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裏表の日本

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 といって、植民地化したと思うと、今度は、その日本が負けたことで、元々の宗主国が、何事もなかったかのように、自国の復興のために利用されるのは、もうまっぴらごめんだといってもいいだろう。
 ここまでくると、自ずと、独立戦争の機運は高まってきて、隣国も同じように、独立戦争を行うということで、一斉に宗主国に襲い掛かれば、いくら相手がかつての宗主国であったとしても、勝ち目はないだろう。
 東南アジアの国々の独立派どんどん進み、最初の朝鮮半島から始まって、
「インドシナ、マレー、シンガポール、ビルマ、インド、インドネシア」
 などという東南アジア系の国が独立していく。
 アフリカも独立を勝ち取り、アラブでは、ロレンスの時代から続く協力体制が壊れ、イギリスによる、
「二枚舌外交」
 が露呈し、
「アラブとユダヤの構想に発展し、今まだ解決していない、中東問題として、大いなる問題が、残っている」
 ということであった。
 そんな時代におけるアジアも、独立国家ができてくると、そこに対して、社会主義国が食指を延ばしてくるのは、ある意味、無理もないことだったといえるだろう。
 そこから起こったのが、
「ベトナム戦争」
 だったのだ。

                 限りなく…近いもの

 こちらの世界では、日本を侵略しようと、明らかに狙っている国がある。各国は、日本という国を不思議に思っていた。
 というのは、何と言っても、日本の歴史を調べれば調べるほど、
「どうして、侵略されることがなかったのか?」
 ということであった。
 確かに、古代であれば、京極女帝の頃、
「乙巳の変」
 から続く、
「大化の改新」
 の後、ちょうど、朝鮮半島では、騒乱の時代であった。
 元々、古代の朝鮮半島というのは、北から、高句麗、新羅、百済、任那と、4つの国だったのだが、そのうちに、任那がなくなり、高句麗、新羅、百済の3国となったのだが、その時、高句麗、新羅の連合軍が、百済に襲い掛かったのだ。
 そこで、百済の使者が日本の朝廷に、
「百済を助けてほしい」
 ということで、援軍を要請したが、それを、当時の朝廷は了承し、朝鮮半島に軍を派兵した。
 しかし、そこで、日本、百済の連合軍は、高句麗、新羅の連合軍に、
「白村江の戦い」
 にて大敗北を喫し、百済は、結局滅びることになった。
 しかし、日本もこのまま無事で済むわけはない。
「急いで、国防に走らなければならない」
 ということで、九州の筑紫地方。さらには、博多湾を守る必要が出てきた。
 急いで、軍を編成し、筑紫に派兵。さらに、古代山城や、防波堤を建設。
 それは、
「大野城」
 であり、
「水城」
 なのである。
 そして、朝廷、つまり首都機能を筑紫に移すということで、当時の難波にあったとされる都を、急遽、遷都することになったのだ。
 そこまでして、日本の防衛を図ったのだが、なぜか日本に連合軍が攻めてくることはなかった。
 それだけの防衛が無駄になったわけだが、それでも、攻めてこられなかったのは、実に幸運だったといってもいい。
 それが、日本においての、最初の、
「外国からの危機」
 だったのだ。
 そうやって考えると、まずよかったのは、
「日本という国が島国だった」
 ということであろう。
 どこの国とも陸続きで接していないというのは、ある意味幸運だったのだろう。台湾や琉球などの狭いところではいざ知らず、
「侵略されても仕方がない」
 というわけではなかったのだ。
 もう一つ言えることは、地理的問題もあるのではないか?」
 同じ島国でも、フィリピンは、アメリカに植民地化されてしまったではないか。それなのに、日本は、植民地化されず、不平等条約に苦しめられるだけだった」
 と言えるだろう。
「もっとも、地理的事情だけではなく、その時の、相手国の情勢もあったのではないだろうか?」
 と考えることもできるだろう。
 その時、日本が侵略されなかったことも、いろいろな理由があるのだろうが、とにかく、
「侵略を受けてもおかしくない状況」
 だったにも関わらず、攻めてこなかったというのは、ありがたいことであった。
 その次というと、時代は、中世に入る。
 ちょうど鎌倉時代の末期、ちょうど、中国大陸であ、モンゴル族の王朝、
「元帝国」
 によって、当時は、世界最大と言われた、モンゴル帝国が出来上がりかけていた。
 東アジアから、中央アジア、中東あたりまでの大帝国を築いていた。
 次に目指すは日本であり、鎌倉幕府としては、
「モンゴルに屈するわけにはいかない」
 ということで、通称を求めてきた元の使者を処刑したことで、いつ攻められても仕方が逢い状況になった。
 まるで、デジャブであるかのように、博多湾に御家人を終結させ、石にて、石塁を築き、蒙古の来襲に警戒していた。
 今度は、さすがに大軍が博多湾に集結して、上陸してきたのだ。
 相手は、それまでの日本と戦い方がまったく違った。
 日本の基本的な戦い方は、まず、先陣同士が名乗りを上げて、そこからの戦闘ということであったのに、モンゴルは敵対すれば、すぐに攻撃してくる。
 さらに、日本人が見たこともないような新兵器で向かってくるので、相当戸惑ったことだろう。
 何と言っても、同じ国内での戦闘ではないのだ。
 これは、逆に島国であることが、災いしたといってもいいのかも知れない。
 なぜなら、元は、島国であることから、欧州や、他の国の優れた戦というものを身に着けているが、日本では、
「陸続き」
 ということで、そのような情報も入ってこない。
「天然の鎖国状態だった」
 といえるのではないだろうか?
 あくまでも、外国とのかかわりは、今までは、貿易だったということなので、攻められることもなかった。
 そういう意味で、
「元寇」
 というのは、
「初めて、外国から攻められた」
 ということでは、特筆すべきことであった。
 しかし、この戦で、
「もっと特筆すべきこと」
 というのは、
「神風が吹いた」
 ということである。
「二度に渡る元寇であったが、その両方とも、台風が、元の船を全滅させてくれた」
 ということで、日本人の心に、
「日本という国は、神の国だ」
 ということを、改めて思い知らされることになり、天皇の権威を示す意味で、
「実に利用するにありがたいエピソードだ」
 ということであった。
 そういう意味で、
「日本は、侵略を受けることはあっても、こちらから侵略する国ではない」
 といってもよかった。
 それは、本当の意味での、統一国家になっていなかった。
 ということもあるかも知れない。
 平安時代でも、ずっと東北地方に勢力が伸びていないし、関東では、平将門を中心とした勢力があったりと、それぞれの土地に、強い豪族が、その地に根を生やしているからであった。
 朝廷と言っても、貴族中心の軍隊で、出撃するとしても、各地の反乱を抑えるということでのものだった。
 そのうちに。
「武士」
 という戦闘集団が起こってくる。
「荘園を守るため」
作品名:裏表の日本 作家名:森本晃次