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二つの世界と同じ顔

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 と言われて引退していれば、他にどんなに悪くいう人がいても、他の歴代ソーリに比べれば印象がいいだろう。
 実際に、
「私は2期で引退する」
 といって、キッパリ引退した人がいて、今でも
「いいソーリだった」
 と言っている人もいるくらいだ。
 昔、アイドルで、
「引退する」
 といって、キッパリと辞めた人は、実に今でも、伝説のように言われる。
 しかし、少しでも未練を残して戻ってきた人の多くは、最後にはスキャンダルに塗れる人が大半である。もちろん、普通に最後の引退をする人もいるが、どうしても他の人のイメージが悪くされることで、ちゃんと引退した人も悪く言われることもあったりする。実に理不尽である。
 ただ、ソーリに限っては、それまでは、キッパリ辞める人はいい人が多かったのだが、最初から、人気絶頂で、人気があるまま、2期で辞めていったソーリは、実はひどいものだった。
「今の国家を滅亡に近づけているのは、そいつのせいだった」
 と、専門家をはじめ。有識者から言われ続けているにも関わらず、一般庶民には人気があるのだ。
 まるでヒトラーのように、宣伝がうまかった。これこそ、
「劇場型」
 の典型であり、
「激情型」
 でもあったのだ。
 感情を爆発させることで、いかにも国民に寄り添っているかのように思わせる。それこそ、
「独裁者のやり口」
 ではないか。
 その内閣で財務大臣をしていたやつが、
「政界を引退し、起業をしている」
 ということで、オリンピックをやりたいと言ったソーリが忖度しているやつの正体だったのだ。
「九十数パーセントの中抜き」
 分かる人には分かるのであった。
 そのオリンピック関係者で、一人の男が、実は死刑囚になっていた。
 オリンピック関係の話の裏を知っていて、それを暴露されるということを恐れた政府が、男に濡れ衣を着せて、のっぴきならない追い詰めた上、死刑判決が出るように仕向けた。
 男は、秘密を暴露しようと思えばできるのだが、
「誰が死刑囚の言うことなど、まともに聞くと思うか?」
 と言われて、何もいえなくなった。
 確かに、暴露しようと思えばできなくもないが、
「誰もが知っている話で、ただ、信憑性がないということなので、彼が、収監者で、しかも、死刑囚」
 ということでなければ、まともに聞いてくれるかも知れないが、
「死刑囚のいうことなど、誰が聞くと思うか?」
 といっておいて、弁護士に、
「ここは、余計なことは言わず、少しでも、こちらに有利に話をすれば、死刑はおろか、うまくいけば、無罪を勝ち取ることもできるかも知れない」
 といって、何も言わないように仕向けていた。
 しかし、それだけでは政府も安心できない。
 そこで、彼に薬を盛って、死なないまでも、精神的に、気弱になるように仕向けていたのだ。
「監獄で自殺でもしてくれれば、こちらの思うつぼ」
 とでもいうような、
「これが政府なのか?」
 と、他の誰にも絶対に知られたくないような側面を持った政府の世界だったのだ。
 そんな政府をバックにして、今、この世界での、この国は、大きな何かを抱えている。
 それが、他の世界の、
「日本」
 という国がある世界とは違っていて、
「あちらでは、絶えず、戦争が起こっているが、こちらの世界では、ほとんど戦争がなくなっていた」
 ということである。
 すなわち、
「どちらが正しくて、間違っていないのか?」
 ということは分からない。
 そもそも、正悪の基準というものが、どこにあるのか、それぞれの世界で違っているので、その判断は難しい。
 しかも、どちらかが、
「世界の中心」
 というものが、どういう理屈なのかということを分かっているのかは、難しいだろう、
 少なくとも、それぞれの世界の秩序や基準は、
「相手の世界のそれではない」
 といえるだろう。
 お互いに基準が分かっているのか、いないのか、そのことが、こちらの世界では、結構大きなカギを握っているのだった。
「彼らが、死刑執行というものに、どうしてこだわったのか?」
 ということが、明らかになっていないことで、国民は、
「どうして、そんなことにこだわるのだろうか?」
 と考えてはいるが、
「だからといって、世間において、何が正しいのか?」
 ということを、追求しなければいけないわけではない。
 ただ、自分たちの正当性を追求することが、政治を行う上で、どうしても必要な時というのはあるもので、政府が日ごろ、
「陰で動いているのは、その時の到来を見逃さないためではないか?」
 と言われているのだった。
 そのやり方として、第一段階での方法として、まず法案で、
「死刑執行を、なくす」
 ということであった。
 それは、
「人道的かどうか」
 ということではなく、政府として、その裏で、暗躍していることが大きな影響を与えるものだと考えられるのであった。

                 死刑廃止の罠

 死刑執行が廃止になるということは、それほど珍しいことではない。この国において、
「死刑執行の廃止」
 というのが認められたのは、
「世界の風潮に則って」
 ということを言われるようになった。
 確かに、その通りなのだが、
「国々によって、その発想は違っている」
 ここは、
「微妙に違っているわけではなく、その国の事情であったり、思惑が含まれているのだ」
 その中には、
「致し方ない」
 という事情があるところもあり、そこには、
「世論」
 であったり、それを突き動かすについての、
「マスゴミ」
 というようなものが影響していたりする。
 前述の、
「世界的なパンデミック」
 というのは、何も他の世界だけの出来事ではなく、この世界においても、問題となることだってあるのだった、
 例えば、問題となった
「オリンピック問題」
 においても、マスゴミの罪は大きいといえるだあろう。
 そもそも、
「世界駅なパンデミック」
 というものに対して、世間を惑わし、さらに、世間を誘発することで、政府の政策を狂わせた責任は、
「マスゴミにある」
 といってもいいだろう。
 だから、この国では、マスコミのことをマスゴミと呼ぶようにしている。そもそも、マスゴミの罪は、まだまだ続いていて、今の国家が、かつての、
「独裁国家」
 と言われた国に似てきていることを、誰もわかっていないのか、
 それは、戦争をしている国の一方に加担し、土地の呼びかたまで、まったく変えてしまうというようなやり方をしてみたりと、
「国家体制」
 というものに、興味をもっていなかった人も、今回の、
「世界的なパンデミック」
 というものに直面したことで、
「政治の大切さ」
 というものが、少しずつ分かってきているようだった。
 それまで、
「歴史というものは、暗記物で、何を必死に勉強しなければいけないのか?」
 ということで、ハッキリと分かっていなかったのだ。
 だが、今の時代において、そんな時代錯誤の考え方は、
「きっと、学校では、その面白さというものを、誰も教えてくれていない」
 ということから来るのだろう。
「戦争も、パンデミックも、歴史が出した答えなんだ」
作品名:二つの世界と同じ顔 作家名:森本晃次