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因果のタイムループ

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 そして、B国は、同時に、宇宙開発と称し、ミサイル開発を行うようになるのだ。
 このミサイルというのが、
「大陸弾道弾」
 と呼ばれるもので、
「核弾頭も搭載可能な、長距離ミサイル」
 のことであり、正確に相手の主要都市を標的にできるというものだ。
 相手も同じものを開発したとすると……。
 世の中は、
「核によって、均衡が保たれ、核兵器を使用するということは、自国の滅亡を意味し、同時に、世界の滅亡も意味する」
 ということである。
 地表のほとんどの都市が徹底的に破壊され、地表では人類が死滅し、地下に生き残ったとしても、放射能により、
「自然界の摂理」
 というものは崩壊し、
「食料となるべき、弱肉強食が崩壊することで、その時は生き残ったとしても、やがて食料がなくなり、餓死を待つだけになるだろう」
 といえるのではないか。
 そんなことを考えると、
「やはり、人類。いや、地球の生物はすべて死滅の運命が待っているだけ」
 ということであった。
 そんな状態を、
「いたちごっこ」
 という。
 相手に勝ることが、自己防衛に繋がり、それが、
「戦争の抑止」
 にも繋がるということを、
「核開発競争」
 というものが展開され始めた時、誰もが、
「これで、戦争がなくなった」
 と思ったかも知れない。
 しかし、首脳は、さらにそれ以上のことを考える。
 というのが、
「不測の事態」
 ということである。
 それはどういうことなのかというと、
「もし、誰か第三者が、核の発射ボタンを押しかねない」
 という場合。
 さらには、
「責任者が、精神異常に陥り、普段なら押すはずのない、核のボタンを押してしまわないとも限らない」
 ということである。
 それこそ、
「重要なものを隠しておくために、金庫を使う時、カギと、暗証番号が揃わないと開かない」
 という仕掛けにし、さらに、権力集中を懸念して、
「カギを持つ人と、番号を知っている人が別々に存在しているとすれば、絶対にないとは言えないかも知れないが、限りなくゼロに近い形で、回避を試みることができるというものである」
 といえるだろう。
 実際に、ミサイルが飛んでこないように、相手も迎撃ミサイルを用意はしているが、
 問題は、
「もし、うまく命中したとして、ミサイルの先端に、核弾頭を積んでいればどうなるか?」
 ということを考えていないのだろうか?
 ということである。
「不測の事態」
 ということをしっかりと考えているにも関わらず、ミサイルが飛んできた時のことを、ここまで都合よく考えるというのは、それだけ、
「飛んできたミサイルに対して、どうすることもできない」
 ということになるのだろう。
 それを考えると、
 核戦争というものは、正直、どんなことをしても、
「核兵器が存在している以上、その脅威を払しょくすることはできないのではないだろうか?」
 ということになるのだろう。
 だから、本当は、開発するべきではない、
「パンドラの匣」
 というものを、人類は手にするに至った。
 という表現をしているが、まさしくそうなのだろう。
 そういう意味で、
「年金問題」
 というのも、本来であれば、どんなに運営が難しかったりしても、これまでに培ってきた、
「積立」
 という方法で成り立ってきたので、それに手を付けるということは、厳禁だといえるのではないだろうか?
 それこそ、
「開発してはいけない、死の兵器」
 というものを、開発してしまったのと同じで、浦島太郎の話でいえば、
「玉手箱」
 というものを、開発し、それを浦島太郎に渡してしまったということになってしまうのではないだろうか?
 そんな、
「消えた年金問題」
 であったが、それい関わることなく、それ以前の問題なのかどうなのか、考えなければいけないことも世の中には、たくさんあるのであった。

                 息子との確執

 そんな時代に、神崎恭平は、それまで培ってきた人生を、捨てることになってしまった。
 一言でいえば、
「詐欺に遭った」
 ということなのだが、相手が巧妙だったこともあって、まわりから見れば、
「騙される方が悪い」
 と言われても仕方がないほどであり、もっといえば、
「騙されたという意識は、誰にもない。本人自体が、感覚がマヒしてしまって、何もかも、自分が悪い」
 と思い込まされるほどに、巧妙だったのだ。
 ただ、それでも、自分だけが、損したというのは、理不尽であった。
 まわりは、何も困っていないのに、自分だけ、人生が狂わされてしまったのだ。自分の人生が、
「なぜ、こんなことになってしまったのか?」
 自分でも分からなかったのだ。
 ただ、警察では、
「本人にも分からないほどの巧妙な詐欺グループがいる」
 ということは分かっていた。
 しかし、手が出せないのだ。
 何といっても、
「被害者に、被害者意識がない」
 ということで、訴える人間がいないのであれば、警察も何もできない。
 訴えがあってこそ、動くことができる、
「いや、訴えがあっても、なかなか動くことをしないのが警察なので、これほど、詐欺グループや犯罪グループにとって、これほど、騙しやすい組織はない」
 ということである。
 下手をすれば、
「一般市民よりも、警察の方が扱いやすい」
 といえるだろう。
 何といっても、
「民事不介入」
 という原則があるので、警察の中には、
「詐欺グループ」
 などのような犯罪を謙虚する部署はあるのだろうが、この原則があることで、実際には、「捜査をするのも、一定の制限が掛かってしまう」
 といってもいいだろう。
 ただ、詐欺グループを野放しにしておくと、被害者が、損害に気付いた時、あるいは、自分たちが、
「どうにもならない」
 ということになった時、最後には、
「自らの命を落とそうとする」
 ということであれば、話は別である。
 そうなってしまうと、民事事件の範疇ではなくなり、完全な刑事事件となるだろう。
 自殺であったとしても、少なくとも、そこに、
「詐欺というもの」
 がなければ、被害者は出なかったのだ。
「人の生き死にに関わることは、もはや刑事事件だ」
 と思うのは、いけないことなのだろうか?
 そういう意味で、某元ソーリのせいで、自殺させられた人も、
「元ソーリによる殺人事件だ」
 といってもいいのではないだろうか?
 しかも、あの男は自分に都合のいい検事を、存続させたいという一心から、
「なんと、法律を変えよう」
 とまでしたほどだ。
「どれだけ悪党なんだ」
 といってもいいだろう。
 そんな時代であったが、神崎が騙されたということをうったえに、近くのK警察署に行くと、ほとんどの刑事は、
「それは気の毒だ」
 と口では言いながらも、
「でもね。我々はどこまで協力できるか分からないんだ。今の話を聞く限り、詐欺事件として立件するのは難しいところがある。できるだけやってみるけど、あまり期待しないでほしい」
 ということであった。
 神崎も、
「しょうがない」
 と思いながらも。正直、
「警察に期待するほど、この世を信用してはいない」
 ということは、神崎も分かっていた。
作品名:因果のタイムループ 作家名:森本晃次