小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

一人三役

INDEX|5ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

 それも、政府が政策をとってこなかったことが原因なのに、その自覚がないから、
「学校を閉鎖するとパニックになる」
 ということが分からないのだろう。
 何しろ、学校閉鎖をしてしまうと、
「子供が、今まで学校に行っていた時間を、誰かに見てもらわなければいけない」
 ということになる。
 家族や親せきの中にそういう人がいればいいが、その家にも家庭があって、それどころではないだろう。
 見てくれる人は、
「普通はいない」
 と考える方が当たり前のことであって、そんな状態を下調べもせずに、いきなり、
「来週から、効率の小中学校は、閉鎖する」
 などと言えば、大きなパニックになるというのも当然というものだ。
 それでも、確かに、学校閉鎖をしないといけないくらいの事態にはなっていた。
 それから、一か月もしないうちに、日本の法律でできる最大の対策といえる。
「緊急事態宣言」
 というものが発令された。
 基本的には、
「人流を八割減らす」
 というのが最終目標だったのだ。
 したがって、会社には、テレワーク、あるいは、出社しなければいけない最小限の人だけを残して、あとはテレワークということである。
 そして、店舗については、飲食店は、休業要請、あるいは、時短営業を強いるということであった。
 それ以外の、お店で、スーパー、コンビニ、薬局などの生活必需品を置いてあるお店以外は、基本、休業要請ということであった。
 街は、完全に、
「ゴーストタウン」
 になっていて、それでも、政府の発表としては、
「人流抑制としては、六割程度」
 ということであった。
「その程度なんだ」
 と驚きが隠せなかったが、確かに、これで六割というのは、ひどいというものだったであろう。
 そんな中で、この宣言には、
「強制力というものはない」
 というのも、日本の憲法は、
「平和憲法」
 であるため、国民の権利を一部から、大部分を制限するという、
「有事」
 という状態がないために、大日本帝国時代にあった、
「戒厳令」
 というものは、存在しないということであった。
 だから、憲法で保障された、
「法の下の平等」
 であったり、
「基本的人権の尊重」
 ということが、こういうときの政策に強制力を持たせられないのであった。
 そもそも、
「有事」
 というのは、別に戦闘状態になった時だけではないだろう。
 大災害に見舞われた時だってそうなのだ。
 この時の、
「世界的なパンデミック」
 だって、大災害なのではないだろうか。
 その証拠に、
「学校閉鎖」
 というのは行ったではないか。
 確かに罰則というのはないのだろうが、他が皆従っているのに、自分だけが営業をしているということは、社会生活では、命取りといってもいいほどである。
 中には、
「緊急事態宣言下」
 では、
「ここで営業をストップすると、数日で確実に潰れる」
 ということが分かっているところは、
「背に腹は萎えられない」
 ということで、強硬営業を行うところもあった。
 普通の店は別に何も言われなかったが、その分、攻撃対象になったのが、
「パチンコ屋」
 であった。
「あの開いている店は許せない」
 といって、
「自粛警察を自認する連中は、容赦しない」
 ということであった。
 ただ、自治体も、
「従わないと、店名を公表する」
 ということで、従わなかったので、店名を公表すると、今度はまったくの逆効果になった。
「おい、あの店営業しているらしいぞ」
 ということを言われ、
「パチンコ依存症」
 と呼ばれる人が、たくさん集まってくることになったのだ。
 しかも、近所の人たちだけではなく、各地からわざわざ車で来たりするのだ。
 大阪の店舗なのに、わざわざ九州から、パチンコをしに来るわけである。
 しかも、台数に限るがあるので、例えば、全部で1000台あるとしても、もし、待っている人が、5000人いたとすれば、よほど早くいかないと入れない。
 もし、店の方針が、先着ではなく抽選ということになれば、
「早くいけば、遊ぶことができる」
 とは限らなくなり、
「そこまで行っただけ、労力の損だ」
 ということになる。
 しかもである、来たということは帰らなければいけない。
「たくさん勝つことができた」
 ということであれば、疲れも少しが癒されるだろうが、
「実際に、勝てる保証などない」
 といえるだろう。
 せっかく抽選か先着で、座れたとしても、店も覚悟で営業しているわけだから、ぎりぎりの収支のところまで、儲かるように考えることであろう。
 そうなると、
「客があおりを食らうのは当たり前」
 ということで、それこそ、
「収支は関係なく、遊べたことだけで満足しないといけない」
 といえるだろう。
 九州から車で行く」
 などという暴挙に及んだ人間の末路がどうだったのか、想像を絶することなのかも知れない。
 そんなパンデミックに見舞われたことで、起こった、
「政府による、緊急事態宣言」
 というものは、相当の経済に大きな影響を及ぼした。
「その宣言があった、一か月我慢できれば、元のように活気づいた街が戻ってくる」
 なとというのは、あまりにもお花畑にいるような、
「夢物語」
 であった。
 伝染病は、
「ウイルスが原因」
 だったのだ。
 昔から、伝染病が流行った時というのは、
「第何波」
 という形で、
「その波は少なくとも、4、5回はある」
 というものであった。
 しかも、
「ウイルスというのは、変異するものだ」
 ということで、一度、ウイルスが下火になってくると、まるで蛇が脱皮するかのように、ウイルスはその形を変えて、人間が抗体を作れば、それに立ち向かえるだけの、方法を持っているということである。
 そんなウイルスの変異に対して、翌年くらいに、そのピークを迎えた。
 その頃になると、会社が潰れたり、店の営業がうまくいかないということで、失業者もあふれてくる。
 国家は大した政策を打てるわけでもなく、ただ、
「怪しさ満載」
 というワクチンを、奨励するだけだった。
「何かあったら、国が補償する」
 といって接種させておいて、いざ、
「接種後に亡くなった」
 という人がいても、
「因果関係が認められない」
 などといってごねる始末だ。
「じゃあ、あんな保証するなんて言わなければううのに」
 ということで、そんなことがあってから、さらに、ワクチンを打つ人が減ってきた。
「2回目接種以降、若者のほとんどは接種していない」
 ということで、世の中には、伝染病患者があふれることになった。
 それでも、
「ワクチン接種のおかげで、重症化しない」
 などと、政府は言っているが、それこそ、
「1%しかないほどのよかった部分を、さも、80%くらいよかった」
 とでも言いたいように、誇大宣伝をする。
 自分たちがいっていることの辻褄が、いかに遭っていないかということが分かってのことなのか、きっと、
「馬鹿な国民をだまし切れている」
 とでも思っているのだろう。
 しかし、それが甘いことを、政治家は、選挙の時になって分かることだろう。
 中には、あまりにも独裁的なことをしたことで、党内からも、
作品名:一人三役 作家名:森本晃次