小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

歴史の答え

INDEX|11ページ/17ページ|

次のページ前のページ
 

「昔、SF、あるいは、ホラーの類となるのか、フランケンシュタインという話があった。この話は、フランケンシュタインという博士は、理想の人間を作ろうとして、怪物を作ってしまったという話であり、そのために、人間のいうことを聞かないどころか、人間に危害を加えるということになれば、それは、本末転倒なことであるということであった」
 だから、そんなロボットを作らないようにということで、今から半世紀ほど前のアメリカ在住の、SF作家の人が、自分の、
「小説のネタ」
 として、
「ロボット工学三原則」
 というものを提唱したのだ。
 これは、一種の今でいう、
「人工知能に埋め込むべき。チップのようなものだ」
 三原則を、ロボットの生存理由ということで組み込んでおいて。
「絶対にそれに違反しないように、プログラミングしておく」
 という考え方である。
 その三原則というのは、
「人間に危害を加えない。もし、人間が危険に陥った時は、身を挺して、人間を助ける」
 ということ。
 二つ目は、
「人間のいうことには必ず従う」
 ということ。
 そして三つ目は、
「自分の身は自分で守らなければならない」
 ということである。
 そして、この三つの原則は、最初の項目から優先順位が高いものとしてプログラミングされなければいけない。
 なぜなら、
「どちらを優先すべきか?」
 ということで悩んだ時、そのすべてを、人間のためになることでなければならないという理屈であった。
 たとえば、
「いくら人間の命令を聞かなければいけないといっても、その命令が、誰かを殺せということであれば、人を傷つけることになるわけで、そうなると、殺人ロボットができることになり、それこそ、フランケンシュタイン症候群になってしまう」
 ということだ。
 だから、三原則を提唱し、組み込んだうえで、
「いかに、その優先順位を遵守できるか?」
 ということが問題となるのだ。
 それを考えると、
「これが、三つであるだけに、三すくみになりはしないか?」
 と考える人がいても無理もないことだが、今のところ、そのことへの問題はなさそうだ。
 ただ。まだ、ロボット開発ができていないのには、もっと他に、
「致命的な問題」
 というものが潜んでいるのではないか?
 ということになるであろう。
 まさしく、その通りで、その問題というのが、
「フレーム問題」
 というものだ。
 この問題にかかわってくることとして、
「無限」
 というものに、
「可能性」
 というものがかかわってくることで、ロボット開発は、
「リアルなところで、頓挫しているのだ」
 ということになるのだった。
 というのも、
 ロボットの人工知能というのは、明らかに、
「生身の人間の脳」
 とは違っているのだろう。
 たとえば、
「何か命令を受けて、次に自分がすることを、普通であれば、考えて行動するであろう」
 というのも、
「最初にどっちの足から踏み出すか?」
 などということを言われるだろう。
 つまり、
「何かの行動をする時、必ず、その一瞬一瞬で、判断を必要とする」
 ということである。
 そして、その判断材料として存在しているのは、
「考えられるべき可能性」
 ということになる。
 ロボットも、その可能性を人間なみに考えられるとすれば、問題は、その可能性を、
「いかにして絞ることができるか」
 ということである。
 つまり、どういうことかというと、
「人間であれば、可能性というのは、無限にある」
 ということを理解しているだろう。
 そして、実際に考えられる可能性はたくさんある。人間に限らずであるが、生き抜くには、その可能性というものを、
「間違えない」
 という必要があるということになるだろう。
 間違えてしまうと、
「自分が危険に晒されたり、自分が誰かを危険な目に陥れるようなことになるに違いない」
 人を傷つけてしまうと、
「自分が、裁かれる」
 ということも分かっている。
 だから、
「人を殺めてはいけない」
 ということや、
「人を傷つけてはいけない」
 と考えるのだ。
 もちろん、
「罪になるから」
 というだけで人を傷つけないだけではない。
「人間としての、倫理であったり、道徳のようなもの」
 あるいは、
「人間としての、情」
 というもの。
 それらのことが、影響しているのだろう。
 しかし、ロボットには、倫理や道徳というものを組み込んでも、実際に理解できるかどうか、少なくとも、人間社会で生活をしたことがなければ、分かるはずのないことだ。
 それは、
「人間の情」
 というのにも言えることで、人間は、それを生活しながら、自然と覚えていく。
 つまりは、少なくとも、ロボットの人工知能というものは、
「自分で学習をする」
 という機能が備わっていないといけないことになる。
 しかも、人間が生まれてから徐々にはぐくんできたものを、いきなり備えているということがあり得るのかどうか、その問題がかなり大きいといってもいいだろう。
 ロボットの、人工知能で、まず考えることとして、
「無限の可能性を、有限にする必要がある」
 ということで、少なくとも、
「考えることができる土壌を作ってあげなければいけない」
 ということになるのだ。
 そのための発想として考えられるのが、
「フレームに当てはめる」
 という発想である。
「たくさんある可能性を、いくつかのグループに分け、そのパターンに沿ったものを割りさすことで、少しずつ、可能性を絞っていこうという考え方
 であった。
 しかし、この可能性というものがある意味、
「不可能だ」
 ということは、
「数学」
 という公式に当てはめると分かってくることであった。
 というのは、
「そもそもが、無限というものである」
 ということは、
「無限から何かを割る。つまりパターンで分ける」
 ということになるわけだが、
 これは、元が無限であるということになると、不可能であることに気づくことになる。
 というのは、
「無限からは、何で割ったとしても、求められる答えは、無限でしかない」
 ということであった。
 それでは、
「限りなく無限に近いものだ」
 と考えれば、
「フレーム問題」
 というものには、抵触しないのではないだろうか?
 ということだ。
 世の中には。
「限りなく、無限に近い」
 あるいは、
「限りなくゼロに近い」
 というものがたくさん存在し、
「無限だ」
 あるいは。
「ゼロだ」
 と思っているものは、本当に存在しないものではないだろうか?
 と考えれば、
「フレーム問題」
 というものは、解決するということになるだろう。
「限りなくゼロに近い」
 というものは、いくつか考えられる。
 これは、
「無限」
 という発想に、大いにかかわっているものであり、その発想として、
「合わせ鏡」
 というものであったり、
「マトリョシカ人形」
 というものが考えられえるのだ。
「合わせ鏡」
 というのは、
「自分を真ん中において、その左右、あるいは前後に自分を映し出す鏡というものを置くのだ」
 というものである。
 分かりやすくするために、
「鏡を前後に置く」
作品名:歴史の答え 作家名:森本晃次