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ステルスの村

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 といってもいいだろう。
 今までにも極悪犯罪はたくさんあった。
「青酸カリを飲ませて金品を店から盗む」
 という事件。
 さらには、
「未成年が、児童を殺し、バラバラにした」
 という事件もあった。
 さらには、数十年も女性を性欲目的のために、監禁したという事件もある。
 もっとひどいのは、
「企業を脅迫するために、スーパーの食品に、無差別に青酸カリを投入した」
 という事件もあったくらいだ。
 そんな極悪な犯罪に、
「負けずとも劣らず」
 というこの事件は、本当にひどいの一言では片付けられないものだったに違いない。
 さらに、今回において、もっと恐ろしいのは、
「人間の信頼を利用した」
 というところである。
 老人になると、どうしても寂しくなり、若い人から優しくされれば、
「まるで息子のようだ」
 ということで信頼してしまう。
 女性社員などは、
「さらに、色仕掛け」
 ということもあった。
 老人だといっても、行為はできないまでも、若い女性に優しくされれば、感情移入はハンパないだろう。
 身体を洗ってくれたり、下の世話までしてくれるのであれば、それは完全に、信用してしまうだろう。
 それを考えると、
「老人の寂しさ、優しさに付け込んでのこと」
 であり、
 さらに問題なのは、そんな老人は、
「本当に一人ではない」
 という可能性がある。
 つまりは、息子夫婦がいたりしても、遠隔地だったりして、なかなか世話もしてもらえない。
 そんな状態で、
「息子たちの人生があるのだから、私の老い先短い人生を壊してはいけない」
 と思っているので、息子たちもそれに甘えるだろう。そして、遺産だけもらおうという根性であれば、
「詐欺が入り込むには、十分」
 ということで、詐欺グループもそんな家庭環境をしっかり調べてのことに違いない
 そうなると、老人もコロッと騙されるし、息子夫婦も、
「これはありがたい」
 ということで、まったく犯罪に気付くことはない。
 気づくと、息子夫婦も、
「自分たちが貰うはずの遺産を、詐欺グループに持って行かれる」
 ということになるのだ。
 それは、完全に、老人が、遺言を書き換えるなどということがあるからで、
「詐欺グループはそこまで信頼されている」
 ということで、これも、
「非常に恐ろしい社会問題だ」
 ということになるのだった。
 そんな恐ろしい事件があったことで、老人も気を付けるようになったはずなのに、最近のサイバー詐欺は、また老人を狙ったものが多くなった。
「オレオレ詐欺」
「振り込め詐欺」
 などというのが、その代表例で、それだけ、
「老人相手であれば、騙しやすい」
 ということを、証明したということでも、昭和末期の詐欺事件は、罪が深いといってもいいだろう。
「あの社長も、許せない存在だが、何もあそこで殺されなくとも」
 という人もいたが、
「それはあくまでも、他人事だと思っている人で、実際には、そういうことはないだろう」
 と言われる。
 家族やまわりに被害にあった人はもちろん、捜査に当たった警察官というものも、その気持ちになることは普通にあるのではないだろうか?
 そんなことを考えると、
「やはり、あそこで殺されたのは、運命だったんだ」
 といってもいいだろう。
「殺されるべくして殺された」
 と考える人も多く、アンケートを取れば、
「殺されて当然という人がほとんどだった」
 と言えるだろう。
 ただ、そんな質問ができるわけもなく、
「質問ができていれば」
 というだけのものだったのだ。
「あの時の犯人はどうなったんだろう?」
 と思えるが、そもそも、
「あの人は何だったのか?」
 ということすら、ほとんど忘れている人も多いだろう。
 世間というものはそういうもので、
「気がつけば、忘れていた」
 あるいは。
「こんなこともあったな」
 と後になって思い出すことが多いだろう。
 確かに、
「放送事故のようなものを引き起こした」
 あるいは、
「社会問題的に大きな問題に首を突っ込んで、法律で裁かれる人間を、私恨によって、殺してしまった」
 ということを考えると、その罪が少なからず重いということも分かるというものだ。
「私恨を許してしまうと、法治国家としての、司法の立場はなくなってしまうといってもいいだろう」
 ということになる。
 もちろん、だからといって、世間の反応が、
「殺されても仕方がない」
 という相手なので、
「極刑」
 なということは、許されないだろう。
 そう思うと、
「判決も難しい」
 ということになる。
 確かあの頃はまだ、裁判員裁判だったかどうか分からないが、あれから判決が出るまでに、どれくらいの期間が掛かったのかが分からないので、裁判員がいたかどうかは、微妙なところである。
 そうなると、
「判決というものをいかに考えるか?」
 ということは、
「裁判官だけで、市民の意見は反映されない」
 ということであり、これがいかに影響するかというのは、興味深いところであった。
「実際に判決がどうだったのか?」
 ということを知りたいものである。
 この村に、以前、詐欺師のようなやつが来たことがあった。
 きっと、この村が、
「平均年齢が高い」
 ということを、住民台帳か何かを調べ、やってきたのだろう。
 役所をハッキングするくらいのことは、最近の詐欺団体では、当たり前のことだからである。
 そして、
「年寄りだったら、他で使いつくされたような手口でも、簡単に引っかかるだろう」
 ということで、いわゆる、
「オレオレ詐欺」
 をやった団体があった。
「おばあちゃん、俺会社でミスをやって、どうしても、100万いるんだよ」
 といって、いきなり、老人の家に電話を入れる。
 そのおばあさんが一人でいることも分かっていて、そして、さらには、
「最近のやり口」
 として、本人は、公衆電話から掛けてきていて、こういうのだ。
「俺、今ケイタイが壊れているので、この電話で指示する」
 というのだ。
 これは、実はうまい方法なのである。
 というのは、もし、相手が、オレオレ詐欺を疑っても、
「ケイタイが壊れている」
 といえば、
「折り返して掛けてくることはないだろう」
 というやり口である。
 相手が普通に老人なら、その言葉をまともに信じて、それ以上に、
「孫を助けなければ:
 ということで、
「そっちに神経が集中して、疑うことをやめるに違いない」
 という考えである。
 つまりは、
「それだけ、老人を甘く見ている」
 ということである。
 しかし、ここの老人は、今まで自分たちだけで生きてきたのだ。世間の荒波も分かっているつもりである。
 ニュースだってしっかり見ていると、
「このような手口が流行っている」
 ということも、熟知しているのだ。
 だから、ここの住民を、
「老人しかいないから、簡単に騙せるだろう?」
 というのは、甘い考えで、逆に、
「飛んで火にいる夏の虫」
 ということだ。
 すぐに警察に連絡が入り、騙されたふりをして振り込みにいくのを、確認しようなどとすると、相手も安心しきっているので、簡単に検挙されてしまうということだ。
 もちろん、
作品名:ステルスの村 作家名:森本晃次