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一人三役

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「次の選挙はあんたが総裁では勝てない」
 ということで、元老といってもいい長老たちが、他の人を推すことになれば、もう八方ふさがりということになり、
「もう、どうしようもない」
 ということで、
「次回の総裁選に出馬しない」
 ということになり、結局、
「他の人がソーリになる」
 ということで、結局、
「どんどん、ソーリになる人の質は、落ちまくっている」
 ということになるのだ。
 何といっても、
「ソーリのような権力を持つと、舞い上がってしまう」
 ということなのか、要するに、今の時代に、
「ソーリの器」
 に収まることのできる人など、どこにもいないということであろう、
 しかも、その、
「質の低下」
 というのは、野党にも言えることで、
「こんな与党が、穴だらけの政治をしているんだから、今なら野党が勝てるかも知れない」
 というときに、野党内部で、分裂が起こったり、していることで、せっかくの
「政治を正す機会が失わる」
 ということである。
 国民もそんな体たらくな野党を信用できるわけがない。
 そうなってしまうと。
「まだ、政府与党の方がいいか?」
 ということになり、結局、まただまされて、次の選挙まで、
「今度のソーリの好き放題」
 ということになる。
「支持率が下がれば、金をばらまく政策を打てば、やってますアピールにもなって、支持率も稼げる」
 と本気で思っているのが、ソーリだというのだから、
「へそで茶を沸かす」
 といってもいいだろう。
 商店街も、まともにそんな状態を受け止めてきた。
 確かに、ギリギリのところでやっているのだが、他の人たちのように、
「いきなり危機がやってきた」
 というわけでなく、
「今までも、幾度にわたって、危機を乗り越えてきたのだがら、他の連中に比べれば、修羅場はくぐっている」
 ということで、
「ギリギリ持ちこたえることができる」
 という自負があった。
 そういう意味で、節約をしたり、いろいろな手を講じてきたことで、何とかなっていた商店街だったが、その商店街も、さすがに、
「最初の緊急事態宣言」
 の時には、かなり疲弊はしていたのだった。
「もうヤバいかも知れないな」
 と言われていたが、それでも、
「政府がいうのだから」
 ということで従っていた。
 ただ、元々、半分くらいの店は日ごろから閉まっていたので、
「閑古鳥は、ずっと鳴いていた」
 ということだったのだ。
 だから、珍しい光景ではなかったが、それでも、世間で、この宣言中に、
「空き巣被害」
 というのが、社会問題になっている。
 ということだった。
 繁華街の雑居ビルのようなところで店舗を張っている人は、店をそのままにしての、休業である。
 普段からそんなに、防犯に関しては、
「夜に店が開いている」
 ということで、
「普通の泥棒なら、真昼間から入るということはないだろう」
 と考えられるので、
「それほど防犯に気を遣っていることはないだろう」
 ということであった、
 というのも、ビルに入るのに、吹き抜けであり、店舗のカギさえ開けられれば、入れるということであり、それほど防犯に気を遣っていないので、
「電子ロック」
 のような鍵であれば、なかなかピッキングも難しいであろうが、普通のカギなら簡単に開けれる、
 そんな意識しかないところだから、防犯カメラがあるのかどうか、それも怪しいものだった。
 だからこそ、
「泥棒に狙われる」
 ということで、緊急事態宣言中に、ちょっとした社会問題となり、まるで新選組のように、
「店舗見回り隊」
 というようなものを、店主が当番で、見回っているというのが、現状だった。
 今の時代は、警官の数も減ってきているので、そんな繁華街全部を見回るのは不可能というものだ。
 何といっても、交番も、
「いくつかの町に一つしかない」
 という程度になり、常駐で勤務も二人くらいという、
「そんなに減らして、治安が本当に平時であっても、守れることなどできるのだろうか?」
 ということであった。
 この商店街も例外ではなかった。
 店主で組織した、
「新選組」
 といってもいいように、法被を着ての、見回りだった。
「泥棒なんて許さない」
 ということで、昼夜を問わずの見回りだった。
 個々の店主は、すでに、金目のものは、持ち去っているが、在庫として抱えているものをそんなにたくさん持ち帰ることもできず、
「それが狙われたのであれば、しょうがない」
 という覚悟はあったが、それはあくまでも、
「泥棒許しまじ」
 という感覚である。
「あわやくば、捕まえることができれば御の字」
 ということでのパトロール」
 であった。
 だが、そのうちに、
「まさかこんなことになるなんて」
 ということで、皆が震撼するような出来事が起こった。
 それは、見回りをするようになってから、約一週間というものが経ってからのことだった。
 それは、ちょうど、松崎が、
「パトロール隊長」
 を務めていた時で、
「まさか俺が、第一発見者になるなんて」
 ということで、その日のパトロールを始めて、いつものコースを見回っている間、ちょうど見回り始めてから、30分くらい経った頃だっただろうか?
「そろそろ、目も慣れてきた頃だよな」
 という自覚があり、
「懐中電灯の明かりが、却って邪魔になるかも知れない」」
 と感じられたその時、
「おい、何かがあるぞ」
 と思わず、松崎がいった。
 あと3人のパトロール隊員が、寄ってきて、
「なんだろう。あれは?」
 ということで懐中電灯をかざした時であった。
「うわっ」
 という言葉とともに全員が、のけぞった。
 そこにあるには、明らかに誰かの死体だったのだ。
 薄暗い状況に、少し目が慣れてきたといっても、そこにあるのが、まさかの、
「信じられないもの」
 ということであれば、誰が信じるというのであろうか?
 ただ、腰を抜かしているのは、皆同じであり、逆に、
「皆一緒でよかった」
 と思うくらいだった。
「人からこんな情けない姿、見られたくない」
 という気持ちが先に働く場合は、実際に、こんあに切羽詰まった感覚ではないに違いないという気持ちの表れではないだろうか?
「情けない姿を見られてもいいから、ひとりになりたくない」
 という気持ち、
「小心者の、肝試しだ」
 といってもいいのではないだろうか。
 どれくらい腰を抜かしていたのか、落ち着いてくると、
「俺がいち早く立ち直りたい」
 と思うのであった。
 というのも、まわりに対して、自分がひどい目に遭っているかのように思う時と、どこかが似ていると思うからではないだろうか?
 子供の頃、いじめられっ子だった子供は、
「なるべく抵抗しないで、この場をやり過ごそう」
 と思うのだ。
 それに、
「他の人に知られたくない」
 という思いもあり、それは、話を変に、
「ややこしくしたくない」
 と感じるからに違いない。
 それを考えると、
「パニックに陥る時は、皆一緒がいいが、立ち直る時は、自分が、一番であることに越したことはない」
 と思うに違いない。
 そう思うと、早く我に返り、その時にすることは何かということを考えると、
作品名:一人三役 作家名:森本晃次