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マトリョシカの犯罪

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「被害総数が、当時の南京市の人口よりも多い」
 というのが、調査で分かっているということだ、
 だが、真相は、もう80年近くも経った今なので、それを知る由は、関係者がすべていなくなった今となっては、
「闇から闇となる」
 に違いない。
 それこそ、タイムマシンにでも乗って、見に行かなければ、証明をすることは不可能だといえるだろう。
 そんな時代において、今は、
「世界的なパンデミックも収まった」
 と政府は言っているが、それは、本当に金を使いたくないからだろう。
 その理由の一つとして、
「あまり金をばらまきすぎると、不公平になる」
 という連中がいるからだ。
 しかし、今までですら、
「子供一人に対して」
 などという、子供がいる世帯だけをおターゲットにしていることだけでも、不公平ではないか?
 そもそも、子供は税金を自分で払っているわけではない。税金を払ったのは、今の働き手の人たちだけだ。
 今の世の中は、給料が上がらず、
「そんな状態で、子供を育てられない」
 という問題であったり、
「待機児童」
 と言われるように、
「保育所」
 であったり、
「保育士」
 などが、不足していることで、
「子供をつくろうにも、作れない」
 ということなのだ。
 何も、子供のいる家庭に、お金を配ればいいというものではなく、保育士を優遇したり、保育所をつくる金に使うのが正当な使用方法ではないかと思うのだが、間違いだろうか?
 さらに、今度は、子供だけの問題ではなく、
「介護が必要な老人」
 の問題も大きかったりする。
 介護が必要な老人は、今山ほどいる。
 老人(定年退職後の仕事をしていない人)一人を、働き手二人で支えているというそんな時代である。介護施設も、介護士も不足しているのだろう。
 もっといえば、介護士になるにも、実際に、
「資格もない人がいる」
 という話を聴いたが、本当だろうか>
 本当なのかどうなのかは別にして、実際に、
「介護士が、施設の入居者を虐待している」
 というような事件を、よく聞くではないか。
 それも、試験があるかどうかは別にして。
「介護士としての視覚がない」
 といってもいい人間がなっているから、こんなことになる。
 ただ、介護士という仕事、
「正直、きつくて、汚い」
 ということなので、よほど給料がいいとか、何かの特典がなければ、やりたくはないだろう。
 そこへもってきてブラックだったりすると、とんでもない。
 だから、辞めていく人も多いのだろうが、そうなると、真剣な人手不足になり、
「本来なら、二人でしなければいけないことを、一人でするようになり、一人でできない人がいれば、その人を苛める」
 というような、ブラックどころではない世界が広がっていることになる。
 実際に、やってはいけないことを、組織ぐるみで。
「人がいない」 
 ということを理由に、勝手な判断で賄っているのだから、これほどひどいことはないということである。
 そんな状態が今の時代である。
「外国に金をやるくらいだったら、国内の問題に目を向けて、本当に必要な部分に金を使う」
 ということをしていかないと、世の中が回っていかなくなるではないか。
 ということになるのだった。
 一回目の警報機事件は、これで終わった。

                 趣味の時間

 山田は、会社の総務に、報告だけはしたようだが、どうも、それだけで、警備会社も、管理会社も何もしていないということであろう。
 山田の話を、森山も事後報告として、山田から聞いた。
 といっても、経過報告と、結局。
「何も分かっていない」
 ということだけが伝わっただけだった。
 森山は、山田の性格を熟知していたので。
「どうせ、そんなことだろう」
 としか思っていない。
 何事もなかったように、やり過ごす」
 これが、山田のやり方であり、就業スタイルだといってもいいだろう。
 派遣として雇う方は、それでもいいだろう。しかし、森山は、少なくとも、コンビの社員であった。
 二人しかいないが、
「コンビにおける業務監視の責任者というのは、森山だからだ」
 といえる。
 森山は、山田のように、
「無難に言われたことをこなす」
 というだけではいかなかったのだ。
 というのも、
「仕事を無難にこなす」
 というのは、
「派遣社員がやることだ」
 というわけだ。
 正社員であれば、そこから一歩踏み込み、問題点を見つけ、改善案を出して、実際に、業務に結びつけるというところまでを行わなければいけないということになるのであろう。
 だから、森山は、日勤者に自分の上司がいて、その人の指示を受ける形だが、その人が厳しい人で、なかなか、森山の業績を認めてくれない。
「これくらい仕事をしているのだから、認めてくれてもいいんじゃないか?」
 ということであったが、
 実際には、なかなか、そうもいかないようだった。
 今度は、山田が、
「この間、警報が鳴りました」
 といっていた日から、まだ2週間くらいしか経っていない時であった。
 その日は、平日で、夜勤の方を、森山が担当していた。
 平日だったので、その日は、山田は休みで、日中は、日勤者の当番から引き継がれることになっている。
 その日は、日勤者からの用事を任されていたわけではなかったので、森山には時間があったのだ。
 日勤者から引継ぎを受けて、
「このままだったら、時間が余ってしまうな」
 という時、最近の森山には、趣味があったのだ。
 それは、
「絵を描く」
 ということだった。
 パソコンで画像を探してきて。そこで、建物だったり、人物だったりの絵を描く、
 といっても、大げさなことはできないので、
「スケッチブックに、鉛筆で絵を描く」
 というくらいの趣味だったのだ。
 描いているのは、
「日本の城」
 だったり、名所旧跡など。
 さらには、
「昔の武将などの、似顔絵」
 だったりである。
 ネットに公開したりするので、著作権には、気を付けていたのだ。
 今まで、アグレッシブな性格だったので、結構いろいろなところに出かけては写真を撮っていた。
 それを見ながらの絵であったので、
「自分で撮った写真なので、著作権は、自分にある」
 写真撮影可なのだから、肖像権というのもないだろう。
 人物画にしても、昔の武将の肖像画を見て描いているので、著作権にも引っかからないだろう。
 そうやって、スケッチブックに書いてみては、SNSに上げたりしているのだった。
 それは、
「仕事中ではあるが、空いた時間の過ごし方」
 ということでは、ちょうどいいだろう。
 スケッチブックに、鉛筆でデッサンをしている。鉛筆といっても、シャーペンであるが、芯は結構濃いめの、3Bあたりを使っている。
 すると、結構鉛筆画でも、
「立体感溢れる絵になっていて、結構いいものではないか」
 と思うのだった。
 元々、前から、
「絵を描いてみたい」
 と思ってはいたのだった。
 しかし、実際に描いてみると、
「まったくもって、ひどい」
 という意識の絵でしかなかった。
 そんな絵を描いている自分が、描けるようになったのは、
作品名:マトリョシカの犯罪 作家名:森本晃次