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裏表の日本

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「後継者争い」
 というか、秀吉が、自分の息子に関白職を譲りたいということで、一度譲った甥の、秀次に、謀反の罪を着せて、秀次を追い落とすという、やり方とすれば、持統天皇の時と同じ方法であった。
 そんな時代から、最終的に徳川時代へと突入し、徳川時代が260年の天下泰平の時代を築いたのだが、実際には、財政不安の問題や、締め付けによる諸問題が山積みであったのは間違いない。
 そんな中、植民地時代を受けて、日本にも、外国からの食指が伸びることになってきた。
 それまでも、ロシアの船などが、外交にやってきたりしたが、
「我が国の交渉窓口は長崎なので、長崎に行ってくれ」
 ということで、ごまかしてきたが、それだけでうまくいかず、結局、アメリカの黒船の圧力に押され、アメリカと通商条約を結んだことから、諸外国とも、同じような条約を結ぶことになる。
 その交渉とは、いわゆる
「不平等条約」
 であり、日本は、決定的に不利な状態にあった。
 植民地となったわけではないが、独立国同士の条約としては、完全に上下関係ができているといっても過言ではないだろう。
 それが、結局、日本人には許しがたいということになり、世間では、
「幕府は弱腰だ」
 ということで、諸藩では、
「外国人打ち払い」
 ということで、
「攘夷」
 という考えが生まれたのだ。
 それは、幕府を見限って、
「尊王攘夷」
 というスローガンとなるのだが、当時の薩長は、それぞれ、外国から攻撃を受ける状態をつくってしまった。
 薩摩は、参勤交代の際に起こした、
「生麦事件」
 長州は、
「外国船打ち払い」
 というものの解禁とともに、関門海峡を行きかう船を、片っ端から砲撃したということなどで、その報復を受けることになり、外国の力を思い知ることになった。
 そこで、
「外国に逆らうことなど、とんでもないことだ」
 ということになった。
 そこで、薩長が考えたのが、
「幕府を倒して、天皇中心の時代を作り上げ、国家を守る」
 というような、
「尊王倒幕」
 という考えに移行していくのであった。
 もうすでに、幕府の力は、なきに等しかった。
 結局、政権を天皇に返還するという、
「大政奉還」
 が行われ、
「王政復古の大号令」
 と共に、明治新政府が立ち上がり、
「幕府を力でねじ伏せた」
 という、
「明治維新」
 となったのであった。
 いわゆる、
「幕末の動乱」
 から、軍事クーデターによっての革命で、新政府が樹立したといってもいいだろう。
 明治新政府のスローガンが、
「殖産興業」
「富国強兵」
 であった。
 殖産興業によって、産業を起こして、国を活性化させ、さらに、富国共栄で、国を富ませることと、海外からの侵略に備えて、自国軍を整備するということになるのだった。
 そのために、海外の技術をどんどん輸入して、ヨーロッパに追いつけ追い越せという状態だったのだ。
 その目的は言わずと知れた、
「不平等条約の解消」
 であり、
「他国からの侵略を食い止める」
 というものであった。
 そんな思いから、日本はいよいよ、対外戦争に突入することになる。
 元々、問題は、
「朝鮮半島」
 であった。
 明治政府のできた頃、西郷隆盛や、板垣退助などの意見として、
「征韓論」
 というのがあった。
「鎖国中の朝鮮を開国させ、朝鮮に侵攻する」
 というものであったが、
「今の日本には、他国を侵略するだけの力はない」
 ということで、大久保利通によって、西郷は失脚し、薩摩に帰ることになったのだ。
 要するに、
「殖産興業」
「富国強兵」
 というものの始まりである。
 だが、問題はロシアであった。
 ロシアの進出を阻止するという意味でも、朝鮮半島は、戦略的に重要な土地だった。
 当時の朝鮮は、鎖国中とはいえ、当時中国の王朝であった、
「清国」
 によって、支配されていた。
 その清国から、朝鮮は、
「冊封関係」
 つまりは、主従関係にあったということで、朝鮮への進出は、清国との緊張を高めるということでもあった、
 だが、日本はこれまで、忠実に、スローガンを守ってきたことで、
「清国と対等に話ができるくらいにまで成長していた」
 というのだ。
 朝鮮は、日本によって、強引に開国させられ、日本としては、
「あくまでも、朝鮮は独立国」
 という観点から、朝鮮を属国と捉えている清国を完全に敵視するようになったのだった。
 朝鮮半島の、2度に渡る軍事クーデターによって、日本の権益が圧倒的に少なくなったことで、
「日清の衝突は免れない」
 という状況に陥っていた。
 日本と清国は一触即発の状態から、戦争上に入り、あっという間に、日本の勝利ということになった。
 一応、対外戦争デビューであり、相手がいくら、
「手負いの獅子」
 という状態であったにも関わらず、結局、完膚なきまでに相手をやっつけ、
「日本の勝利」
 ということで、堂々と、
「講和条約に望む」
 ということになった。
 その時の賠償金などで、八幡製鉄所などの富国強兵のために必要な施設をつくったりしていた。
 さらに、遼東半島、南満州鉄道の一部を手に入れることができたのだが、遼東半島に関しては、ロシアを中心とした三国が、日本にたいして、
「遼東半島の返還」
 を促した。
 いわゆる、
「三国干渉」
 というものだ。
「今日本に、この三国と戦争を同時に開くだけの力があるわけではない」
 ということで、仕方なく、遼東半島を返却するに仕方がなかったのだ。
 要するにこの時のロシアの動きから、完全に、
「ロシアを仮想敵国とする」
 という考えが生まれてきたのだった。
 ロシアにとって、
「不凍港」
 と呼ばれる港の確保が最優先であった。
 満州地域であったり、アフガニスタンなどの国に侵攻するのも、その、
「不凍港」
 を求めてのことだった。
 しかも、ロシアは、日本に返還させた遼東半島にある旅順に、大要塞を築いて、日本の脅威を取り除こうとしているのだった。
 日本は、その後、ロシアとの関係は、悪くなる一方で、
「争いは必然的」
 ということになり、いよいよ、日露戦争が勃発することになった。
 さすがに今度は、日清戦争の時のようにはいかない。
 問題は、旅順と、ウラジオストックにあった、極東艦隊と、本国主力のバルチック艦隊が一緒になってせめてこられると、日本に勝ち目はないということだった。
 だから、まずは、
「旅順艦隊」
 の撃滅か、あるいは、きたる艦隊決戦のためには、
「旅順艦隊の足を止める」
 ということくらいしかないということであった。
 そこで、
「古い戦艦を座礁させる」
 という、
「旅順港閉塞作戦」
 というものが、計画されたが、失敗に終わったのであった。
 結局座礁させることができなかったので、旅順艦隊壊滅作戦に切り替わった。
 しかしそのために、旅順要塞を清涼する必要がある、
 要塞は、実に堅固にできていて、正攻法ではどうしようもない。
 かなりの犠牲を出して占領で来たのだが、
「旅順、あんな軍港一つが、日本の命取りになるのか」
作品名:裏表の日本 作家名:森本晃次