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二つの世界と同じ顔

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 という宗教的な発想に近いのではないだろうか?
 つまり、
「信じる」
 ということが、美徳とされ、それがゆえに、
「騙されたとしても、信じたほうが悪い」
 あるいは、
「信じ込ませよう」
 とする方が、頭がよく、賢いということになり、いくらモラルに反するといっても、結局、
「悪いのは、自分なんだ」
 ということで、泣き寝入りということも少なくはない。
 だが、それも、時代とともに、そんな
「霊感照応」
 というものが悪いことだ。
 といって、考えるようになった。
 それまで、なぜ、被害者というものに、冷たかったのかというと、そこには、
「政府と宗教の癒着」
 というものが蠢いていたからだった。
 そもそも、新しい民主主義憲法では、
「政教分離」
 ということがいわれてたはずだった。
 しかし、実際には、そんな、新しい民主主義憲法ができてから、それほど間のない時期から、
「政治と宗教の癒着」
 というのが、水面下で進められていた。
 それこそ、
「裏取引」
 のようなもので、実は占領軍もわかっていた節がある。
 ただ、それでも、
「利用する方が得だ」
 ということで、大きな問題にしないことで、ずっと国民も、マスゴミもごまかされてきたのだろう。
 いや、マスゴミはわかっていたかも知れない。
 それが暴露されれば、国家転覆になりかねない。
 ということも言われていた。
 せっかく復興という、国民一丸となっての大事業を、途中でやめてしまうと、日本という国は、行き場を失ってしまい、滅亡の一途だったからであろう、
 さすがに、それを助長するだけのバカでは、マスコミもなかったということであろう。ただそのせいで、民衆というものが、騙される形になったのだが、それは致し方のないことだ。
 だが、そのせいで、やつらは、野放しにされてきて、
「政府の庇護の下、着実に、裏祖粋としてのし上がってきた」
 といえるのだろう。
 そんな宗教が、日本という国で、50年近くも幅を利かせてきた。
 その間には、宗教問題ということで、
「世間を騒がせたものも少なくはなかった」
 一つが何とか解決しても、その後から、次々に湧いてくる。宗教音大。
 本当は、同時多発的に起こった問題ではなるのだろうが、一つのその時に強い勢力だけが表に出て、その勢力を社会問題にすることで、
「悪は必ず滅びる」
 という発想からか、その世界において、
「一つ一つが、潰されていく」
 ということになるのだった。
 日本という国が、それをわかっているのか、
「政治家が、宗教と手を握っている」
 などということは、分かっていないのかも知れない。
 そもそも、
「政教分離」
 という考えかたからいけば、
「存在してはいけない政党」
 というものがあった。
 最初こそ、
「野党」
 さらに、下からか終えればいいところであったのだが、それが、甘んじてその位置にいたのは、
「政府与党が強い存在だった」
 からである。
 途中から、政党がまるで、湧いてくるかのように、生まれてくると、政府与党の力というのが、少しずつ薄れていった。
 気が付いた時には、あいぶ遅かったようで、すでに、
「連立を組まなければ、政権を維持できない」
 というところまで来たのだ。
 その党は、正直、政府与党とは、どうしても馴染めないところがあった、
 にも関わらず、連立を組むということになったのは、
「組織票がほしい」
 というだけのことだった。
 その組織票というのが、宗教団体であり、
「そこが票をくれるので、安心して、政治ができる」
 ということであった。
 それまでは、他の野党と連立を組んだりしてみたが、
「一度だけ」
 ということで、二度と一度組んだところとは組まなかった。
 それだけ、その考え方が、かけ離れているかということであった。
 与党の連中も、
「裏には、宗教がある」
 ということは分かっている。
 ただ、
「なぜ、裏に宗教が絡んでいるのに、誰も意義を申し立てないのか?」
 ということを、真剣に考えようとしないのかということである、
 それは、政府与党の政治家が、
「新憲法ができてからも、宗教団体と裏取引をしていることから、大っぴらに、その党を批判できないからだ」
 ということであった。
「国民には分からないところで、政府はその問題を抱えているのだが、結局、なあなあになることで、感覚がマヒしてきて、宗教団体の党を許可してしまう」
 ということになるのだった。
 だから、政党の下にある宗教団体と手を組むことが悪いことではないと思っていて。しかも、その資金を与えてくれるのは、
「別の宗教だということで、ある意味、まったく別の宗教が、政治という隠れ蓑で手を結んでいる」
 といってもいいのかも知れない。
 そんなことを考えていると、
 宗教団体は、政府の政治家に対しては、金をばらまき、そして、そのお金の出どころは、ハッキリとはしないと言われているが、黒岩博士が調べたところによると、
「霊感商法でしかない」
 ということであった。
 悲しいかな、日本という国には、
「黒岩博士」
 は存在していない、
 しかも、
「政治家を糾弾するという特殊組織は存在しない」
 ということであった。
 黒岩博士の世界では、戦前から、
「政治家を糾弾する」
 という特殊警察が存在した。
 だから、誰もが、政府を批判することもできるし、それが事実であれば、国民が十分な証人にもなれるということで、下手をすれば、
「一人の国民に、政府が、総辞職に追いこまれる」
 ということになるといってもいいだろう。
 ただ、日本という国にはそれはなく、
「どうしても、水面下に潜りこまれると、よほどの何かがなければ、表に出てこない」
 ということであろう。
 だが、その、
「何か」
 というものが、日本という国に起こったのだ。
 それというのが、
「元ソーリ暗殺事件」
 というものだった。
 その暗殺されたソーリは、その宗教団体の被害者である男から、
「逆恨みを受けて」
 という暗殺だと言われているが、本当にそうであろうか?
 実際に、どこまで暗殺計画がうまく行っていたのか、それも分からないところであり、ただ、その男が暗殺事件を起こしてくれたことで、
「政治家と、宗教団体の癒着」
 ということが明るみになったのだ。
 その団体は、20年くらい前から、
「霊感商法」
 などという、明らかな、
「詐欺集団である」
 という認識があったのに、どうも、捜査は鈍かったようだ、
 それもそのはず、
「政府と癒着があったのだから、それも当たり前だ」
 といえるだろう。
 そんな世界をいかに誰が想像できたというのか、
 暗殺は気の毒であるが、
「膿が明るみに出た」
 ということでは、
「ソーリの時にはできなかったことを、死んでからできたのだから、何とも皮肉なソーリではないか」
 と言われたのも、ある意味無理もないことだろう。
「これが、日本という国の政治というものか」
 と、心理学者からの目であったが、黒岩博士は、そう感じていたのであった。
 あくまでも、日本は、あちらの世界の国であり、比較にはならない。
 しかも、あちらの国は、完全に、
作品名:二つの世界と同じ顔 作家名:森本晃次