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バタフライの三すくみ

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 ということであったが、北海道に球団を移したことで、そこで、ドーム球場をつくるということになり、今では、
「押しも押される地元球団」
 ということになった。
 そのおかげで、他の地方にもどんどん、球団が増えてきて、後は、北陸と、上信越であろうが、さすがに、今の時代であれば、なかなか実現も難しいだろう。
 そうなると、
「独立リーグ」
 という考え方が不可欠となり、どんどん負えてくることになるだろう。
 元々はサッカーチームが、
「プロ化に伴って増えてくる」
 ということになると、他にもプロ化として、
「バレーボール」
「バスケットボール」
 などが、実際にプロ化してくると、こちらの人気も増えてくるというものだ。
 これもある意味、
「独立リーグ」
 と野球では、短い間だったが、
「女子プロ野球」
 であったり、プロの引退したかつての有名選手で作る、
「マスターズリーグ」
 などというのも、スポーツ振興という意味で、結構な手助けをしたということになるのだろうか?
 そんな風にどんどん、プロチームができて行っているが、本当に必要なのだろうか?
 元々は、プロスポーツといえば、野球か、レスリングか、相撲くらいではなかっただろうか?
 相撲に関していえば、
「国技」
 であり、ずっと昔から伝統があり、さらに、その伝統にのっとって、いろいろな決まりてであったり、技術が伝えられ、本来なら、
「日本独自の伝統」
 というはずなのに、一時期は、ほとんどが、モンゴルに支配されていたような時代だったではないか。
 横綱が三人いたら、
「そのすべてが、モンゴル」
 という状態だった。
 しかも、モンゴルの前はというと、ハワイや、欧州だっていたではないか。
 まだモンゴルは、
「同じアジアだ」
 ということなのだろうが、少なくとも文化が違う。
 考えてみれば、モンゴルから来た力士が、問題を起こしたことも、何度となくあった。
「モンゴル人だから、注目された」
 ということもあるのだろうが、そのたびに、
「日本の伝統を知らない外人がやってきて、伝統を汚した」
 という人もいたではないか。
 それを思うと、
「やはり、昔の野球などは、まだよかった」
 と言える。
 今のように、
「助っ人」
 と言われる外人をどんどん連れてくる。
 それは、それだけ、
「日本の野球が、メジャーに追いついてきた」
 とでも、言えるのか。
 昔から、
「日米野球」
 という行事があったが、
「数試合やって、一個でも勝てば大ニュース」
 という時代が、普通だったのに、今は、
「アメリカが勝ち越すのに必死」
 という感じで、WBCでも、日本の優勝の方が多いではないか。
 さらに、昔だったら、
「アメリカっはベースボールであって、日本のような、バントバントなどというせこい野球は、ベースボールの脚者とにも及ばないと言われていたのに、今では、そんな緻密な野球を、メジャーでも組み入れているということだ」
 要するに、
「時代が変わった」
 のである。
 しかも、昔は、バリバリのメジャーリーガーが日本に来るなどというのは、ありえなかったが、今では、
「昨年のホームラン王というような選手が日本に来たり、逆に日本人がアメリカに渡って、信じられないような活躍をしているのだから、そりゃあ、メジャーの方も、日本の野球を見直すというものだ」
 と言える。
 しかし、日本のマスゴミも、世間も、どうも嫌だ。テレビでも、メジャーに渡った選手を、贔屓して特集を組んだりして、持ち上げている。
「日本の宝をメジャーに取られるのは、寂しい」
 といっているくせに、
「メジャーでの活躍も見たい」
 という、国民意識の違いが、どこから来るのか、
「正直まったく分からない」
 という感じである。
「本当に、スポーツの世界って、どうなっているのだろう?」
 というものである。
 野球というものも、ある意味、最近では、
「地元の損得」
 ということに絡んでくる。
 昔は、どうしても、大都会に、球場も球団も集まってくる。
 最初の頃は。管廊、関西合わせて、12球団のうち、9球団までもが密集していた。
 特に関西に4球団あり、そのすべての親会社が、
「鉄道会社だった」
 というもの、大きな特徴だった。
 関西というところは、私鉄大手が5社だったので、そのうちの4つが球団を持っていたということを考えると、かなりのものである。
 それ以外のフランチャイズというと、
「名古屋」
「広島」
「福岡」
 という、ある程度の大都市だったのだ。
 しかし、そのうちに、
「地元球団」
 という意識が広がってくると、各地方に球団が流れていく、特に関東でも、千葉、埼玉など、今までは、東京、神奈川に集中していたものが、広がっていく。
 そこで、
「地元球団」
 ということで、球団名の頭に、地名を入れるということも多くなった。
 さらに特徴は、北海道、東北にまで食指を延ばしたのは、前述のとおりだが、この頃になると、スポンサーとなっている会社の職種が、昔とは、明らかに変わってきた。
 昔であれば、
「映画会社」
「鉄道会社」
「新聞社」
「食品や、自動車メーカー」
 などであったが、昔と同じものは、
「新聞社」
「自動車、食品メーカー」
などは、ほとんど変わりないが、途中から、
「鉄道」
「映画会社」
 の代わりに、
「金融業界」
「IT関係」
 というのが出てきたのだ。
 やはり、
「地元密着型の球団運営」
 というのは、
「サッカーチームのプロ化」
 というのも大きかっただろう。
 サッカーチームというと、
「企業の損得」
 ということよりも、
「地元に根差したクラブチーム」
 という印象で、目的としては、
「世界大会で活躍できる選手の育成」
 というものが大きいのだ。
 最近のプロ野球というもの、それに近いかも知れない。
「地元密着型」
 というのは、切実的に、
「スポンサー会社だけでは、運営できない」
 という問題が孕んでいるのだろう。
 サッカーチームも、最初の頃は、どんなに強いチームでも、その経営や、運営は、毎年のように、無理があって、地元企業が、たくさん支援してくれたり、地元の市民が支援してくれることで、
「さらなる、地元密着型のチーム」
 というのが出来上がっていくのだった。
 その精神が、野球界での、
「独立リーグ構想に結びついてきたのかも知れない」
 と言える。
 しかし、実際に、運営が、本当にできているのかというのは難しいところで、最近のプロ野球でも、三軍制度が定着してくれると、その試合相手として、学生チームだったり、地元のクラブチームだったりするだろう。
 さすがに、
「先が見えない」
 ということもあり、どうなるのか、まったくの未知数だった。
 そんな、霧島という選手が、最近は地元の独立リーグのコーチに就任していた、
 かつては、地元の高校、大学と、いわゆる野球でいうところの、
「エリートコースを進んできた」
 といってもいいだろう、
「学生時代は、ケガもなく、順風満帆だった」
 といえる、
作品名:バタフライの三すくみ 作家名:森本晃次