き騒ぎが起こると、個人が皆、お金の引き出しに走り、銀行側はパニックになる。
 各企業へのサポートどころではなくなり、
「数日、銀行が機能しないだけで、零細企業が、毎日のように、バタバタと潰れていく」
 という状況になるのが、目に見えているのだった。
 だから、政府は、必死になって銀行は救おうとするのだ。
 しかし、バブルがはじけ始めると、国自体が、
「経済界に何が起こっているのかを知っているとしても、まだまだアマう考えていたのかも知れない」
 それとも、
「甘く考えてはいないが、危ないと気づくのが遅かった」
 ということだったのかも知れないが、
「それこそ、言い訳もできないミスではないか」
 ということになる。
 大蔵省や、日銀がそのあたりは把握しておかなければいけないのだが、実際には、
「考えが甘かったのか?」
 それとも、
「盲目だったことで、銀行救済に間に合わなかったのか?」
 ということであるが、どちらにしても、
「盲目で、考えが甘かった」
 ということを、まったく否定できない体たらくだった。
 といえるだろう。

                 亡国への経済対策

 専門家や、政治家の中には、
「まさか、そんなことになるなどと思ってもみなかった」
 というやつもいるかも知れない。
 しかし、それは、自分から、
「私は専門家でありながら、経済を分かっていなかったので、こんな状態を招いてしまいました」
 といっているのを同じである。。
 そんなことを口にするといういことは、それだけ、
「自分が間抜けでした」
 といっているようなものであり、もし、その男が、
「経済復興」
 のプロジェクトにいるのだとすれば、
「経済復興などできるはずがない」
 とさすがに国民も情けなく思うことだろう。
 幸か不幸か、国民が、それほど政治に興味があるとは思えない。
 だから、そんな連中が中に入った政府で、
「この未曽有の危機」
 というものを、
「乗り越えらっるわけはない」
 ということになるに違いない。
 それが、
「バブルの崩壊」
 というものであり。その時をきっかけにして、
「二度と浮上できない」
 という、時代に入っていったのだ。
 だからこそ、今でも、
「失われた30年」
 といわれ、バブル期の状態までは程遠い状況になっていた。
 その30年というのは、一度下がった給料が、その水準まで届かない」
 というもので、
「海外であれば、とっくの昔に戻っているのに」
 といわれているのにである。
 もちろん、ここには、理由があり、それが、企業の、
「内部留保」
 というものである。
 つまり、一見は、
「会社がいざという時のために、潰れないように、利益をためておく」
 というものであった。
 知らない人は、
「だから給料が上がらないんだ。さっさと社員に還元しろ」
 といって怒り狂うことだろう。
 しかし、実際には、そn内部留保というのは、
「仕方のないものだ」
 ともいえるだろう、
 というのは、企業側からすれば、
「内部留保があるから、年功序列や、終身雇用という日本独自の社会体制が保たれて、お前たちの雇用も保たれるんだ」
 ということになるだろう。
 それを言われれば、ぐうの音もでない。
 というのも、バブルがはじけた時、内部留保で何とか、会社を潰れずにはできたが、そのために、
「リストラ」
 という言葉が流行ったほど、社員を犠牲にする。
 ということが行われたのだ。
 さらにその時から、企業とすれば、
「人件費削減」
 ということで、社員の削減だけでは、会社が成り立たなくなるので、その頃から取られるようになった対策として、
「非正規雇用」
 ということであった。
 つまり、今までは、ほとんど、正社員しかおらず、正社員がすべてをこなすという時代だった。
 バブルがはじけた頃から、個々の家庭では、
「旦那の給料だけではやっていけない」
 ということから、
「共稼ぎ」
 ということが当たり前となり、会社でも、
「女性の進出」
 というものが増えてくることになるのだ。
 そのうちに、
「女性の社会進出」
 ということで、社会問題として浮き彫りになったのが、
「男女雇用均等法」
 というものだった。
「女性にも雇用機会を」
 ということだけではなく、
「男と同じだけの仕事ができる女性」
 ということで、女性の、
「地位向上」
 が叫ばれるようになり、昔から言われていた、
「スチュアーデス」
 であったり、
「婦警さん」
 なども、名称を変えなければいけないという、
「悪しき空気」
 になってきた。
「ちゃんと仕事ができるのであれば、名称など、どうでもいいだろうに」
 と思う人も、一定数はいるのではないだろうか?
 そんな時代に、
「女性の社会進出」
 と時を同じくして、
「パート」
「アルバイト」
 などの、非正規雇用が増えてきた。
 その理由はいくつかあるが、一つは、何といっても、
「賃金が安い」
 ということが理由であった。
 もっとも、会社側からすれば、
「時間から時間で決まっていて、責任というのもほとんどないのだから、正社員よりも給料が安いのは当たり前ということで、これで給料を一緒にすれば、正社員から文句がくるというものだ」
 ということなのだろうが、それよりも、人検事節減が目的なのだから、
「それは当然のことだ」
 ということになる。
 非正規雇用として、雇われたアルバイトやパートであるが、彼ら、あるいは、彼女たちを雇う会社側のもう一つの大きな理由というのは、
「いつでも、首が切れる」
 ということである。
 正社員であれば、
「解雇には、それなりの理由が必要であるが、バート、アルバイトであれば、少し前に、
契約打ち切りを言い渡せば、簡単に切ることができる」
 ということであった。
 そのうちに、
「派遣社員」
 というものも出てきた。
 それは、
「企業が契約した派遣会社から、人材派遣を目的として、ある種の業務に従事させられる」
 ということだった。
 派遣会社を間にかましておけば、
「もし、派遣された社員が、病気か何かで来れない」
 ということになれば、
「他の人を臨時で、入れることができる」
 ということであった。
 普通のバイトであれば、
「その日に申し出て、たった今から来れるなどという人はまずいない」
 からであった。
 だから、
作品名:記憶の時系列 作家名:森本晃次