後味の悪い事件(別事件)
というところなので、そこまで下がって、それ以上下がらないということは、
「最低ラインに落ち込んだ」
ということを示しているのだった。
清川という男は、あまり人とかかわりがない。それだけに、ニュースを結構見たりするのだが、そのせいというか、
「おかげ」
もあって、政府のいろいろなウワサであったり、どれだけの状態が、今巻き起こっているかということも分かっていた。
「世界的なパンデミック」
によって、世間は、人と会うことを禁止されたり、出社もできないという状況から、精神的に病んでいく人を見ることもあった。
それを考えると、
「却って、今の方が自由なんだ」
と思うようになったが、ニュースではロクなことを言っていないので、将来に対しての不安や、不満というのも大きくなってきている。
そんな毎日が、子供の頃からあった自分だったが、このパンデミックの間には、余計にひどくなってきたような気がするのだった。
昔ながらの喫茶店
そんな清川だったが、パンデミックが少しずつ収まってきた頃、政府が、本来ならまだまだパンデミックが続いているのに、それを無視してなのか、
「このパンデミックに対しては、もうそんなに心配をしていない」
というような宣言をして、
「これからは、なくなることのないこの伝染病と、うまく付き合っていく方法を模索していく」
などということで、波が来ても、今までのような、
「人流制限」
が掛かるような政策は行わない。
つまりは、
「経済を止めるようなことはせず、後は国民の自主性に任せる」
というような言い方をしていた。
まだ、交通機関であったり、室内においての、マスク着用は、要請していた。言っていることは、格好のいいことを言っているが、しょせんは、
「国家はもう、知らないから、自分の命は自分で守れ」
という、政府は匙を投げたというのと同じである。
どうせ、いくつもの経済団体からの圧力で、
「これ以上締め付けるなら、政権を応援しない」
などと言われたのだろう。
しかも、これ以上かまっていては、自分たちの金がなくなるというわけである。それも国家の金ではなく、自分たちが着服する金のことであろう。
国民からすれば、嬉しいだろう。
国家からの締め付けがなくなるわけなので、経済活動も思い切りできるからである。
それだけ、パンデミックの最中、
「○○宣言」
などといって、国民を締め付けていたというのか。
しかも、政府お、
「休業要請」
であったり、
「時短要請」
に答えてくれたら、
「補助金を出す」
という、その補助金を当てにして、時短や、休業に答えていたのに、実際にやってみると、
「手続きが面倒臭い」
であったり、
「申請しても、なかなか補助金が下りない」
などのクレームがたくさんあったではないか。
何しろ、同じ政府が進めている今の。
「マイナンバーへの移行」
というところで、どれだけの不具合があったことか。
しかも、それが、
「個人情報の流出」
という、とんでもないことになっているのだ。
本当は、
「1件でもそんなことがあったら、言語道断であるにも関わらず、あちこちで、どんどん出てきて、大きな社会問題になっている」
といってもいいだろう。
それなのに、政府は、さらに推し進めようとしている。
しかも、保険証などと一体化させて、保険証の廃止をしようとしているではないか?
こんな状態で、それを実行すればどうなるか?
それこそ、パンデミックを、
「自分たちとは関係ないから、自分の命は自分で守れ」
と言った政府と、やっていることは同じである。
実際に、政府の支持率が下がっているのは、
「子育て支援問題」
だけではなく、この
「マイナンバーカード問題」
も大きな問題なのだ。
この問題をいかに解決できるかということが確かに重要である。
ここに関しては、政府がやろうとしていることは、子育て問題のような、直接的に間違っていないのかも知れないが、
「目の前で起こっているリアルな不具合。しかも、個人情報に絡むという大問題があるのだから、本来なら、一から考え直すなどがあってもしかるべきなのに、何の根拠もないのに、政府が調査し、改善していくから、計画通りにやる」
というのだ。
誰が信じるというのか。
基本的に、
「最初から、こんなことがないように、すべてを網羅した、移行計画を作成し、それに向かって、間違いがないことをっチェックしながらやっていくのが、計画というものではないか」
と言えるのではないか。
それが、蓋を開けてみれば、
「とんでもないことになっていて、政府は、誠に遺憾だ」
としか言わない。
自分たちが自分たちの責任でやっていることを、
「まるで他人事」
ではないか。
つまりは、
「最初から他人事でやっているので、自分たちに責任はない」
と言っているのだ。
だから、根拠のない、無責任な言い方にしかならない」
そんな政府を誰が信じるというのだろうか?
支持率が下がるのも当たり前だ。
かたや、平行して、
「子育て支援」
の方では、自分たちが、主導でやっていることは、完全に、あからさまな政策で、
「何とか、金は出すが、少なく済ませたい」
という気持ちが表に出ているではないか。
「そんなもの、外国の戦争している国に無償で金をやり、さらには、武器まで供与しようというのである」
これこそ、おかしなことではないか?
本来なら、
「戦争を辞めるように、説得するのが、国際社会の役割」
ではないか?
それを、他の国もそうだが、戦闘機や戦車を供出し、
「殺りく兵器を与える」
というのだから、
「もっと戦争しろ」
と煽っているようなものではないか。
そんな金があるのなら、なぜ、国民を救わない。今でも、パンデミックの影響で、どんどん倒産したり、破産した会社だってあるだろう。
それを放っておくのだから、当然、支持率は下がるというもので、いまだに政権が存在していることが信じられないといえるだろう。
先日の街角インタビューで、女性にインタビューしていたが、その内容は、
「内閣について」
であったが、その時の言い方は、テレビということもあって、普通なら、余計なことは言わないはずで、それでも、その人は、
「今のソーリも、もっと海外ばかりではなく、日本に眼を向けてほしい」
と言っていた。
そう、この人は、
「かなり、言葉を選んでいっているはずなのに、言っていることはしっかりしている」
ということである。
的を得ているという言い方で、他の人がどのように考えているのかということであるが、きっと皆同じことを考えていることだろう。
「こんな政府、支持するつもりはない」
というのを、皮肉で言っているだけだろう。
これを聞いて、政府は、どうせ、
「自分の支持者が、政府のために言ってくれている」
とでも思っているのだろう。
もし、そうだとすれば、これは、完全に、
「お花畑」
でしかない。
ということだ。
政府というものが、いかに、国民を舐めているかということが、もし、これを、
作品名:後味の悪い事件(別事件) 作家名:森本晃次