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人を呪えば穴二つ

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 ストーカー問題は、本当に今に始まったことではなく、下手をすれば、相当昔からあったことなのだろう。
 さらに、
「男女雇用均等法」
 という問題になると、そのせいなのか、
「いってはいけない」
 というような、一種の、
「放送禁止用語」
 というような類のものがあるではないか。
 本来なら、別に問題のないことであっても、慣習として、
「いってはいけない」
 ということになってしまっているようなことである。
 これが、身体的な差別用語であれば、
「倫理的にまずい」
 ということになるのだろうが、
 それ以外のことで、一ついえば、
「大東亜戦争」
 なども、まずいということになっているが、何がまずいというのだろうか?
 元々、あの言葉は、戦争が始まる時、それ以前の、シナ事変から合わせて、
「大東亜戦争」
 という言葉で、閣議決定されたのだ。
 しかも、その理由が、戦争の大義名分であり、スローガンであった、
「大東亜共栄圏」
 というものの建設を目指したものだったのだ。
 そもそも、
@大東亜共栄圏」
 というのは、
「当時の東アジアが、欧米列強から、植民地支配を受けていたので、そこから東アジアを解放し、そこで、アジア独特の、協和による新秩序の建設という意味での、大東亜共栄圏というものの建設」
 という意味で、
「八紘一宇」
 というスローガンにて、他民族も、兄弟であるかのような秩序を考えていたのが、
「大東亜共栄圏」
 というものだったのだ。
「大東亜戦争」
 という言葉は、その大東亜共栄圏建設のために、まずは、アングロサクソンをアジアから駆逐するということが第一の目的だったのだ。
 だから、大東亜戦争という言葉を使うと、
「植民地支配をしていた自分たちを駆逐する」
 という大義名分だったので、
「戦争の大義が日本にある」
 ということになっても、国際裁判などでは、裁く理由がなくなってしまう。
 だから、
「勝てば官軍」
 ということで、
「敗戦国である日本に、大義名分を残さない」
 ということで、占領下では、
「大東亜戦争」
 という言葉の使用は禁止されたのであろう。
 結局、
「戦争犯罪人」
 という形で、裁判が行われ、日本の統治が終わると、基本的には、
「大東亜戦争」
 という言葉を使ってはいけないということはなくなった。
 しかし、左翼団体なのか分からないが、
「日本は、戦争に負けた国で、戦争を引き起こしてはいけない」
 ということから、過去の事実をもみ消そうという意志からか、今でもなぜか禁句のようになってしまっている。
「実際に戦争があった事実と、そのスローガンまで忘れてしまっては、完全に本末転倒ではないか?」
 ということになるのではないか?
 尊属殺人のように、
「昔はあったが、今はない」
 という法律の中に、あたかも、
「男尊女卑」
 という発想が絡んでいたというものがあった。
 これは、戦後になって刑法から、削除されたものであった。
 この法律は、実は、昔は、
「ほとんどの国に存在した」
 といってもいい法律であった。
 という意味で、
「法律から削除されたのは、日本が結構早かった」
 といってもいいだろう。
 ただ、これは、
「日本という国が、民主化したことで、すぐになくなった」
 といってもいいが、逆にいうと、
「それまでがひどかった」
 といってもいいかも知れない。
 その法律というのが、いわゆる、
「姦通罪」
 と言われるものであった。
「姦通」
 つまりは、
「婚姻している人が、他の異性と関係を結んだ」
 ということで、一種の、
「浮気」
 であり、
「不倫」
 というものである。
 ただ、不倫というものすべてを法律で裁くのであれば、いいのだが、日本の姦通罪というものは、一種の、
「片手落ち」
 といってもいいだろう。
 あきらかに、
「男尊女卑だ」
 と言われても仕方のないことであり、ということは、
「男性が姦通した場合には、罪にはならないが、女性が姦通した場合には罪になる」
 ということだったのだ。
 これはさすがにあまりにもひどい法律である。
 大日本帝国において刑法が成立してからずっとあったものだろうから、それこそ、半世紀以上存在した法律といってもいいだろう。
 だから、
「民主国家になったから、削除された」
 というか、
「こんな法律が存在するだけで、民主主義というのがおこがましい:
 といえるほどではなかったか。
 実際に、他の国でも、時代が進むうちに、
「時代がそぐわない」
 ということで、
「削除対象になり、消えてしまった法律だ」
 といってもいいだろう。
 2000年近くまで、まだそんな法律が存在していた国もあるくらいなので、国によっては、
「民主主義といっておいい加減なものだ」
 と思うかも知れないが、女性だけに適用されるというような、男性にだけ都合のいい法律は日本だけだろう。
 そうなると、
「逆に、この法律は、正しい」
 といえるのではないだろうか?
 どうして、削除になったのか分からないが、日本と同じように、他の国も、
「民事不介入だ」
 ということであろうか。この事件は刑事というよりも、民事に近いような気がするので、どこまでが問題なのか、曖昧な気がしてくるのであった。
「人を殺して逃げている人がいる」
 という話を聞いた。
 女人がどんな人なのかということを、街の人は、ニュースを見て、
「怖いなぁ」
 と呟いてが、それだけである。
 気にはなっているのだろうが、実際に恐怖はそこまでない。その状況は感覚がマヒしているのか、それとも、
「オオカミ少年」
 のような感覚なのだろうか?
 殺されたのは、20代の女性で、どうやら、
「元カレ」
 という男に殺されたという。
 女の人は、自分の部屋のベッドの上で殺されていたようだが、
「顔見知りの犯行であることには間違いない」
 ということであった。
 警察は、さっそく、捜査本部を設け、殺人事件として捜査していた。
「胸を刺されて死んでいて、凶器は胸に突き刺さったまま、その凶器からは被害者の指紋しか検出されなかったのだが、それは、苦しみから、ナイフを抜こうとしたのか、掴んだまま絶命していた」
 ということのようだ。
「殺害されている様子を見ていると、被害者に対して、かなりの恨みを持っている人間ではないかと思えますね」
 と捜査員の一人である、桜井刑事が報告した。
「どうしてそう思うんだ?」
 と聞かれて、
「かなり胸を深くえぐられている上に、それでも、またこねくり回すかのように、しているんです。絶命だけが目的なら、そこまではしないと思うんです」
 というと、
「なるほど、しかし、犯罪に素人な人間だったら、そこまでしないと絶命しないと思うんじゃないか?」
 と本部長がいうと、
「そうかも知れませんが、鑑識の人の話では、えぐっている時、すでに絶命している可能性は高いとのことでした」
 という。
「なるほど、そういうことか。それなら分からなくもないかな?」
 と本部長も考えた。
 この事件は、先日に発生したことで、通報があったのが、深夜くらいのことだった。
作品名:人を呪えば穴二つ 作家名:森本晃次