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一触即発の謎解き

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「ああ、もちろんそうさ。何でもかんでも、科学捜査ですべてが解決できるのであれば、今の警察も、あそこまで能無しではないさ。もっとも、その科学捜査が発展したとしても、それを使いこなせるかどうかというのが肝になるのさ」
 と、川崎に掛かれば、警察はボロクソであった。
「川崎って、何か警察に恨みでもあるのかな?」
 と思うほどであったが、確かに、川崎は、警察に恨みを持っているようだった。
 それがどこから来るのか分からないが、話の合間であったり、人に突っかかっていくこともあるくらい、警察というものに対して。敏感に反応していた。
 だからといって。普段から、逆上するタイプではない。いつも、
「冷静沈着な性格だ」
 と皆から思われていて、だからこそ、その中でも警察というものに対してのこの態度は、目立つものがあるといってもいい。
 そんな川崎なので、時々、こういう、
「警察を愚弄する」
 というような発言をすることもある。
 まわりの人間は、警察を好きも嫌いでもないが、どちらかというと、
「頼りない」
 という意味で、嫌いな方が強い人ばかりであろう。
「ばかり」
 などというと、生易しい。
「皆、大なり小なり、そう思っていることに間違いはない」
 と感じているのだった。
 そんな警察というものに
「挑戦する」
 というのは、結構面白いもので、答えがみつからなければ、
「まあ、しょうがない」
 ということにして、答えが、それなりの形で見つかれば、
「やっぱり無能何じゃないか?」
 ということになるのだ。
 自己満足でしかないのかも知れないが、川崎はそれでいいと思っていた。
 少なくとも、まわりの皆にも、警察の無能さというものが分かるというものだからであった。
 ただ、川崎が、
「どうしてここまで警察のことを毛嫌いしているのか分からない」
 と思っていた。
 しかし、何らかの恨みはあるのは分かるが、その恨みもそんなに深いものではない。それであるならば、警察に対しての恨みをなぞなぞのような形で解消できるのであれば、それを自分たちも
「ゲーム感覚」
 というもので、応対してやろうと、飯塚は感じていた。
 飯塚が、いつも、川崎に対して、相槌を打っているのも、
「本当に分からない」
 というわけではなく、相槌を打つことで、
「川崎の、苛立ちが少しでも収まればいい」
 という考えがあったのだ。
 それだけ、飯塚という男は、頭のいい男であり、それをまわりに感じさせないところが、素晴らしいだろう。
 川崎がそれをわかっているかどうかは、分からないが、川崎にとって。飯塚という男は、
「実にいいパートナーだ」
 といってもいいだろう。
 今回も、川崎の出した、
「なぞなz」
 いや、
「テーマ」
 に対して、今回は助っ人として、いちかがいるではないか。
 いちかという女の子は、
「結構頭がいい」
 というのは、定評があるところであった。
「頭がいい」
 というのか、
「機転が利く」
 ということであったり。
「閃きに優れている」
 というところがあったりするのが、特徴だろうと、これに関しては、川崎も、飯塚も意見は一緒だったのだ。
 まず、最初に聞いた、
「時代背景」
 においては、昔で発想してもいいということであった。
 しかし、いきなり、
「昔の発想でも構わない」
 と言われても、
「そんなに昔のことが分かるわけはない」
 というものだ。
 何と言っても、
「自分たちが生きている時代ではない」
 ということであるし、
「警察がどういう組織であったか?」
 あるいは、
「その時代の社会的背景がどういうものであったのか?」
 などを、いきなり創造するというのも難しいものである。
「とりあえず、分かる範囲で、少しずつ話を聴いてみるしかないか?」
 ということを考えると、その時、なぞなぞにも精通がある、しかも、大学生であるいちかとすれば、ある遊びが思い出された。
 というのも、
「ウミガメのスープ」
 という発想であった。
 これは、どういうものなのかというと、
「問題を出した人に対して、自分が解いていくためのヒントをたくさんもらって、そこから推理していくものだということだ」
 というものであるが、それには、少々のしがらみがないと、ゲームとしては面白くないというものだ。
 そのしがらみというのが、
「質問された人が、「イエスかノーか」ということで答えられる質問でなければいけない」
 ということであった。
「そもそも、この話は、刑法上の、緊急避難の話に似ていて、海で遭難氏、そこで、先に餓死した人間がいるとして、無人島に辿り着いたはいいが、自分が助かるためには、死んだ人間の肉を食らわなければ、生きられない。一人の男が、どうしても、人肉を食らうのを拒否し、死を待つばかりとなっていた」
 というところに追い込まれたところから始まる。
「まわりの生き残っている人たちは、このままではいけないということで、頑なに人肉を食らうことを拒否している男に、人肉で作ったスープを、ウミガメのスープだと偽って、食べさせたのだ」
 ということであった。
 本人は、空腹から、意識も朦朧としているので、
「スープだ」
 だと言われると、疑いもなく食べ、何とか生き延びることができた。
 という話だった。
 そこで、この話をモチーフにしたクイズが出された。
 そのクイズの内容だが、
「ある男が、中華料理屋で、ウミガメのスープを、最初は、おいしいおいしいといって食べていたのだが、急に。何を思ったか、そのまま自殺をしてしまった。どうしてだろうか?」
 というのが、クイズだった。
 普通であれば、これだけ聞いただけでは、
「何が何か分からない」
 というわけだ。
 そこで、解凍者が数院いるとして、回答者にたくさんの質問をさせる。
「その人が死にたくなったのは、ウミガメのスープを呑んだからですか?」
 とか、
「その人は、ウミガメのシープを初めて飲んだんですか?」
 というような質問である。
 これであれば、
「イエスかノーか?」
 ということで答えることができるであろう。
 それによって、質問者は、
「イエス」
「ノー」
「これだけでは、分からない」
 などというヒントになることを答えるのだが、質問に対しての答えが限られているので、質問をたくさんしないことには、回答にはたどりつぃけ内という意味で、いわゆる、
「帰納法的なクイズ」
 といってもいいだろう。
 そういう意味では、
「なぞなぞに近い」
 といってもいいだろう。
 この犯行が、どのようなものなのかということを考えた時、たくさん、ヒントになることを言っていた人よりも、冷静に聞いていた人の方が、先に回答するかも知れない。
 このクイズは、
「一人が答えれば終わりというわけではなく。回答者は、出題者に耳打ちをして、
「違います」
「正解です」
 というのだ。
 そして、違った場合には、その人が何と答えて間違えたのかということを公開する必要がある。
 それで、無限にある回答がっ少しでも絞られたかのように思うのであろう。
 無限にあるものから、一つ、二つくらいが減ったとしても、それは、ただの気休めでしかなく、
作品名:一触即発の謎解き 作家名:森本晃次