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バタフライの三すくみ

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 普通の大学生などが、就職活動をする場合、基本的に、起業は、まず、書類審査を行い、そこから、面接に入っていくというのが、一つの流れだろう。
 そういう意味では。-、ドラフトにおける
「逆指名」
 というものが、ある意味微妙な立ち位置にさせられるということを考えると、選手側には、
「厄介だ」
 として、微妙に感じることだろう。
「じゃあ、指名する球団側とすればどうだろう?」
 これは、
「メリットしかないのでは?」
 とも思える。
「相思相愛の選手であれば、球団側も、安心して指名ができる。他の球団が指名してこないと思うと、安心だからだ」
 そうなると、球団側も、
「商売根性」
 というものが出てくるかも知れない。
 というのが、前述の
「球団の指名順位」
 である。
 本来であれば、高校生と、大学生の二人を一位指名したいと考えていたとする。
 しかし、高校生は逆指名ができないので、実力からすれば、他の球団が、
「競合を覚悟で指名」
 をしてくるかも知れない。
 そうなると、一位指名に、安パイの逆指名選手を取ってしまうと、その高校生はあきらめざるをえなくなってしまう。
 それを考えると、
「まず、高校生を一位指名して、うまくいけば、選択交渉できるだけの権利を得られるかも知れない。何もしなければ、放棄するのと同じだからだ」
 というのだ。
 ということは、
「みすみす他の球団に取られてしまうのを、指を咥えて見ているのは、実に苛立たしい」
 と考えると、ダメもとで、その選手を一位指名しようと考えるのは、当たり前だ。
 もしだけでも、相手が同一リーグの場合と、そうでない場合とであれば、条件がまったく違ってくる。
 違うリーグであれば、
「そこまで気にすることはないが、同一リーグともなれば、自分のチームが勝てていた試合のいくつかを失うことになる」
 というのだ。
 それが分かっていて、みすみす、同一リーグの他球団に持って行かれるのを、黙って見ているのは、たまらない。
 それは、球団幹部の共通の気持ちだろう。
 そうなると、一位指名を、
「高校のスター選手」
 二位指名を、
「逆指名選手」
 とするのは、実に必定だということになるだろう。
 そういう意味でも、球団と、逆指名選手の間では、下交渉がなければいけないのかも知れない。
 そうしないと、選手の方でも、
「逆指名までしてやったのに、何で俺は、高校生の若造よりも、下なんだ?」
 ということになる。
 プライドがズタズタにされたかも知れない。
 選手の中には、知らされていなければ、
「二位指名などというのはプライドが許さない」
 として、社会人であれば、まだその球団で一念所属し、来年のドラフトを目指すのかも知れない。
 ということを考えると、
「逆指名選手が納得さえできていれば、逆指名というのは、企業に悪いことはないといってもいいだろう」
 下交渉では、
「今回は二位指名という形にしてもらうが、あくまでも形だけで、年棒や、契約金は、一位指名とそん色ない形で定時させてもらうから、ぜひ、うちにきてほしい」
 などと言われると、選手も、プライぢは保てるので、問題ないはずである。
 そうやって考えると、
「逆指名というものが、あろうがなかろうが、結局、ドラフト会議は、
「何か改善しようと思うと、それは、企業側が有利になる」
 ということなのかも知れない。
 これは逆をいうと、
「そもそもの、ドラフト会議が始まった時が、企業側が圧倒的に不利だった」
 ということが言えるのではないだろうか。
 企業側には、選択することができても、リスクは大きい。
 何といっても、
「有名選手が競合した場合、交渉権は、くじ引きに委ねられ、運を天に任せるという形にしかならない」
 ということだからだ。
 つまりは、
「交渉権を得るのに、まず神頼みがあって、それで交渉できるとしても、その選手が何を考えているかということで変わってしまう」
 つまりは、
「拒否される可能性も十分にある」
 ということだ。
 そうなると、浪人してしまう人もいるだろうし、高校生なら、大学か社会人。大学生なら、社会人という風に、進むしかない。
 ドラフトの目玉というほどの選手なら、大学や社会人から、相当、
「うちにきてほしい」
 といってきていることだろう。
 大学なら、スポーツ推薦などというのもあるだろう。
 少年野球からたたき上げてきた選手だったら、高校も、昔であれば、
「野球留学」
 などという言葉で言われた、
「スポーツ推薦」
 というもので、一種の、
「特待生枠」
 というものだっただろう。
 これは、野球だけに限らず、その大学や高校の得意分野のスポーツであり、
「全国大会常連というような学校」
 であれば、普通にあってしかるべきの体制である。
 それがいい悪いは、賛否両論あるだろう。
 何と言っても、
「ケガなどをして、選手生命を絶たれてしまった場合など、その処遇はあまりにも冷徹であり、そこから先の一途は、昔であれば、グレた生徒というレッテルを貼られてしまうということだ」
 そんな、厳しい状態に、ケガもせず、ずっとスター選手として、ドラフトにかかるというのは、
「実に幸運だ」
 と言えるだろう。
 もちろん、その選手の努力のたまものなのだろうが、どうしても、ちやほやされてしまう。
 嫌でも、
「天狗になる」
 というのは当たり前のことで、ここでも落とし穴がないともいえない。
 中には、ドラフト一位で入団してきて、途中、どこかで、羽目を外す形で、
「謹慎処分」
 というような形になる人も、少なからずいたのかも知れない。
 そんな状態で、プロ野球に入っても、
「すぐに活躍できるとは限らない」
 もちろん、選手層であったりもあるし、監督やフロントの考えもあるだろう。
 球団側は、
「即戦力とみなして、一位指名した」
 というのに、監督が使ってくれないどころか、二軍生活を余儀なくされることもあ
「る。
 球場の外で売っている、グッズなどは、その選手のものが結構売れているのに、本人は、球場にも来ていない」
 という状況になることだって少なくないだろう。
 それを思うと、球団としても、
「監督、コーチなどの現場の意見は聞くが、そこで確執が生まれないとも限らない」
 昔の野球漫画などでは、そんな球団とフロントの確執が、不穏な空気でチーム全体のムードを悪くして、
「最悪、最下位をずっと低迷している」
 ということだって普通にあるだろう。
 そんな球団が強くなれるわけもない。
 そんな球団が一位で優勝するようなことがあれば。
「少なくとも、この年のリーグは、最低最悪のシーズンだった」
 といってもいいだろう。
 そうなると、リーグが盛り上がるはずもなく、
「結局。得なことはない」
 というものである。
 それを考えると、
「ドラフト会議や、トレードというものが、どれほど大切なのか?」
 ということである。
 ストーブリーグと呼ばれる、
「トレードなどで枠シーズンオフであるが、前は、ほぼ選手の意思はまったく通らなかった」
 しかし
今では、
「FA制度」
 であったり、
「ドラフト会議」
作品名:バタフライの三すくみ 作家名:森本晃次