いたちごっこのフレーム問題
ということも考えたが、何しろ、真空の宇宙空間で実験しても、その効果はほとんどないことが分かっている。
そうなると、あとは、
「地下核実験」
というものしかないということになるではないか。
実際に、
「地下核実験」
というものを行うことになると、
「地下帝国」
の人たちは、びっくりである。
その当時の核実験くらいでは、地下帝国の科学力では十分に防げていたが、それが、そのうちに、
「放射能汚染」
ということになると、少し変わってきた。
しかも、それによって、結果として、
「宇宙からの、人間が加工しようとしているエネルギーなしには生きられない」
という身体に変わっていった。
そもそも、彼らをそんな風にしたのは、人間だったのだ。
そういう意味で、
「核開発を行い、その実験を何度も繰り返し、それを地下に求めた」
という、
「核開発競争」
にかかわったすべての人間が悪い。
ということなのだろうが、
「地下帝国の連中からすれば、もうそんなことはどうでもいい。地上の人類は、すべて的なのだ」
ということになる。
その考え方を誰が諫められるのか?
「いやいや、諫めることなどなく、完全に地上の方が悪いのだ」
という前提の下に、そのアニメは、
「地上の人類中心の考え方で動いていく」
つまり、政府は、それらをすべて分かっていた。
なぜなら、地底帝国から、人類に対して、
「宣戦布告」
をしてきたのだ。
政府は、
「全世界の混乱」
を恐れて、その事実を隠蔽した。
「混乱が起これば、俺たちが、混乱に紛れて殺されてしまう」
ということでの、保身に走ったのだ。
この期に及んで、
「自分の身がかわいい」
という政府だったのだ。
そのため、一部の人間だけには、警戒させるために、話をしている。それも、
「地底帝国が、地上を侵略しようとしている」
ということが、その目的とされた。
そして、その中の命令として、
「地底帝国の人間を捕虜とすることは許さない」
ということであった。
表向きは、
「あいつらを捕虜にすると、人間に有害な連中なので、少しでも同じ空気を吸うと、有害なエネルギーが発せられ、皆死んでしまう」
といわれたのだ。
ただ、実際には、
「やつらの口から、真実が漏れるのを恐れてのことで、実際に有毒な連中だったというのは、あとからこじつけたことであったが、実際に、あながち、有毒というのは、ウソではなかった」
という。
しかし、それも、結局は、
「人間による、地下核実験がもたらしたもの」
ということであり、
「彼らに責任はないはずだが、結果として、人間が引き起こした災害に違いない」
ということであった。
要するに、
「どの角度から見ても、落ち度のすべては人間にある」
ということであるが、それをひっくりめてすべてを、
「地底からの侵略」
ということにして、
「過去の過ちを隠蔽する」
という意味においても、
「地底帝国の存在自体が許されない」
ということになるのであった。
そんな地底帝国に対して、地表では、
「やつらに対抗するロボットの政策を行い、さらに、資源の確保が必要だったので、宇宙線加工のための開発が進んだ」
その時までは、
「やつらのエネルギー源の下が何か」
というこが分かっていなかった。
なぜなら、
「相手をの積極ができなかったからだ」
ということである。
しかし、そんな政府に不信感のあった博士が、捕虜から、話を聞くと、
大体のことが分かった。
「まさか、我々の国家が、そんなことをしていたなんて」
とにわかには信じられないと思ったが。
そもそも、
「捕虜はすべて殺せ」
というのは、理不尽だ。
確かに有毒なのかもしれないが、彼らの研究室くらいであれば、それくらいの有毒なら、何とでもなるのであった。
だからといって。
「国家に逆らう」
というのもできないだろう。
それを考えると、政府は、
「どうしていいのか、正直分からない」
というところまで来ているのであったのを、研究所も何とか分かるところまでは来たのだが、本質的なところが分からなかった。
「政府もそこまでは分かっていなかったのだ」
ということであったが、それでも、何とか捕虜から聞き出すことで、分からなかった部分が分かってくる。
「本当は、話し合いをすべきなのだろうが、ここまでくれば、そうもいかない」
と研究所は考えて、
「とにかく、相手を先頭不能に追い込み、そこで、話し合いに持ち込むしかない」
ということになった。
こうなると、
「勧善懲悪」
などというのは、一体どこに行ったということになるのだろうか?
ということである。
明らかな、
「迷走」
であることに変わりはなく研究所だけではなく、国家と、地下帝国。それぞれに、それこそ、この、
「合体ロボットのテーマ」
ともいえる、
「三者三葉の関係」
つまりは、
「三すくみなのか?」
あるいは、
「三つ巴なのか?」
という関係になってくるということではないだろうか?
ただ、このアニメの発想とすれば、
「三つ巴は仕方がないが、三すくみはまずいだろう」
ということであった。
というのは、
「資源の限界」
ということ、お互いにエネルギーの共存ができないということで、自分たちが助かるには、
「一刻も早く相手を撃滅することだ」
ということであった。
しかし、地底帝国はそうではなかった。
彼らの科学力は、
「地球人類が加工するエネルギーをこちらに来ると元に戻せるということができるマシンを開発していた」
もちろん、彼らにも限界はあるが、それは、人間の限界よりも、はるか先のことであった。
となると、人類の加工する機械の開発を止めるだけで、
「人類を滅亡させられる」
ということであった。
だから、
「地上の人間からすれば、全面戦争しかない」
ということであったが、
「地底帝国からすれば、持久戦で、ただ、相手が開発したものを壊すだけでよかった」
ということだ。
しかし、これが、
「地底帝国にとって、有利だということであった」
なぜなら、
「相手は神出鬼没でもよかった」
ということだからだ。
相手は、どこからともなくやってきて、兵器を壊してさえいけばいいのだ。
地底帝国は、異次元の世界も自由に行き来できる能力があり、さらに、透明化というものできた。
だから、人間には相手の根拠はおろか、前線基地も見つけることができず、まるで、
「見えない相手と戦っている」
というだけだった。
確かにレーダーには映るが、それでミサイルを撃ち込んでも、相手はどこにもいないということで。もう、勝機は、
「接近戦しかない」
ということであった。
それを研究所の方だけが分かっていて、
地球防衛軍は、あくまでも、ミサイルによる、遠隔攻撃しかしなかった」
いや、
「しなかったわけではない、できなかったのだ」
やはり、研究所の合体ロボットに頼るしかないということになるのだろう。
しかし、研究所の方でも、
「すべての事実」
を知った以上、同情が湧いてこないわけはないだろう。
中には、
作品名:いたちごっこのフレーム問題 作家名:森本晃次