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因果のタイムループ

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 そう、
「警察というところは、何か怒らないと、まったく動こうとはしない」
 ということであった。
 そのいい例が、
「ストーカー事件」
 である。
 あれだけ、20音に嬢前くらいから大きな問題となり、
「ストーカー殺人」
 などというものが、後を絶えない時代になってきて、それは今も続いている。
 いや、
「さらに、激しくなっている」
 といってもいい。
 なぜなら、
「ネットの普及」
 というものによって、リアルでなくとも、知り合うことができる。
 だからこそ、
「個人情報」
 というものの大切さがわかってきて、
「個人情報保護法」
 というものができたのではないか。
 これだって、世間が騒いでいることで、昔と個人情報の扱われ方が変わってはきたが、一番変わらないのは、政府や警察の対応である。それこそ、
「問題になってきたから、法律は作った」
 というだけで、その後のフォローなど、誰がするというのだろうか。
 それを考えると、
「いくら、被害届を出しても、受けてはくれるが、それこそ、人が殺されるなどの犯罪が起こってから、初めて捜査をするのだ」
 やつらに、
「事前に捜査」
 あるいは。
「事件を未然に防ぐ」
 などということはありえないといってもいいだろう。
 何といっても、捜索願だってそうだ。あれこそ、
「犯罪の可能性がない限り、動かない」
 というのが、昔からのことではないか。
 それこそ、
「警察という組織」
 というのは、
「やってますアピールをするための組織だ」
 といっても過言ではないだろう。
「起こった事件を解決する」
 それが検挙率であり、警察としての成績なのだ。
 警察に。
「防御率」
 などという考えはないのだろう。
 捜索願に関しても、
「本当に何かの事件に関係ない場合」
 というと、
「ただの、夫婦喧嘩や、家族のいざこざというだけの、家でという可能性もある」
 ということであったり、下手をすると、
「狂言家出」
 ということもある。
 ただ、これが、誘拐ということであれば、また話は変わってくる。
 事件内容が誘拐だということであれば、狂言であっても、黙っているわけにはいかないだろう。
 何と言っても、悪ふざけでは済まず、たくさんの人を巻き込んでしまったということで、下手をすれば、
「何かの犯罪を形成し、それが複数になると、有罪ということになりかねない」
 ともいえるだろう。
 それこそ、
「裏で手を引いている組織か何かが暗躍し、警察の目を、そちらに背けている間に、何かの動きを示す」
 ということになれば、ただの、
「狂言」
 というわけにはいかないだろう。
「そんなのは、刑事ドラマや、探偵小説の読みすぎだ」
 と言われるだろうが、
「警察という組織ほど、石橋を叩いて渡らなければいけない組織なのではないだろうか?」
 と考えられるのだ。
 実際に、昭和の終わり頃であっただろうか、
「会社社長の誘拐事件を発端として、次々に同業他社に対しても、あの手この手を使って、脅迫した」
 という事件があった。
 その事件は結局、
「お宮入り」
 ということになったが、結局は、警察が、
「犯人」
 あるいは、
「犯人グループ」
 というものから、
「手玉に取られた」
 ということになるのだろう。
 こんな事件は、被害者が社長であったり、
「警察のトップを動かすことができる」
 というくらいに権力を持っている人だったりすると、警察も、
「その威信に掛けて」
 ということで、必死になっての捜査を行うのだろう。
 しかし、警察の捜査は、絶えず、後手後手に回ってしまい、完全に、犯人に嘲笑われていたことであろう。
 それも、普段から、捜査に対して、
「真摯に向き合っていない」
 ということから、甘えのような体質があるからではないだろうか?
 現場は、しっかりやっているのだろうが、
「威信であったり、警察に対しての圧力ばかりを気にする」
 という状況が続いている限り、しょせんは、
「親方日の丸」
 ということで、
「決まったことを、決まったようにしか運用できない:
 という、
「まったく勇蔵の利かない組織」
 に、警察は成り下がった。
 いや、最初から、
「そんな組織だったのだ」
 ということにしかならないのだろう。
 そんな詐欺に遭ってしまったことで、彼女は、非常に息子に迷惑をかけることになった。
 息子は、子供時代から、実は母親に厳しく育てられていた。さらに、息子が大学に入ってから、旦那が亡くなったことで、余計に、息子には厳しくなり、それに耐えられなくなった息子は、大学には、自宅から通えるのに、家を出て、独立したのだ。
 大学の費用は、父親の保険金と遺産で何とかなった。下宿代だけは、自分でアルバイトして、出していたのだ。
 息子は、それまでの反動からか、せっかく部屋を借りていたが、次第に、友達の家を泊り歩く時期が続いた。
 生前の父親は、それほど厳しくはなかったが、母親は、
「友達を家に連れてくることも、友達の家に泊まりに行ったりすることも、あまりいい顔はしなかった」
 ということである。
 特に家に連れてくることは、
「絶対にやめてくれ」
 と言っていた。
 実際に、近所づきあいもほとんどしていなかったし、そのせいか、近所を歩いていても、近所の人が挨拶をしてくれることもないので、
「近所にどんな人が住んでいるのか?」
 ということも、ほとんど知らなかった。
 それくらいに、自分も近所の人から、白い目で見られていたのかと感じたことも家を出た理由だった。
 だが、実際に家を出て、一人暮らしをしてみると、想像以上に、近所の人が、誰もかまってくれないということにビックリした。
「隣に誰が住んでいるのか?」
 あるいは、
「それどころか、住んでいるのかいないのか?」
 それすら分からないというほどである。
「何かの集まりがあったとしても、誰も出てくるわけではない」
 というほどで、これほど、ひどい状態になっているということであった。
「ああ、これじゃあ、近所づきあいなどするのも、嫌になるわ」
 と感じた。
 さらに、マンションに住んでいると、ゴミの捨て方一つで、嫌な目にあわされる。
 ちょっと、分別を間違えただけで、ゴミ置き場に出しておいたはずのゴミが、学校から帰ってくると、玄関先に置いているではないか。
 そこには、ゴミの分別を書いた紙が貼ってある。
「分別が悪い」
 という無言の圧であった。
 そんなことが何度もあったり、さらには、ずっと住んでいると、次第にマンションの状況が分かってきた。
「マンションには、何やら、風紀委員のような人がいて、そのまわりには、数名の取り巻きがいて、ちょっとしたことでも、風紀委員の目に留まると、取り巻きが行動を起こし、部屋の前にゴミを投機するなどというひどい嫌がらせとも言えることをするのであった」
 ということである。
 こんなことが起こると、何をどうすればいいのか?
 ということが分からず、
「ただ、嫌がらせを受けている」
 と思うと、疑心暗鬼にしなからない。
「まさかと思うが、郵便受けなども監視されているのかも知れない」
 とまで疑ってみたくなる。
作品名:因果のタイムループ 作家名:森本晃次