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時系列矛盾の解消

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「時には自分は10分前の女になり、時には10分後の女になる」
 ということであり、
「その意識は、自分が10分後の女だということになれば、その感覚は変わらない」
 ということになるのだ。
 つまりは、
「絶えず自分は、前後のどちらかということに変わりはない」
 ということである。
 だから、この流れの小説や、それに近い話があったとしても、その根底は変わりがないだけで、実際に行きつく先は、バラバラである。
 ただ、同じ道を歩んでいるのは同じことであり、
「元々のスタートから見れば、どちらも、延長上にしかない」
 ということになるのだろう。
 それを考えると、
「テレビドラマの方は、二番煎じ」
 という感覚が強かった。
 これもある意味、どちらかが、
「10分先を歩いている自分」
 ということになるのだろう。
 どこからどこまでが、
「繰り返している部分なのか?」
 ということを考えると、
「同じ日を繰り返している」
 という小説もいくつかあるが、
「元は同じところから始まっている」
 といっても過言ではないだろう。
 坂上は、そんな小説とドラマを思いだしていると、
「意識と記憶」
 というものを絶えず意識していることに気づくのだった。

                 大団円

 最初は、そんな10分先を歩く人間というものを意識したことがなかったが、最近、SFなどでよく言われるようになった、
「タイムループ」
 という言葉を思い出した。
「タイム」が付く現象をつかさどる言葉で、時間を操るSFチックな言葉に、以前であれば、
「タイムスリップ」
 くらいであったが、最近では、似た現象として、
「タイムリープ」
 であったり、今回の、
「タイムループ」
 というものがある。
「タイムリープ」
 というのは、タイムスリップとは違い、タイムスリップが、
「時間というトンネルを、自分の身体と精神がそのまま、過去や未来に行くことで、そのために、タイムマシンというものを使う」
 ということである。
 しかし、このタイムスリプというものには弱点があり、それは、
「タイムパラドックスを引き起こしてしまう」
 というかが枝。
 つまりは、
「時間を飛び越えることで、もう一人の自分と合ってしまう」
 ということであったり、
「過去にいくことで、歴史を変えてしまう」
 ということであった。
「過去の歴史を変えてしまうと、時系列で考えた場合、現在も変わってしまうということになるので、そももそも、自分が存在しているか分からない」
 ということである。
 これが、
「タイムマシンを開発できない」
 という根本的な理屈であり、もちろん、科学的に無理なのかも知れないが、できたとしても、このパラドックスを解決できないと、タイムマシンの実用化は、不可能となるのであった。
「タイムパラドックス」
 というのは、
「過去を変えてしまう」
 ということが一番の理屈で、たとえば、
「過去の自分をもし、歴史を変えることで、生まれなくしたとすると、生まれてこない自分が過去に行って、歴史を変えることはできないので、変わらなかった歴史として、自分が生まれてきてしまう。すると、自分が過去に行って歴史を変えると……」
 という理屈が、無限ループする形になるのだ。
 それが、
「タイムスリップ」
 というもので、次に考えられることとして、
「タイムリープ」
 というものがある。
 この考え方は、
「過去のことを知っている自分の肉体以外の精神や、魂が、肉体から離脱して、時間をさかのぼり、過去の自分に、
「憑依する」
 というのが、
「タイムリープ」
 である。
 したがって、タイムリープの理屈は、
「過去にさかのぼる」
 ということしか考えていない。
 もちろん、未来の自分にいく、
「タイムリープ」
 というのも、存在するわけだが、
「物語としてのタイムリープというと、どうしても、過去ということになる」
 ということである。
 つまりは、
「自分の今の記憶をもっていくわけだから、未来に行っても意味はない。過去に行って、今まで知らなかったはずの未来を知っている」
 ということがキーとなるからだ。
 そして、ここで重要なのは、
「タイムパラドックス」
 というものの矛盾を解決する方法。
 ということである。
 というのは、
「過去の自分と会って、自分の歴史を変えてしまう」
 ということがなくなるわけだ。
 確かに過去に行って歴史を変えたとしても、その歴史は、過去の自分本人によって変えられるものなので、歴史が変わることはありえない。もっといえば、
「そもそも、自分に憑依するということなので、自分が生まれる前にタイムリープするということがありえないわけだ」
 しかも、
「自分に乗り移るわけなので、自分を殺す。つまり自殺でなければ、歴史が変わるということはない」
 といえるのではないだろうか?
 タイムリープというのは、そういう意味で、
「人生をやり直す機会を与えられた」
 といってもいいかも知れない。
 さらに、今度は、
「タイムループ」
 というものだが、
「同じ日を繰り返している」
 などというSF小説があったりするが、繰り返してしまうように、
「本当は明日になってほしいのに、明日が来ない」
 という、スピリチュアルな感覚に陥るものであったり、逆に、
「タイムリープ」
 を何度も繰り返すことができるという発想であるが、これは、ある意味、
「回数が決まっている」
 ということで、タイムリープと、
「どっちが得なのか?」
 ということを考えると、発想が難しかったりする。
 ちなみに、
「タイムリープ」
 というものが過去に限られる。
 という発想であるが、
「これは、現在から未来に飛んだ時、その間の記憶はどうなってしまうのか?」
 ということが考えられるからである。
 そんな、
「未来へのタイムリープ」
 というものを考えたりしたのだ。
 そして、今回の自分が、
「宝くじが当たった」
 という実に都合のいいことに遭遇したわけだが、今まで、
「パチンコばかりをしていて、まったくお金の使い方を分かっていない」
 ということで、宝くじが当たって、うれしいはずなのに、どうも、気持ちがすっきりしない。
 やはり、
「お金の使い方が分からない」
 ということが、自分にとって、
「ろくでもないことだ」
 ということを分かっているからであろう。
「これが夢だったらいいのにな」
 と感じたのも、無理もないことだ。
 宝くじが当たって、あぶく銭が手に入ってしまうと、
「これから社会人になって、頑張っていこうと思っている」
 という気持ちを寸断する形になるのではないだろうか。
 それこそ、
「タイムリープして、競馬などで、何を買えばいいのか?」
 ということを分かっていれば、
「必ず当たる」
 ということで、
「ズルをして、金を儲ける」
 ということになるわけで、それが、
「お金を儲けるという夢を見るために、見た夢だ」
 といってもいいかも知れない。
 これも、一種のループである。
 ただ、そんなループを考える時、
「時間というものに、大いなる矛盾」
作品名:時系列矛盾の解消 作家名:森本晃次