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影のある犯罪計画

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 などと呼ばれるものも、直接家康と敵対したものだったからである。
 だから、
「宗教というものが、政治に介入してくると、ロクなことはない」
 ということは、幕府が一番わかっていたことであろう。
 しかし、それが、外国による。
「砲艦外交」
 によって、国が混乱し、結局、行き着いた結論として、
「外国を受け容れ、自分たちが、その外国に追いつけ追い越せ」
 ということしかないという結論だったのだ。
 弱小明治政府ではあったが、
「殖産興業」
「富国強兵」
 というスローガンは、次第に国力を強くしていき、結果として、
「日露戦争の勝利」
 ということで、世界の列強の中に、アジアで唯一仲間入りしたということで、念願であった、
「不平等条約の撤廃」
 ということには成功した。
 しかし、それだけに、今度は日本の安全保障という観点から、
「軍による方針によって軍が二つの派閥に割れたのpだった」
 それが、陸軍の派閥として、仮想敵国ということでの問題だった。
 一つは、
「仮想敵国をソ連とする」
 という考え方で、彼らは、陸軍大学出身ではない、いわゆる今でいえば、
「ノンキャリア組」
 と言われる人たちで、
「皇道派」
 と呼ばれる派閥だった。
 そして、もう一つは、
「中国大陸に進出し、中国への進出を考える」
 という考え方で、彼らのほとんどは、
「陸軍大学出身者」
 といういわゆる、
「キャリア組」
 というエリートだったのだ。
 また、海軍は、その考え方が違い、
「アメリカ」
 というものを仮想敵としているということで、陸軍とはまったく違った方針だったのだ。
 ここで、統帥権というものが出てくるのだが、これはどういうことなのかというと、憲法に書かれているのは、
「天皇は陸海軍を統帥す」
 ということである。
 つまり、
「陸海軍というのは、天皇直轄だ」
 ということである。
 陸海軍は、政府の関与を受けることはない天皇直轄だということは、
「政府による外交とは関係なく、天皇によって、動く機関だ」
 ということになる。
 さらに問題なのは、
「天皇というのは、慣例的に、政治に口出しできない」
 と言われている。
 だから、政府が決定したことは、上奏され、天皇が、それを聞いて、追認するということであった。
 要するに、
「閣議決定されたものを、天皇が追認となるので、天皇は口出しできないのだ」
 ということになる。
 しかし、逆に、軍部のことは、天皇が、最高責任者ということになるので、天皇が直接命令を下すということになるので、
「天皇を無視しての軍の作戦というのはありえない」
 とうことである。
 したがって、
「天皇の命令のない軍の作戦はありえない」
 ということになり、さらには、
「政府の方針には、天皇が口を出せない」
 ということで、
「軍と政府は、まったく違った命令系統であり、別々の機関なのである」
 しかし、実際に、
「有事」
 ということになると、そうもいかないだろう。
 このあたりが難しいのだ。
 たとえば、昭和初期に起こった、
「満州事件」
 であるが、
「この時は、日本軍が行ったこととして政府が追認し、天皇にも上奏し、不拡大方針を打ち出したのだが、関東軍はそれを無視した」
 ということになっているが、満州事変の原因を考えれば、
「不拡大」
 というのはありえない。
 そもそも、満州事変を引き起こした理由というのが、
「日本における食糧問題だったのだ」
 というのは、
「日本は、当時、人口が爆発的に増えていて。しかも、凶作や、昭和恐慌なるものが起こり、子供を売らないと生活ができないと言われるほどに困窮していたのだ」
 そこで考えたのが、
「他の土地への移住だったのだ」
 そこで、軍が画策したのは、
「満州で事変を起こし。それに乗じて、満州全土を征服し、そこに傀儡国家を立ち上げる」
 ということであった。
 それが
「満州事変」
 であり、
 その計画として、まず、
「満州全土の占領」
 それは、約半年という期間で、電光石火のごとく成功した。
 そして、天津から溥儀を連れてきて、元々満州族の溥儀を執政とした、
「満州国」
 を作り、さらに翌年には、溥儀を宣統帝として、皇帝に即位させ、そこで、
「満州帝国」
 としての独立国家を作ったかのように装っていたが、実際には、満州国というのは、
「関東軍配下の傀儡国家」
 ということだったのだ。
 ただ、そのおかげで日本という国は、当初の目的であった
「食糧問題」
 というものを解決できたといってもいいだろう。
 この時、政府は追認するばかりで、独断専行で作戦を行ったのは関東軍だったのだ。
 それもそのはず、
「大日本帝国陸軍というのは、天皇の統帥権の中にある、機関だからだ」
 ということだったのだ。
「大日本帝国」
 が、軍部が独断専行を行ったことで、結局、無謀な戦争に突っ走ってしまったことで、結局、
「国土を焦土として、大日本帝国を破壊してしまった」
 ということになると言われているのだ。
 だが、本当はそういうわけではなかった。
 かの戦争は、本当はちゃんとした作戦が軍にはあったのだが、辞めるはずだったタイミングでやめられなかったのは、もちろん、軍の過信というものもあっただろうが、それよりも、
「マスゴミの煽り」
 によって、民衆が、
「世論となって、戦争を辞めれば、暴動が起きたりする」
 というそんな状況に入ってきたのだった。
 ということであった。
 しかし、その前の軍部が強力になってきたということの背景にあった事件を描かないわけにはいかなおいだろう。
 それが、満州事変から数年後に起こった、いわゆる
「軍事クーデター」
 といわれる、
「226事件」
 だったのだ。
 これはそれまでの事件としての。
「515事件」
 などとは少し内容が違っていた。
 どちらかというと、
「相沢事件」
 などの方が近いかも知れない。
 この
「226事件」
 と呼ばれるものは、いろいろな解釈がある。
 映画などで描かれているのは、
「天皇の側近連中の特権階級が、天皇にウソの情報を流し、自分たちだけが得をするということで、彼らを討つ」
 というものだった。
 だから、スローガンが、
「尊王倒奸」
「昭和維新」
 だったのだ。
 つまり、天皇の側近の中でも、
「君側の奸」
 と呼ばれる、徳をする連中を倒すということがスローガンだったのだが、実際には、自分たちの派閥を脅かした連中に対する復讐だったのだ。
 つまりは、前述の派閥としての、
「皇道派が統制派を排除する」
 という、いわゆる、ただの、
「派閥争い」
 でしかないということだった。
 軍部は、結構反乱軍に対して。同情的だったが、怒りをあらわにしたのは、昭和天皇だった。
 天皇はさすがに大元帥で冷静に軍の体制を見ていたのだ。だから、彼らが反乱軍であることは明白で、何といっても、一番悪かったのは、
「軍を天皇の命令もなく、勝手に動かした」
 とが、最大の間違いなのだ。
 自分たちの目的を果たすため。いくら天皇のためだとはいえ、明らかな派閥争いで、クーデターを起こすなど、あってはならないことである。
作品名:影のある犯罪計画 作家名:森本晃次