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悪魔への不完全犯罪

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 理論に基づいての計算でなければ、答えが求まったとしても、それは、
「ただ、照合できた」
 というだけで、
「完全な正解」
 というわけではない。
 それを思うと、
「運のよさ悪さ」
 だけでも、
「理論に基づく」
 ということだけでも、最終的な答えに辿り着いたとしても、それが、
「本当に正しいのかどうか」
 というのは、分かったものではないだろう。
 そんな状態なので、彼女は、
「ソープ以外は私にはできない」
 と思うのだった。
「デリヘルや、キャバクラなど、普通に風俗を知らない人は、皆同じだと思うんでしょうね」
 と彼女は感じていることだろう。
 確かに、OLなどのような職業の人しか知らない人は、
「風俗嬢」
 というだけで、偏見の目で見てしまったり、中には、
「身体を使うだけで、自分たちには絶対に稼げないようなお金を稼ぐ」
 ということで、偏見というよりも、嫉妬に近い形の感情を抱く人は多いことだろう。
 確かに、
「毎日、一生懸命に働いているサラリーマンが一か月に貰う給料を、数日で稼ぐ風俗嬢」
 ということになると、
「嫉妬もするだろう」
 ということであるが、そこには、嫉妬だけではない、
「偏見」
 であったり、
「色眼鏡」
 というものがあることから、サラリーマンからすれば、
「やっていられない」
 と思うのかも知れない。
 サラリーマンも、営業活動などで、ひどい目に合う人もいるだろう。今でこそ、パワハラなどと言われることで、立場を使っての、理不尽な苛めのようなものはなくなったが、
「お前のところからは買わない」
 と言われたとして、理由を相手が言ってくれないとしても、それは、仕方のないことで、理由を言わせるわけにもいかないし、相手も言ってはくれないだろう。
 そこに、中には、理不尽な理由が含まれているのかも知れないのだが、それは、本人が言わないと分かるはずなどないのだった。
「ただ、あいつが気に入らない」
 ということで、そこから買わないということは、営業としては別に悪いことではない。
「向こうの方が安い値段を示してきた」
 ということで、相手に取引先を奪われるというのは、別に卑怯なことでも悪いことでもない。
 だから、
「理由なしに、取引を変えられても、文句は言えるわけはないのだ。何と言っても、お金を出す方が立場は強いわけで、取引を勝手に切られたといって、それをうったえることもできないだろう」
 ただ、相手も、なるべくならそんなことはしたくないはずだ。
 何と言っても、
「あの会社から、理不尽にも、一方的に取引停止を言われた」
 という、誹謗中傷かも知れないことが、ウワサとしてたってしまえば、
「よくあることだ」
 ということで、同情してくれるところもあるだろうが、中には、
「火のないところに煙が立たず」
 ということで、
「ウワサを立てられた方が悪い」
 と感じる人も多いだろう。
 それを考えると、
「迂闊なことをして、この一社のために、他からも、取引停止を言われたりすれば、まったくもって、本末転倒だ」
 といえるのではないだろうか。
 そんなことを考えていると、
「こちらも、簡単にはm開いてから理不尽と思われるようなことをされかねない」
 ということになるのではないだろうか。
 それを思うと、
「何事も穏便に済ます」
 というのも、
「世の中を渡っていくうえで、重要なことではないか?」
 といえるのではないだろうか?
 そのソープ嬢の名前、つまり、源氏名は、
「いつか」
 と言った。
 彼女は、この店では、ナンバーワンというわけではなかった。ただ、ベテランということもあり、
「酸いも甘いも分かっている」
 ということで、入りたての女の子たちから、結構慕われていたのだ。
 それも、今までの経験から、いろいろ分かっているということと、彼女自身の性格からか、
「困っている人を放っておけない」
 という思いが人一倍強いので、すぐに人が困っているのが分かると、自分から声を掛けていくのだった。
 そのあたりの、
「嗅覚」
 というのも結構あった。
 つまり、
「相手がいつもよりも口数が少ない」
 であったり、
「どこか自分を避けようとしている」
 というところには敏感で、それでも、自分を避けようとしている人であっても、
「本当に避けようとしているのか?」
 それとも、
「わかってほしいという意識からの、わざとしていることなのか?」
 ということも、いつかは、ちゃんと分かっていて、
「決して、相手を裏切らない」
 という態度で臨んでくれるので、まわりも、いつかには、一目置いているという感じであった。
 何と言っても、
「相手を裏切らない」
 ということは、その人にとっては有難いことで、
「いくら、いつかさんであっても、自分がかまってほしくないと思っている時は、なるべく離れていてほしい」
 という気持ちをしっかりと察知してくれるのであった。
「私は、相手の立場に立って考えているだけなので、できるだけ相手の立場になるために、相手が聞いてほしいということは聞き逃すことなく、理解して話をしようと思っているのよ」
 と、いつかはいうのだった。
 それが、
「いつかが、まわりの女の子から慕われる理由」
 というものであって、
「私だったら、こういう場合どうするだろう?」
 という思いと、
「どうしてほしいのか?」
 ということを、いかに考えるかということを思えば、分からないことも分かってくるような気がする。
 と考えるのであった。
 だから、
「いつかさんに、相談に乗ってもらえると、それだけで、気が楽になる」
 ということであった。
 直接的に、悩みの下が消えるわけではない。
 人に言われたくらいで、簡単に消えるような悩みであれば、そんなに悩んだり、下手をすれば、
「病んだりなんかしない」
 ということであった。
 実際に、この商売は、少々の嫌なことでもしなければいけない。だから、
「身体を張っている」
 というわけであり、肉体が耐えれても、精神的に耐えられないということは、往々にしてあるというものだ。
 それが、いつかたちの商売である、
「風俗嬢」
 というものである。
 そんないつかだったが、坂下少年お、
「筆おろし」
 というものをした時、いつかは、完全に、
「自分がマウントを取れる」
 と思ったようだった。
 確かに、坂下少年は、素直な子供で、家族があまりにも、
「甘やかしすぎる」
 と言っても、まだ、15歳だったことで、
「肉体的にも精神的にもまだまだ子供だ」
 ということで、彼は、
「どこにでもいる、中学生の男の子」
 だったということである、
 ただ、彼には、どこか親の遺伝があるのは間違いのないことで、それは、
「覚醒しやすい」
 ということからではないかといえるのだった。
 というのも、これは彼だけに限ったことではないが、
「オンナを知ると、覚醒する」
 ということなのかも知れない。
 その証拠に、
「いつかに筆おろしをしてもらってからというもの、学校でも風格が出てくるし、肉体的にも徐々に大人になっていくのだった」
作品名:悪魔への不完全犯罪 作家名:森本晃次