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歴史の答え

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「お金を持っている」
 という人であれば、黙っていはいない。
 これが、芸能人や有名人であれば、バックに、反政府組織のような連中がいたりして、中には、
「トラブル解決部隊」
 のようなものがあり、
「お金さえ出せば、いくらでも、解決してくれる」
 という人に頼むと、美人局側は、
「完全に終わりだ」
 といってもいいだろう。
 被害者側は、
「社会的立場があるから、金を出したのだが、金があって社会的立場がある人はそれを守るためには、何をするか分からない」
 ということを分かっていないのだ。
 完全に、
「手を出してはいけない相手に、手を出した」
 ということになるのであった。
 加害者の敗因は、
「金を持っているから、立場を守るために、金を出す」
 という単純な発想しかないことであった。
 金を取られる方だって、それまで、努力も何もせずに、金持ちになったわけではない。
 それこそ、どこぞの政治家というわけではないので、
「親の七光り」
 であったり、
「政治家の息子」
 ということで、まわりが、ちやほやしてくれるというわけでもない。
 自分で這い上がってきた人たちであり、特に、人との付き合い方であったり、世渡りの方法、さらには、金の使い方というのもある程度は分かっているだろう。
 ただ、今回は、
「魔が差した」
 ということなのか、それとも、
「有頂天になっていた」
 ということなのか、そういう意味では、加害者側が目を付けた相手に、
「狂いはなかった」
 といってもいいかも知れない。
 しかし、
「やり方がまずかった」
 ということである。
 というのも。いくら魔が差したといっても、自分の立場を守るためには、
「金にものを言わせる」
 ことくらいはできる連中だということであろう。
 要するに、
「チンピラがやくざに喧嘩を売ったらどうなるか?」
 ということで、それこそ、無鉄砲などという生易しいものではなく、
「自殺行為」
 といってもいいだろう。
 それこそ、相手は金をもらっているわけだから、何をするか分からない。
 何といっても、
「利害関係の何もない連中であるから、事情を知っているわけでもなく、もっとも、事情を知っていたとすれば、もっとひどい目に遭うのだろうが、そんな連中が相手なのだから、容赦ないことくらいが分かっていないということは、どれだけ、加害者の連中は、バカなのか?」
 ということになるのであろう。
 お金というものが、いかに大切なものであるかということを考えると、
「被害者としては、こういう時のためにお金を使う」
 ということを、身に染みて分かったということだろう。
 だから、この場合は、
「痴漢冤罪」
 に比べれば、お金もたくさん取れるだろうし、計画性があるということで、
「しっかりしているように思えるが、そのわりに、リスクも大きいということに、意外と気づかないものだろう」
 というのは、
「策を弄する人間は、自分がやることには、ピンとくるのだろうが、自分がやられるということに対して、まったく気づかない」
 といえるだろう。
 だから、
「昔はよく聞いた。美人局という犯罪であるが、最近では、めっきり聞かなくなった」
 といえるだろう。
 ドラマなどでも、チンピラが
「美人局」
 などをやって、縄張りあらしのようなことをしてしまって、
「ちょっとした問題になった」
 などというのは、よく聞いたものだが、今では本当に聞かなくなった犯罪だったのだ。

                 タイムリープ

 SF小説などでよく聞くこととして、
「タイムトラベル」
 というものがある。
 一般的には、
「タイムマシンに乗って、過去や未来に行く」
 というものであるが、中には、タイムマシンというものを使わなくても、
「ワームホール」
 というものが存在し、そこに入ることで、タイムトラベルができるという、一種の、
「タイムトンネル」
 のようなものだった。
 タイムトラベルというと、
「何かのアイテム、ワームホールやタイムマシンのようなものを使った、自分が、そのまま他の時代に飛び出す」
 というものであった。
 これには、
「タイムパラドックス」
 というものが存在し、
「同じ人間が、同じ時代に存在している」
 ということになり、
「歴史を変えてしまう」
 という問題を引き起こすことになるのだ。
 しかし。これはあくまでも、
「過去に行った場合」
 ということであり、未来の歴史が変わったとしても、最初に未来に着いた時点では変わりはないのだから、今の自分に影響するということはない。
 だから、
「タイムトラベルで問題になるのは、過去に行くという場合のことである」
 それが、一種の、
「タイムパラドックス」
 というものの、一つの例
 ということになるだろう。
 その、
「解決法」
 というか、説明するための、理屈として考えられるものに、
「タイムリープ」
 という考えがある。
 これはたぶん、SF小説などの発想から出てきたものではないかと思うのだが、これは、
「自分が何かのアイテムを使って、過去や未来に行く」
 というものではなく。
「自分の魂が、肉体から離れ、タイムスリップを起こすことで、その時代にいる自分に憑依する」
 というものである。
 ということは、
「その時代に、自分が存在しないといけない」
 という理屈になるので、
「生まれる前」
 ということはありえない。
 タイムパラドックスでよくいわれる、
「自分が生まれるのを邪魔すれば、自分が生まれてこない。生まれてこなければ、タイムマシンで過去に行くこともなく、歴史が変わらない。ということになると、自分が生まれてくるので、タイムマシンで過去に向かう……」
 ということになり、
「歴史が変わってしまう」
 ということになるのだ。
 ということを考えると、
「タイムリープというものは、過去にしかいけない」
 ということを自動的に証明していることになるわけである。
 そんな、
「タイムリープ」
 という考え方であるが、
「過去には行けるが、未来には、本当にいけないのだろうか?」
 と考える。
 ただ、一つ言えることは、タイムリプを行うという意味とすれば、
「この時代の、この時からやり直したい」
 という思いが最初に来るだろう。
 ずるい人からすれば、
「競馬や競輪などのギャンブルで、結果が分かっていることであれば、過去に戻って、その結果通りに馬券を買えば、必ず儲かる」
 というわけである。
 万馬券であれば、下手をすれば、10万円買ったとすれば、数千万円である。
 もちろん、
「何か怪しい」
 と思うかも知れないが、中身は別にして、外見は同じ人なのだ。
 中身だって、まったく違う人ではなく、
「未来の自分」
 なのだから、自分であることに変わりはない。ただ、
「未来が過去になっている」
 というだけのことである。
 時系列というのは面白い。自分たちは現在という軸を中心に、まるで、モグラが地底を掘って進むかのように、
「未来が現在になり、現在が過去になる」
作品名:歴史の答え 作家名:森本晃次