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ステルスの村

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 そんな生徒は、昔なら、退学をして、ハングレ集団に入って、警察の世話になることなど頻繁になってしまうか、あるいは、精神を病んでしまって、引きこもりになったり、学校にもいけず、
「精神科に入院」
 ということになるだろう。
 今でこそ、そんな人が多く、精神疾患など、結構な人が患っているという時代になってきたが、ちょっと前だったら、精神病院というと、
「昔のサナトリウム」
 のような、コンクリートに囲まれた、それこそ、
「プリズン」
 と呼ばれるような、鉄格子が嵌ったところに押し込められるというのを想像してしまう人もいるだろう。
 実際に、暴れたり、奇声を挙げる患者がいれば、そういうところもあるだろうが、そうなると、社会的には、
「抹殺された」
 といっても過言ではないだろう。
 そんな時代になると、
「一体、どうすればいいんだ」
 ということになってしまうことであろう。
 そういう意味では。この村の治安は、学校も安全安心であった。
 他の村や町の学校のように、
「完全に乱れた」
 というところではない。
 昭和の頃などは、
「窓ガラスが割れてしまい、一枚も、づ通ではない」
 というそんな、
「不良」
 が蔓延ることで、
「学校ではどうすることもできず、警察に出動要請を掛ける」
 ということも、日常茶飯事であった。
 その時は恨みの矛先は、先生であったり、学校側だった。
「お礼参り」
 などという、卒業式の後に、先生をボコボコにするという儀式も平気で行われていたのだった。
 さらに、今度は、昭和から、平成になると、
「家庭でのいざこざによるストレス解消が、同級生に及ぶ」
 ということになる。
 それが、いじめ問題というもので、
「苛めといっても、昔からあったのだが、その苛めのレベルが、段違いなのだ」
 苛めがあっても、途中で苛めっ子が、
「あの時は悪かったな」
 といって、謝罪したりすることもあり、そこで、謝られた方も、その気持ちを汲んで、
「何事もなかったかのように仲良くなる」
 というのが、当たり前だったのだ。
 しかし、平成以降の苛めは、
「自殺をしないと苛めが止むことはない」
 ということで、苛めを苦に、自殺をする生徒が一気に増えたのだった。
 そんな時、学校の先生は、何もしようとしない。
 苛めがあっているということが分かっているくせに、それを自分たちが下手に動けば、そのターゲットが自分に来るということを恐れているのだろう。
 やはり、昭和の時代の、
「お礼参り」
 というのが怖いのであろう。
「気持ちは分からないわけはないが、だとすれば、苛めにあった生徒はどうなるのだろうか?」
 ということになると、
「俺がどうすればいいのか?」
 ということを考えると、
「俺一人がかぶってしまって、生徒全員に今度は迷惑をかける」
 ということを考えるのであればまだいいが、
「俺が何かあっても、学校は何もしてくれない」
 という、学校というものをわかっている先生だから、自分から事を荒立てようとはしないのだ。
 つまり、
「苛められている生徒を人身御供にして、自分を守るしかない」
 という状況になるのだ。
 正義感の強い先生は、そこで病んでしまうかも知れない。
 苛めている生徒から、少しでも攻撃らしいことを受けてしまうと、
「もう俺には、やっていけない」
 ということで、耐えられなくなるだろう。
 だから、今の時代には、
「先生の精神疾患」
 というのもたくさんいて、それが、
「社会問題になっている」
 といっても過言ではないだろう。
 そんな問題が多い中で、今回の
「行方不明者」
 の中に、若干の精神疾患者と呼ばれる人が数名いたということが判明したのは、それから少ししてのことだった。

                 大団円

 いなくなった人たちというのは、後で調べてみると、
「この村では秀才ぞろい」
 ということであった。
 最初は、
「見つかった彼らが、どうして行方不明になったのか?」
 ということを、必死で村の首脳は探ろうとしていた。
「こんなことが、これからも起こったら、村の威信にかかわる」
 ということであったが、よく調べてみると、
「秀才ぞろい」
 だということが分かったとたん、急に、捜査をするのを辞めたのだ。
 警察の方でも、警察は警察で威信にかけて探っていたのだが、村がやる気をなくしたとたん、
「ああ、あの捜査は打ち切りだ」
 と上司に言われた部下は、
「えっ? どうしてですか?」
 と答える。
 それはそうだろう、前日まであれだけ鼻息荒く、
「警察の威信にかけて」
 と叫んでいたのが、いきなり、打ち切りという打診。
「一体どういうことだ?」
 と思って当たり前だった。
 それでも、
「なぜ?」
 と聞くと、上司はいきなりキレて、
「何でもかんでも、捜査は終わりだ」
 といって、怒っている。
 それを見た時、さすがに部下にも分かった。
「ははぁ、上から圧力がかかったな」
 ということであった。
 さすがに部下も、殺人事件が起こったわけでもなく、全員無事に帰ってきた事件を、闇雲に捜査させられていたのだから、それは辞めるとなると、ラッキーだと思っても不思議ではない。
「これで、少しは楽ができる」
 と思ったことだろうが、それでも、
「上からの圧力って、一体何なんだ?」
 と気になってしまう。
 警察に入った時。
「上からの圧力には屈しない警察官になりたい」
 などという、今から思えば、
「なんて、青臭いことを言っていたんだ」
 ということであったが、それでも、気になるものは気になる。
「ひょっとして、上層部の家族か、その人のバックにいる団体が絡んでいるとかそういうことなのか?」
 とも思ったが、そのうちに、
「あの村も、あれだけ探りを必死になっていれていたのに、今は何もしようとしない」
 ということであった。
 それを考えると、
「まさか、村人が、絡んでいるのか?」
 と考えてみたが、
「その理由がどこにあるのか?」
 ということが分かるわけもなかった。
「上層部の考えていることは分からない」
 と思いながらも、
「上層部だけではない。昔からのあの村がどういう村だったのか、あんな閉鎖的な村は見たことがない。警察組織のダークさと、変わりはない」
 と思うのだった。
「ダークとブラック」
 どこに違いがあるのかを考えてみた。
 そんな彼ら、あるいは、彼女たちは、何かの計画で姿を隠したようだった。
 そこに誰かの策略が隠れているかは分からない。ただ、少なくとも、村人、あるいは、その首脳の知るところではないだろう。
 ただ、彼らがやったことは、何か、
「村のために」
 と思って、考えていることではないだろうか?
 つまりは、
「何かの幽霊騒ぎでも起こして、他の街や村から人が流入しないように考えているのかも知れない」
 そこで、一つ気になっていたこととして、村の幹部の中で、
「密かに、他の村の人と結んで、金儲けを考えている人がいる」
 というウワサだった。
 そのウワサは、どうも、
「内部リーク」
 のようで、
作品名:ステルスの村 作家名:森本晃次