いたちごっこのフレーム問題
最初は、
「いずれ、異常気象によって、南極の氷が溶ける」
ということで、
「陸の水没」
というものの懸念だけであったが、今ではそれどころか、
「暑さのため、人がバタバタと死んでいく」
というシナリオになっているということであった。
もっといえば、
「今の世の中、いつ死んでもおかしくない」
と、それが、
「誰にでもいえることだ」
ということで、今までほとんど、考えることのなかった。
「自然災害による死」
というものが、目の前に見えてきたということであった。
本当であれば、
「地球温暖化」
であったり、その元々の、
「資源の限界」
というものに対して。
「新たなエネルギーの発見や、開発」
ということが行われてしかるべきなのに、
「ケチる」
ということに舵を切ってしまったのかハッキリは分からないが。実際に、目の前のできごとを、一つずつ解決しなければいけなくなったことでの方向転換なのかも知れない。
しかし、
「平行で研究すればいい」
ということなのだろうが、政府が嫌がっているのかも知れない。
「これ以上、国の金を使うことは、甘い汁を吸っている自分たちに、その金が回ってこない」
ということになる。
それを考えたのが、このアニメであった。
このアニメは、今から40年くらい前のものだったのだが、まさか、その発想が、今の世界でフラッシュバックされたかのようになるとは、誰が想像したことだろう。
そもそもが、このアニメが、
「未来への警鐘」
というものを鳴らしていたのに、今の政治家は、年齢的に、このアニメの世代が、ちょうど、自分たちの世代だったくせに、その教訓をまったくもっていなかったということであろう。
つまり、
「自然エネルギーが、いずれはなくなる」
と分かっていながら、何ら対策を打ってこなかったのだ。
政治的には、目の前の、
「東西冷戦」
であったり、今のような、
「ゲリラ」
に対する備えであったり、
「新興超大国の台頭」
などによる、世界情勢の不安定さが、
「エネルギー問題」
だけではない、もっと切羽詰まった問題だった」
ということで、言い訳をするだろう。
確かにそれも言えるが、だからといって、平行で考えるということができないわけではないだろう。
それが分かっているのに、そちいらの方は分かっているくせに、完全に後回しだ。
「予算がない」
というのがその言い訳であるが、本来なら、
「こういう時のために、予備費というものがあるはずだ」
ということのはずが、まるで、昔のアニメのように、政治家が、
「自分たちの甘い汁がなくなる」
ということを恐れて、できることをしてこなかったことが、今のような、
「自然災害」
であったり、
「地球沸騰化」
というような、非常事態を招いたのだ。
何度でもいうが、
「結果として、なっていたことなのかも知れないが、少なくとも、もう少し、何とかなるだけの状態だったことだろう」
といえる。
逆にいえば、
「いまさら遅すぎる」
という部分も結構あり、あとは、
「いかに滅亡を遅らせるか?」
ということになるとしか言えないだろう。
そんな世の中が今から40年前にいわれるようになり、
「似たような、プロローグのロボットアニメ」
あるいは、ロボットに限らないアニメが開発され、どんどん売れたり、映像化されたりしたというのは、実に皮肉なことだ。
それが分かっていながら、何もしない政府、それが、
「民主主義」
というものの正体だ。
「では社会主義ならよかったのか?」
と、考えられるが、
「社会主義であれば、もっとひどいだろう」
ともいえる。
社会主義は、国家が、
「平等」
という介入をするだけで、あとは、いかに、
「自分たちの独裁を守るか?」
ということしか考えていない。
「下手をすれば、自分たちさえよければそれでいい」
ということではないだろうか。
これは全世界での共通した考えであろうが、いくら、口では、いいことを言っても、やっていることは、
「どうせ、俺たちが生きている間は、安泰だ」
という気持ちがあるからだろう。
資源問題だけであれば、普通に考えて、数十年は大丈夫だろう。
「自分たちの子供、いや、孫の代」
くらいになると危ないだろうが、そうなると、その世代の人間が考えればいい。
というのが、それぞれの国家元首や、政治家の考え方であろう。
そのロボットアニメの場合は、そんな未来を予見していた。
そこで、民間の研究室がたくさんできて、
「人類の未来」
のために、
「持続性のあるエネルギーの開発」
ということで、模索している時代だったが、
一つの研究所が、新しい資源を、発見した。それは、宇宙からの無数にやってくる、一種の、
「宇宙線」
というエネルギーであった。
これはそのままだと、人体には有害なので、それを加工する形で、地球が取り込むというマシンを開発していたのだ。
しかし、地球にいる別の高等生物、地中で人知れずに平和に暮らしていたのだが、
「その宇宙線をエネルギーにしていた」
ということであった。
彼らからすれば、
「加工されてしまうと、自分たちが生きることができなくなる」
ということで、出てきた答えは、
「これまでの共栄を捨てて、人類の滅亡を図る」
ということであった。
その情報を聞きつけた博士は、
「地底勢力と戦うため」
ということで、巨大ロボットを創造した。
しかも、相手は、
「地中で蔓延っている連中」
ということだ。
調査してみると、彼らも、
「巨大ロボットを駆使して、攻めてくる」
ということであり、その性能は、
「陸海空」
に万能なロボットであった。
人類も、一体のロボットで、
「陸海空」
を制覇できる、
「万能ロボット」
を作ればいのだろうが、どうもそんな暇もないということで、
「陸海空に特化できる、合体ロボット」
というものを開発したのだ。
その間に、他のロボットを開発しようとも考えたが、
「それよりも、この戦闘ロボットの、量産体制というものが急がれる」
ということが、急務だったのだ。
実際のこのロボットは、かなりのエネルギーを持っているようで、地底帝国の敵とも、対等に戦えていた。
そもそも、人類にての、
「ロボットによる戦争」
というのは初めてだったので、
「劣勢もしょうがない」
といえた派、それは相手も同じことで、そもそも、地上の連中と、一線を構えるつもりは最初はなかったのだ。
しかし、彼らが、
「地表の人間と、共存はできないかも知れない」
と考えるようになったのは、今に始まったことではない。
というのは、その原因というのが、
「東西冷戦時代」
にさかのぼるのだ。
その頃の代名詞といえば、
「核開発競争」
ではなかったか。
つまりは、その時代の途中で、
「核の放射能はあなどれない」
と、いまさらながらに気づいた人類は、その核実験の場を、
「地下に求めた」
ということであった。
いずれは、
「宇宙空間」
作品名:いたちごっこのフレーム問題 作家名:森本晃次