小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

果てのない合わせ鏡

INDEX|4ページ/18ページ|

次のページ前のページ
 

 それに伴うように、町長の取り巻きといっておいいような連中が、どんどん遠ざかっていくような感じだった。
「どうしたんだ? 一体」
 とは、少し感じていた。
 それでも、町長も副町長に対して必要以上なことは聞かなかったし、逆も同じで、何も副町長から言ってくることもなかった。
 だから、
「最初はあんなに、絆が深かったと思っていた二人が、二人三脚で、街の行政をつかさどっている」
 と思っていたのに、急に豹変したといってもいいのか、副町長は、
「一体どっちの味方なんだ?」
 と思えてきた。
 おかしくなり始めたのは、確かに、産業廃棄の問題が、表に出てきたからだった。
 実際に、産業廃棄の話が出てくるまで、ちょうど、町長に就任してから、慣れるまでの期間だった。
 ひょっとすると、町長就任のタイミングで、今回の産業廃棄物の件が起こっていたのだとすると、
「俺は、その産業廃棄の問題を請け負い、何とか裁くためだけに、ここに雇われたということになるのか?」
 と思わせられた。
 それも分からなくもない。
 そもそも、この街は、地元出身者しか受け入れないという、田舎にはありがちであるところの、
「実に閉鎖的な街」
 ということだったのだろう。
 ただ、それだったら、もっとうまくやれるだろうと思った。
 実際に、産業廃棄処理所を作るという目的は、結局達成されたわけではない。
 中途半端に、例の、
「無駄に広い」
 と言われている湖畔の土地を、街が買ったというところで終わっているのだ。
 しかし、その土地が売りに出されたという話は聞いていない。自分が町長として、正直やったことは、あの土地を買ったということくらいであろうか。
 それを誰が分かっているというのか、実際に、あの土地が売りに出されているという話は聞かない。
 どちらにしても、ただでさえ、
「無駄に広い」
 というだけの土地なので、ある意味、
「二束三文」
 で売りに出されたとしても不思議はないだろう。
 行政をしていると、本当に無駄な土地は、ある程度で見切って、二束三文でも売りに出すということになったとしても、それは当然のことだと言えるのではないだろうか?
 そんな街の町長を、結局、2年くらいやっただろうか。初めての自治体の長となったわけで、選挙に出たのも、初めてという、
「童貞議員」
 と言ことで考えると、
「まぁ、最初はこんなものだ」
 ということになるであろうか。

                 ポルターガイスト

「ポルターガイスト」
 というものを聞いたことがあるだろうか?
 これは、いわゆる、
「一つの現象」
 というものであり、
「自分が触れたわけでもなく。何もしていないのに、物体が移動したり、モノを叩くような音がしたり、いきなり発火する」
 という現象のことをいう。
 これも、科学でも自然現象としても、説明のつかないことであり、
「超自然的な発想」
 として考えられることもあれば、
「超心理学的なことが起こっている」
 という解釈もある。
 この場合は、いわゆる。
「超能力」
 であったり、
「念力」
 と言われるものの類であるともいわれるだろう。
 だから、超能力として言われる、
「サイコキネシス」
 などというものも、
「超常現象」
 であり、
「ポルターガイストというものだ」
 ということも言われているのであろう。
 実際に、心理学者の中には、超能力であったり、超常現象と呼ばれるものの原理を解き明かそうとしている人も少なくはないだろう。
 大学で、研究している人もいれば、ひょっとすると、国家機密として、
「軍事」
 や、
「兵器」
 としての開発のための研究ということで、水面下で進められているのかも知れない。
 ただ、どうしても、超常現象であったり、超能力の類は、これを兵器として利用する場合は、
「人間の限界」
 というものも考えないといけないだろう。
 昔から、
「超能力を持っている人は、その力を発揮しようとする場合においては、神経をかなり使うので、難しい」
 と言われている。
 そもそも、超能力という考え方は、
「人間には、誰もが持っているが、脳のほとんどが使われていないということで、その部分に、超能力と言われるものがあり、選ばれたものしか、それを発揮することはできないのだ」
 ということを言われている。
 しかも、その場合に、
「普段使っていないところを使う」
 ということで、相当なエネルギーを消費するだろうから、
「その分、その人の寿命を削っていることになるのではないか?」
 と言われている。
 それを考えると、
「むやみやたらに使用することは、倫理上、許されることではない」
 ということで、兵器として開発されても、すぐに、国際法で、禁止ということになるのではないだろうか?
 そんな兵器開発を行う場所として、その白羽の矢が立ったのが、例のあの街の湖畔というあの場所だった。
 あそこで、兵器開発としての、ポルターガイストを開発しようとしていたのが、国家だった。
 しかも、その国家の中でも、ある科学者の一派で、その科学者というのが、山南博士という人だった。
 彼は、この近くにある、K大学の教授で、その専攻分野は、心理学ということであった。
 心理学において、最初は、
「最近増えてきた、双極性障害からのいろいろな病気の発症であったり、さらに、他の精神疾患から、双極性障害を産む出したりと、
「いろいろな病気の原点は、双極性障害医にある」
 という、精神疾患の発症原因について考えていたのだ。
 そして、精神疾患の下になり、それが不可思議な要因を積み重ねることで、いろいろな疾患が生まれる要因を作っていると考えていた。
 さらに、山南博士は、その精神機能を、
「兵器開発に使えるのではないか」
 と考えるようになっていた。
 山南博士は、その研究を、ポルターガイストのようなものとして、
「躁鬱症における。その混同状態において、発生させることができるのではないか?」
 と考えるようになった。
 双極性相がいというのは、いわゆる、
「躁鬱症」
 と呼ばれていたような病気で、
「躁と鬱という相対する両面が、周期的にやってくる」
 という病気で、開発された薬を飲まなければ、精神が安定せず、どんどん悪化していくというものであった。
 だから、本来であれば、双極性障害の人をどこかに隔離して。そこで、研究をしながら、その正体を突き止められれば、
「あるいは、治すということも可能なのかも知れない」
 と考えていた。
 そもそも、この双極性障害という病気は、
「その状態を、どう考えるのか?」
 ということであり、一つの問題は、
「先天性のものではなく、後天性ということが問題であった」
 ということである。
「後天性」
 つまりは、
「もって生まれたものというわけではなく、何かの原因がきっかけで、発症し、それが、精神を蝕んでしまう」
 ということだったのだ。
 しかも、その原因は、さまざまであり、人それぞれだというのは、生まれてからの育つ環境が問題あからだ。
 特に今の時代は、
「学校における苛め」
 であったり、家庭内においての、
作品名:果てのない合わせ鏡 作家名:森本晃次