後味の悪い事件(別事件)
「支持、不支持が同じくらい」
というところまで回復したのだが、そこから、また下降してくるのが見えてきたからだった。
それは、本当にバカな政策で、
「やってます」
アピールと、
「政策のひどさ」
というものが、あからさまになってきたことからも問題であろう。
どういうことかというと、今でも、子育てには支援金が出ているのだが、今回の問題としては、
「第三子からは、少し高い給付金を与える」
というものであったのだ。
それを、
「いかにも、政府が思い切ってやっている」
かのようなアピールをしてくるが、
「第三子のいる家庭など、最初から少ないわけ」
なのだが、さらにそこに、おかしな条件を付けてきたのだった。
というのも、
「第一子が、高校を卒業すれば、その子は、第一子としてカウントしない」
というものだった。
つまりは、
「高校を卒業しようとしている家庭があり、第三子が生まれたのと同じ頃に、第一子が高校を卒業でもすれば、第一子は、第一子ではなくなり、次男がスライドしてくる形で、第一子と計算するということになるので、今度生まれた子供は、第二子ということになり、支援金は受けられない」
ということにあるのだ。
それこそ、ただでさえ少ない第三子の括りをさらに、拡大しようというのだから、
「これほどひどいものはない」
ということである。
さらに、この問題で、もっと大きなことというと、
「そもそも、視点が違っている」
という話である。
問題は、
「少子高齢化」
ということであり、
「子供の数を増やさなければいけない」
というのが当たり前ということである。
もっといえば、
「第三子に補助金をやったからといって、第四子を作るのか?」
ということになるわけで、普通に考えれば、そんなことをする親が、どこにいるというのか?
ということなのである。
そう、そもそもの問題は、
「支援金を与える相手が違っているのではないか?」
ということなのである。
どういうことなのかというと、まず、前提として、
「これは皆に言えることではないか」
ということを大々的に言っておく必要があるのだが、そもそも一番の問題は、
「少子高齢化」
というものを何とかするということなので、その優先順位としては、
「子供をたくさん作る」
ということである。
そうなると、
「今子供を育てている人に支援金をやるよりも、子供がほしいのに、諸事情で作れない人に上げる」
という方が、いいのではないかということである。
つまり、
「子供がほしいのに作れない人の一番の理由は、お金がないということに掛かってくるのではないのだろうか?」
そもそも、子供のいる人は、
「子供ができても、やっていける」
と考えたから作っているのであって、子育てする金くらいはあるはずだ。
「想像していたよりも、金がかかる」
というのは、それだけ無計画だったともいえるかも知れない。
もちろん、今のように物価が上がっているというのは、そのほとんどの原因が政府にあるおだから、
「子育ての人に少しでも補助を」
というのは当たり前のことで、元来、これと、
「少子高齢化問題」
とは別物のはずなのだ。
それを、政府が一緒にいうから、支援金の正当性をさらに高めることで、
「国民に恩を売る」
とでもいうか、
「票を少しでもキープできる」
ということでの、
「やってますアピール」
というものなのだ。
そんなものに、国民は引っかかって、最初は支持率が増えていったが、実際には、
「国民もバカばかりではない」
ということで、やっと、ソーリのバカさ加減に気付いてきたことで、支持率がまた下がり始めたというものだ。
「あんな、あさとい性格を打ち出すのだから、それは当たり前というものだ」
ともいえるだろう。
政府というものが、そんな情けないものだったということに気付いた国民が支持率を動かすことで、最初は、
「解散総選挙」
をもくろんでいた政府も、支持率下落で慌ててしまい、
「やっぱり、やぁめた」
というような、子供の発想をしているのだから、
「これほど情けないものはない」
ということになるだろう。
結局政府内でも、
「ソーリに引っ掻き回された」
と思っている人も少なくはないだろう。
これが、政府与党の内情であり、
「いつまで、こいつに反りをやらせるんだ?」
ということになる。
どうせ、誰がやっても同じなのかも知れないが、どんどん悪くなるのは、どうしたものだと言えばいいのだろう。
そんなソーリだが、言葉では、
「少子高齢化政策」
といっているのだが、これは元々、
「物価上昇」
という状況に陥ってしまったことで、下落してしまった支持率を。。
「何とかしよう」
としての
「急場しのぎだ」
ということであろう。
とりあえず、問題になっているところ、そして、それが、票に結び付く可能性があり、しかも、一番騙しやすいところということを考えると、
「子育て世代の主婦」
ということになるのだろう。
現実の目の前のことで、
「どうしていいのか分からない」
という人たちで、普段から、政治にまったく興味がない。
つまり、
「盲目の人間を洗脳する」
ということが、一番手っ取り早いということになるのだ。
それを考えると、
「騙しやすく、さらに、少子高齢化ということとも、接点がある」
ということで、支持率上昇を狙ったのだろう。
最初は、それが功を奏したというのか、計算通り、支持率を上げてくれた。
それによって、いろいろ精神的に余裕が出てきた。このソーリは、
「これなら騙し続けられる」
とでも思ったのか、
「第三子の補助金を上げる」
と言ったことで、さらなる、支持率の上昇を狙ったのだろうが、
「そうは、問屋が卸さない」
ということになる。
確かに、第三子のいない人は関係ないと思っているだろうが、実際に第三子が生まれて、それが、長男が高校を卒業したとたん、
「第二子に昇格」
ということで、
「補助金なし」
と言われたとすれば、その主婦はどう思うだろう。
「騙された」
と思うに決まっている。
なぜかというと、女性というのは、現金なもので、都合のいい時は何も考えずに、支持をするが、逆に、何かあった時は、
「すべてを相手の責任にして、自分の正当性を考える」
となると、
「すべてを政府のせいにして、政府批判を始めれば、団参し問題で対象者もさることながら、第三子に関係のない主婦までも、政府のあからさまなカラクリに気付くことになり、これまで、支持率を上げてくれた人が、全員敵に回ってしまうと、政権維持ギリギリまでに落ちるだろう」
ということだ。
しかし、もっと言えば、そこから拡散されていくわけだから、
「政党を昔から支持している、固定票」
しか残らないとすれば、もうその時点で、
「政府は終わり」
なのだ。
見かけは、20%以上の支持率があっても、実際には、限りなくゼロに近いのだ。
ということは、
「どうやったって、それ以上下がることはない」
作品名:後味の悪い事件(別事件) 作家名:森本晃次