可能を不可能にする犯罪
というのは、昔から言われていた、
「男尊女卑」
というものに対して、先進国で盛り上がった。
「女性の権利」
というものが、参政権などを中心に話ができてくるのだが、
そんな中で、いろいろな弊害が起こっているのも事実だ。
賛否両論あるのだろうが、今まで女性の職業で、
「女性だから」
ということで特別な言い方をしてきたものがあった。
たとえば、
「スチュワーデス」
であったり、
「婦人警官」
「看護婦」
などと呼ばれるものが、
「男女差別だ」
というように言われるようになり、まるで、
「放送禁止用語」
にでも指定されたかのように言われているが、作者とすれば、
「気にしすぎだ」
と思えるのだ。
「別に言葉で、差別されているわけではないので、被害妄想も甚だしい」
と感じるのだ。
それよりも、冤罪という問題の方が大きい。
今までは泣き寝入りしてきた痴漢問題なども、男性の方も、
「間違えられては怖い」
ということで気を付けていたにも関わらず、今度は、女性が、
「この人、痴漢です」
などといって、手を掴まれでもすれば、もうその時点で、犯罪者扱いが決定である。
もし、罪にならなかったとしても、社会的地位はなくなり、会社は退職を余儀なくされ、人生は崩壊に帰するだろう。
実際には、
「電車の揺れで、ただ手が触れただけかも知れないのに、いきなりの痴漢扱いというものであれば、それは、明らかに、女性の立場が、男性より上」
ということで、まるで、
「過ぎたるは及ばざるがごとし」
というような、本末転倒なことになってしまうのではないだろうか?
そんなことを考えると、
「男女平等」
というのも、行き過ぎてしまうと、結果、
「法律というものの、片手落ち」
と言えるのではないかということであった。
それが、男女の問題だけではなく、最近では個人情報の問題にも絡んでくるが、こちらは、まったく違うところから派生してきたものだった。
先ほどの、男女雇用均等法と違って、
「個人情報保護法」
というのは、男女雇用均等法というのが、
「以前から問題になっていることの解決方法」
ということが問題であったが、今度の、
「個人情報保護」
というのは、最近問題になっていることの、
「一種の派生型」
といってもいいだろう。
ここ、30年くらいで、コンピュータ関係の普及が爆発的になり、パソコンでなくとも、ケイタイ電話機能と一緒に、ネットを駆使できる、
「スマートホン」
というものが開発されて、時代は便利になり、簡単に情報を得ることもできるようになった。
その分、多種多様なサービスが使えるようになったわけだが、そんな中において、スマホを使った、新手の
「詐欺集団」
というのが出てきたのだ。
コンピュータが普及した時は、
「コンピュータウイルス」
というものが、インストールをすることで、
「勝手に、パソコンに入り込み、知らない間に、個人情報が抜けれる」
ということが横行した。
だから、ウイルス対策ソフトが開発され、
「サイバーテロ」
と言われるような集団と、まるでいたちごっこのような状況で、
「絶えず、相手よりも先に、高度なものを」
ということになり、
「勝手に個人情報が抜かれないようにしないといけない」
ということが急務になった。
だから、コンピュータい限らず、個人情報を扱うことに関しては、かなり神経質になってきた。
今までは、
「家に仕事を持って帰ってやっていた」
という人も、
「会社の情報を勝手に家に持って帰り、それが漏れる可能性がないとはいえない」
会社では、セキュリティがしっかりしていて、個人宅では、それも限界がある。
そうなると、
「会社から、何も持ち出せない」
ということになり、会社のネット環境も、決して表からは見られないような、暗号化したりと、実に神経質になるのだ。
だから、どこかの会社が、個人情報数十万人分流出したなどというと、大企業であればあるほど、大きなニュースになり、被害が起きないように捜査されるのだ。
個人宅に対しても、最近横行している。
「オレオレ詐欺」
「振り込め詐欺」
などというものも、スマホを介しての詐欺ということになる。
老人をターゲットにするのは、昭和最後の頃の事件であったことで、証明されているではないか。
つまり、詐欺の横行は、まず、
「個人情報に流出から始まる」
と言えるだろう。
「基本的には、皆用心をしているが、まさか自分にそんな詐欺が来るわけがない」
と思っている人の心理を巧みに利用して、詐欺を働くということは、そもそも、個人情報が洩れなければ、不特定多数に対しての、
「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」
ということになりはしないだろうか。
だから、
「個人情報の漏洩」
というのは、恐ろしいことなのだ。
つまり、
「女性蔑視、男尊女卑」
というような、
「昔からあったことで、今回問題になっている」
というものもあれば、
「個人情報保護」
というのは、最近になってから、コンピュータウイルスなどによる、
「情報漏洩」
などで、それを使った詐欺行為が横行してしまうことを防がなければいけないということから、
「個人情報の保護の法律」
ができたのだ。
事情が違っているというのは、そういうことである。
オオカミ少年
そんな中において、一人の男性が、都市伝説に怯えていた。
それは、
「自分のドッペルゲンガーを見た」
といって騒いでいるのであったが、それは、あくまでも、まわりから言わせれば、
「ただの妄想にしかすぎない」
といって、誰も打て遭わなかった。
なんといっても、その男は、
「オオカミ少年」
であったり、
「ほら吹き男」
などという、ありがたくない謂れを頂いていたのだ。
というのも、いつも大げさに騒ぐのだが、それが当たった試しがないからだった。
最初の頃は、それでも、
「ウソかも知れない」
と思いながらも、
「本当だったら、まずい」
と思ったのだ。
そもそも、オオカミ少年という話を、寓話として、自分たちは知っている。
そして、子供の頃に、
「オオカミ少年」
というと、デマばかりを流していて、
「オオカミが来た」
と言い続けたのだ。
それに対して、
「どうせ、いつものデマではないか?」
といって誰も信じなくなったところで、今度は本当にオオカミが来たことで、その村は全滅し、確か。少年も一緒に食べられたということではなかったか?
この話において、
「では一体誰が悪い」
というのか?
つまりは、寓話なのだから、
「誰に対しての戒めか?」
ということであるが、
この話においては、まずは、
「オオカミ少年が悪い」
ということは分かっている。
完全な愉快犯で、世間を騙しているのだから、一番の戦犯は、この主人公の少年であることに間違いはない。
しかし、寓話とすれば、
「浦島太郎」
のような例もあるが、
「最後は悪い人間がバツを受け、いい人間は報われる」
ということでなければいけないだろう。
浦島太郎の場合は、
作品名:可能を不可能にする犯罪 作家名:森本晃次