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三つ巴の恐怖症

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 日本の場合は、憲法にて、専守防衛が決まっているので、いくら同盟を結んでいても、同盟国が攻撃されているからといって、反撃してはいけないのだ。
 あくまでも、
「自国が攻撃された場合、法律の範囲内での、防衛することができる」
 というものである。
 これは、まるで、刑法などにおける。
「違法性阻却の事由」
 というような、
「正当防衛」
「緊急避難」
 というものでもない限り、ありえないということになるのだった。
 そんな日本において、実は、もう一つ、極秘裏に動いているプロジェクトがあった。
 こちらの方がその機密性は高く、
「国家のトップクラスの人間であっても、知っていてはいけないレベル」
 であった。
 そのために、日本には、大日本帝国に近い形のものが、極秘裏に存在していた。だから、日本という国は、
「表の国家が存在していて、さらには、裏にも、国家というものが存在している」
 ということである。
 これは、もちろん、アメリカ政府も知らない。本当の地下組織であり、普段は、政府として、まったく機能しているわけではない。
 もし、この組織が、
「国家として成立し、表に出てくることがあれば、それは、すでに、日本という国が、今の日本ではなくなってしまった時であり、自分が、その時に生きているという保証は、どこにもないのだった。
 この組織は、大日本帝国における軍国主義が基本になっている。その主義において、何が強いのかというと、
「軍と警察」
 であった。
 すでにその時は、
「日本国政府」
 というものは、この世には存在せず、存在しているものというと、
「新しい国家体制による、富国業兵がなされたあとの強力が軍隊と、どこにも妥協しない、腰抜けの日本政府ではない、新たな国家であろう」
 と考えられる。
「その時は、何が起こってそんな風になっているのか、想像もつかない」
 誰に想像がつくというのか、実際に、その時を密かに待っている、秘密組織の幹部たちにも想像ができない。
 何と言っても、裏の政府として、その出番をじっと待っている幹部連中も、
「できることなら、俺たちが中心となった政府など、できないに越したことはないのだ」
 ということであった。
 そんな政府ができるということは、現在の日本政府が瓦解して。本体なら無政府状態で、カオスな世界の、一種の無法地帯状態において、モラルも何もなく、ただ、
「今日をいかに生きるか?」
 ということを考えるだけで、その存在は、どうすることもできないのではないだろうか?
 そんな秘密国家体制が、闇に蠢いているということを誰も知らないはずなのだが、実はこの街の湖のほとりにある、療養所は知っていたのだ。
 知っているといっても、理事長だけが知っているだけだった。だから、具体的な現場の人にはする由もなく、だから、現場からどこかに漏れるという心配もなかった。
 つまり、
「ここ日本には、少なくとも、二つの誰にも知られてはいけない、国家ぐるみに近い組織がある」
 ということだ。
 一つは、国家の中でも一部の人が知っているだけで、表には出せないという
「療養所」
 の存在がある、
 その理由が、創設当時の幹部に、
「731部隊」
 のメンバーが関わっていたということが、今に尾を引いているからであった。
 ただ、実は、それは表向きのことで、本当は別に理由があるのだ。
 その、731部隊という問題があったとしても、本体であれば、
「あれから何年経っているというのか?」
 ということである。
 すでに、50年どころか、さらにそこから四半世紀が経っているのだ。
 その人の、子供の孫が、今はすでに幹部になっていてもおかしくない時代である。
 国家元首を世襲で行ったとすれば、
「すでに、3代以上くらいは続いている」
 というくらいの時代背景ではないだろうか?
 というのも、近くにある国で、国家元首が、世襲で受け継がれている国が、戦後から存在するが、そこも今は三代目ということになるではないか。
 もっといえば、今の日本の天皇おそうだ、
「昭和から平成、そして令和」
 と長く続いていることである。
「この元号は、天皇一代で、一元号ということに、明治以降は決まっている」
 しかも、今回の、
「平成から、令和」
 へと受け継がれたのは、これまで基本だった、
「生前退位」
 があってはならなかったのだが、今回特例ということで認められ、明治以降の初めて、
「上皇」
 というのが存在するようになったのだ。
 これは、元々、
「これは、
「歴史上みられたような上皇や法皇の存在が弊害を生むおそれがあることと、天皇の自由な意思に基づかない退位の強制がありえること」
 が理由であるということであったが、政府での話し合いにおいて、
「特別法」
 を制定し、とりあえずは、
「今回は特例」
 ということで、平成天皇の生前退位を認め、上皇が存在することになった。
 しかし、これも考えてみれば、確かに歴史的に、平安時代などで行われた、
「院政」
 というものがそれであり、天皇が、
「上皇になることで、天皇よりもさらに強い力を握ることで、自分の権力を維持していける」
 という、それこそ、自分の立場を、誇示するということで、
「天皇の都合」
 によっての、いわゆる、
「見せかけの譲位」
 ということであった。
 だが、それは、天皇が、
「国家元首だった」
 という時代のことで、そもそも院政の始まり自体が、
「白河上皇の、皇位継承問題を有利にするため」
 ということだったはずだ。
 それだけ、自分の都合で、政治をいかようにもできる天皇というのは、そこまでの力があったのだ。
 しかし、今の天皇は、あくまでも、
「象徴」
 である。
 大日本帝国においては、
「立憲君主の国」
 ということで、実際に憲法上では、
「主権は天皇にあり、決定権のほとんどは天皇にあった」
 ということであった。
 前述のように、
「軍を統率はするが、政治には口を出さない」
 という慣習が存在し、そのように行われてきた天皇制は、日本においては、
「うまく行っていた」
 といってもいいだろうか。
 正直そのために、、政治利用され、軍国主義に突っ走ったのは、天皇制があったからといってもいいかどうかは、果たして答えが出ているかどうか難しい、答えが出るとすれば、それは、今の、
「民主主義になって、大日本帝国は間違いだった」
 と言えるだけの根拠がなければ、証明されたことにはならないだろう。
 そういう意味で、この、
「日本国」
 というのは、本当にいい国だと胸を張って言えるだろうか?
「戦争がなかった」
 というだけで、どんどん悪い方に進んでいく。
 政府の腐敗がそのいい例ではないだろうか?
「やはり、この国は、どこまで言っても、そこから超えることができない結界の中で、右往左往しているだけの国なのだ」
 ということであった。
 そんな中で、療養所が、一つのクーデターを起こした。
 それは、世間一般には分からないことで、分かってしまうとまずいということになるのではないかと思えるのだ。
 そのことをどのように考えるかというと、
作品名:三つ巴の恐怖症 作家名:森本晃次