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裏表の日本

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 だから、この世界の日本の政治家というのは、
「一番愛国心がないのは誰か?」
 と聞かれると、
「それは、政治家に他ならない」
 ということであろう。
 他の国民も確かに愛国心はない。
 しかし、それは、
「国家間の事情というものを、ほとんど教育されていないし、マスゴミなどの情報も、あくまでも、政府によって、制限されている」
 というものだった。
 正直、憲法で定められている、
「自由、権利」
 というものは、あくまでも、宗主国であるアメリカに都合よくできているというだけのことである。
 しかも、
「平和憲法」
 ということで、頑なに、平和主義のため、今は少し柔らかくなったが、自衛隊という軍隊が、
「戦争放棄」
 の名の下で行動しているというのは、あくまでも、
「宗主国のアメリカのためのことだ」
 ということに他ならないのだ。
 そんな日本国にとっての最大の敵は、
「アメリカの敵だ」
 といってもいいだろう。
 そういう意味では、戦後において、完全なる敵というのは、アメリカだけではない、他の民主国家すべての敵であった、
「ソ連を中心とした社会主義国」
 ということであった。
 それらの国は、どんどん社会主義圏というものを増やしていく。
 それを必死になって阻止しようということで起こった戦争が、
「ベトナム戦争」
 だったのだ。
 ソ連が、東南アジアで急速な社会主義国家圏を増やそうとした理由は、
「戦時中は、日本の支配下にあった国が、日本が破れることで、元々の宗主国が入ってくると、今度は、独立を目指して。ゲリラ戦などを中心とした独立戦争を引き起こし、どの独立を勝ち取っていった」
 のである。
 そんな独立を勝ち取った国は、統治も受けず、自分たちのかつての、搾取されない国になっていったのである。
 それが、東南アジアを中心とした国々で、ベトナムもその中に入っていた。
 そもそもベトナムというところは、インドシナと呼ばれていて、植民地時代には、
「フランス領」
 だったのだ。
 ドイツと同盟を結んでいた日本は、ドイツがフランスを席巻した時、フランス政府は国外に亡命し、ある意味、
「無血開城」
 という形で、パリを占拠した。
 政府がいなくなったので、ナチスは、そこに、
「ドイツの傀儡政権」
 である、
「ヴィシー政権」
 というものが存在したのだが、フランス政府とはいえ、基本的に、同盟国の傀儡政権ということで、日本が、
「北部仏印に侵攻する」
 ということを、容認するのは当たり前のことだった。
 だから、日本は、北部仏印に侵攻するのは、あくまでも、
「宗主国政府の許可を得て」
 ということになり、この時は、国際連盟は抗議をすることはできても、国連としての制裁活動はできなかった。
 だから、
「米英蘭中」
 の四か国による、
「ABCD包囲網」
 という形での経済制裁しかできなかったのだ。
 それらの国は、東南アジアに権益を持っているということで、共通した正妻目的があったからなのだ。
 しかも、それらの植民地にとって、
「いつ日本が攻めてくるか分からない状況で、宗主国に従うしかなかった」
 というところであろう。
 しかし、実際に日本が侵攻してくると、その大義名分が、
「大東亜共栄圏の建設」
 ということであれば、
「うまくいけば、宗主国から独立できるかも知れない」
 と考える。
 そもそも、日本は、今までに格上の、
「清国」
 であったり、
「ロシア」
 などという大国に対して勝利しているではないか。
 満州に展開する、
「関東軍」
 というのも、天下無敵ということで、
「日本がいう、大東亜共栄圏という理想が叶えば、東南アジアは、欧米列強から侵略を受けることはなくなり、真の独立を勝ち取ることができるかも知れない」
 ということで、
「日本を利用しよう」
 と考えたところも少なくないだろう。
 しかも、日本が侵攻してきた最初は、国民のほとんどは歓喜の声を挙げ、日本軍というものを、
「解放軍」
 として受け入れたのだ。
 政府がその気持ちに後押しされるというのも、無理もないことで、そういう意味で、
「日本における、最初の統治」
 というのは、実に、うまく行ったといってもいいだろう。
 しかし、そのうちに、その国家を、
「日本化しよう」
 と考えるようになった。
 いや、それが最初からの狙いで、それこそ、
「日本による植民地化」
 ということに他ならない。
「自分たちが遊びたいのに、そいつらが居座っているから遊べない」
 ということで、無理矢理に追い出して、そこにいた連中を開放したふりをして、自分たちに協力させようという考えなのであろう。
 つまり、日本軍は、
「解放軍」
 だったはずなのに、いつの間にか、
「占領軍」
 となり、日本という国は、
「宗主国」
 ということになっただけで、立場はまったく変わらなく、宗主国が変わっただけだ。
 ということになるのだ。
 かといって、日本と、それまでの宗主国との違いが歴然としていた。
 欧州のかつての宗主国というのは、そこで採れる資源などだけを目的にしているので、国土をほとんど何もしなかったが、日本という国は、
 まがりなりにも、
「大東亜共栄圏の建設」
 という名目、さらには、
「共通の敵、欧米列強」
 ということもあり、進んで、侵攻していった国のインフラを整備したのだ。
「占領地の日本化」
 というのも、
「大東亜共栄圏の建設」
 という意味で必要なことだったと考えれば、それはそれで悪くはないことだといえるのではないだろうか?
 実際の植民地とされた方からすれば気に入らないであろうが、
「欧米列強よりはマシだ」
 と思っていたことは間違いないだろう。
 それを思うと、
「日本がやったことは、戦後の独立戦争においても、役に立った」
 と言えるだろう。
 宗主国が、再度支配下に納めようとしても、抵抗することができたのも、日本が置いていった武器であったり、現存している旧日本軍の兵士たちが、独立運動に参加したのである。
 日本兵から、軍事訓練を受け、武器も揃っていて、やつらの知らないインフラ整備が行われているのだから、相手が苦戦するのは当たり前で、っそんな中でうまく講和に持ち込み、
「独立を勝ち取る」
 という形にできたのだ。
 それを考えると、
「日本がやってきた占領政策は、間違っていなかった」
 といってもいいだろう。
 今から思えば、あのまま大東亜共栄圏というものができていれば、
「世界地図」
 というものは、まったく違った形になっていたのかも知れない。
 と言えるだろう。
 何といっても、東アジアのほとんどの国が、独立戦争を行って、独立を勝ち取ってきたのだ。
 確かに、欧米列強は、それまでの世界大戦によって疲弊し、ボロボロの状態だったことで、植民地の運営が、
「国家の復興」
 ということに不可欠だったということである。
 しかし、相手も、
「そう何度も、繰り返し植民地化されることにいい加減腹が立つことだろう」
 植民地時代と言われた時は、欧米に搾取され、世界大戦となると、今度は、日本が、
「アジアを開放する」
作品名:裏表の日本 作家名:森本晃次