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破滅に導くサイボーグ

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 という人がいるが、彼は、それ以前に、
「窒素から、アンモニアを生成する」
 という発明で、地球における、食糧問題を解決し、ノーベル賞を受賞したという経歴の持ち主であった。
 彼は、毒ガス開発に、ためらいはなかったという。
「平時は、人類のための科学者であるが、有事になると、母国のための科学者となる。愛国心に燃えて開発することの何が悪いというのか」
 という考えであった。
 いい悪いの賛否両論はあるだろうが、科学者として、彼がどういう存在だったのかということは、
「いずれ歴史が、答えを出してくれる」
 と言って、いいものだろうか?
 そんな、
「大量虐殺の時代」
 というものがやってくると、
「兵器の製造合戦」
 というものが行われる。
 大量虐殺を行えば、確かに、非難を受けるかも知れないが、戦争というものは、
「殺し合い」
 というものだ。
「こっちがやらなければやられてしまう」
 ただし、本来であれば、ルールのあるもので、戦争においての国際法だといえる、
「陸戦協定」
 というものがあり、そこで、
「戦争における、使用できない、禁止兵器」
 であったり、
「捕虜というものに対しての対応」
 などというものが、決められていて、それに批准する国が、ほとんどのはずである。
 だから、戦争のたびに、
「大量殺りく兵器が開発される」
 ということは、それだけ
「陸戦協定で禁止になる兵器が増える」
 ということだ。
「禁止になったら、新たに兵器を開発する」
 ということで、完全に、
「イタチごっこ」
 というものを繰り返すことになるわけである。
 そもそも、
「大量殺りく兵器を開発する」
 ということへの、
「大義名分」
 というのは、
「戦争を早く終わらせえること」
 というのがすべてである。
 しかも、
「自国が敗戦ということにならないように」
 ということになると、相手に、
「戦意を喪失させる」
 ということか、
「戦争継続不可能なくらいに、相手をやっつける」
 ということしかないというものである。
「どれくらいになると、戦意を喪失するのか?」
 ということは、その時々によって、さらには、国の事情によっても違うだろう、
 だが、その語の世界のように、
「一発の爆弾で、数万という人間が即死する」
 というような、
「悪魔の兵器」
 というものが生まれるのだから、人間ほど、恐ろしい動物はないといってもいいだろう。
 ただ、毒ガスというのも、その語に開発された、
「核兵器に、負けず劣らずの兵器」
 であり、
「後遺症」
 という意味で、核兵器も、毒ガスも、同じではないだろうか?
 そんな第一次世界大戦というものを、日本は、ほとんど巻き込まれなかった。
「日英同盟」
 にのっとって、ドイツの植民地であった、
「山東半島、青島の攻略を進め、それによって、日本は、ドイツ権益の植民地を占領できた」
 ということで、第一次大戦では、
「二匹目のどじょう」
 をとらえることができた。
 ということであろう。
 第一次世界大戦が終わってから、大日本帝国は、
「戦争特需」
 で、成金などが増えたりしたことで、一時期、
「世界の大国」
 と言われるようになったが、すぐに、襲ってきた、
「世界大恐慌」
 というものをまともに受けた。
 その時に、世界恐慌の煽りを食った国の中で、
 国家というものの、
「強い国同士」
 で、
「ブロック経済」
 なるものを築いたせいで、
「日本という国は」
「弱小の、持てざる国」
 ということで、仲間外れとなったのだった。
 しかも、アメリカなどが、
「海軍軍縮会議」
 において、海軍増強をもくろんでいた日本としては、アメリカなどの、
「経済政策に飲み込まれる形」
 において、軍縮に調印してしまったのだ。
 本来は、
「日本の国力を落とす」
 ということが目的だったはずなのに、それができないということで、結局、日本は、アメリカから敵対視されていることが分かり、次第に、日本が中国進出をけん制してくることで、
「対米戦争」
 というものを、真剣に考えるようになった。
 その前提として、
「資源の乏しい日本」
 という日本で、
「対米戦争」」
 を考えている間に、欧米列強から、
「経済制裁」
 というものを食らうのだから、どこに進むかということは、歴然としていたのだ。
 そもそも、
「ソ連という国を、仮想敵国」
 ということで、満州や、満蒙国境を守備するということが、絶対条件だったのに、中国という国に南下してしまったことで、欧米列強に対して、申し開きができなくなった上に、
「中国が、欧米列強から、支援を受けているということで、すでに、日本とは敵対している」
 といってもいいだろう。
 だからこそ、日本は、
「満州に、善良ば資源が眠っていないことが分かったところで、あとは、南方の資源地帯に進出するしかなくなった」
 ということである。
 それが、結局、
「アメリカが、戦争に参加したいと思惑を、国民に植え付けるために、日本を刺激した」
 ということで、
「それに日本がまんまと乗ってきた」
 というべきか、いや、
「日本とすれば、そこまでいくしかなかった」
 といってもいいだろう。
「中国大陸に食指を伸ばしたことが、ある意味、アメリカに参戦の口実を与えた」
 といってもいいだろう。
 元々、対米戦争は、想定内ではあっただろうが、
「今じゃない」
 ということだったに違いない。
 そういう意味で日本は、
「負けない戦争」
 をするしか手はないということであろう。
「対米戦争には間に合わなかったが、今からでも、それに匹敵するような兵器を作れるか?」
 というのが、軍の依頼だった。
 そもそも、軍としても、
「そんな依頼をしても、この時代にできるわけはないだろう」
 ということは分かっていただろう。
 何といっても、前述のとおり、
「資源がない」
 ということで、欧米列強の作戦に乗り、南方の資源地帯に入り込んでしまったことで、本来であれば、
「他国との協調路線でなければ、兵器開発はうまくいかない」
 という状況で、日本だけで、しかも、資源がない状態での開発を言われても。無理なのは分かっていた。
 というのは、
「まずは、現場主義」
 というのが、大前提であり、
「戦争をしているのだから、まずは、そちらに物資や資源を送るのが当たり前だ」
 ということなのである。
 確かに、兵器開発といっても、実際に金もかかるし、それなりの試作品であったり、テスト期間も必要で、さらには、いくつもの、サンプルデータをとるために、
「どれだけのお金と資源が必要なのか?」
 ということである。
 つまりは、
「兵器開発には、時間とお金。もちろん、資源などが必要である」
 ということになるのだ。
 そういう意味では、
「お金のかからない、兵器ということになると、まずは、消耗品でない兵器」
 ということになる。
 そして、普通の殺りく兵器ではなく、
「相手の精神を狂わせる」
 というような作戦をとる。
 ということも考えられる。
 実は、日本国において、兵器として、
「精神疾患」
 というものであったり、相手に
作品名:破滅に導くサイボーグ 作家名:森本晃次